2日連続の横風分断&逃げ切り　スプリントでウィーベスが怒涛の3連勝

ロレーナ・ウィーベス（オランダ、SDワークス・プロタイム）の勢いが止まらない。シマック・レディースツアー3日目に横風分断で18名の逃げが決まり、圧倒的なスプリントで開幕3連勝をマークした。

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シマック・レディース・ツアー（UCI女子ワールドツアー）の第3ステージは、オランダ中部のフレヴォラント州の干拓地「ゼーウォルデ」を周回する、「超」がつくほどのド平坦ステージ（160.1km）。コースの半分以上は北海に繋がるマルケル湖沿いで、この日も強風がコースに吹き付けるという過酷な状況だった。

前日に落車し、フィニッシュ後に手首を骨折していたことが判明したファイファー・ジョルジ（イギリス、ピクニック・ポストNL）を欠くプロトンにリアルスタートが切られると、すぐさま横風分断を目論むアタックが始まる。エシュロンに次ぐエシュロンでレース後1時間の平均スピードは45.6km/hにも及び、一時的に総合リーダーのロレーナ・ウィーベス（オランダ、SDワークス・プロタイム）が2人逃げするシーンも。

やがて18名の先頭グループが生まれ、徐々にメイン集団を引き離していく展開に。ウィーベスと屈強なアシストたち、エリーザ・バルサモ（イタリア、リドル・トレック）、この大会でブレイクしている総合5位のマルゴー・ヴィジー（フランス、ヴィスマ・リースアバイク）たちを含む、超強力な先頭グループがすぐさま1分リードを築き上げた。

メイン集団に取り残された総合3位のクララ・コッポニ（フランス、リドル・トレック）は何とかメイン集団のペースを引き上げたかったが、むしろエシュロン分断が発生したりと追走ペースは整わない。残り40kmで2分半、残り20kmで4分と開きに開いて勝負あり。最終的に、先頭18名が実に7分45秒差をつけてフィニッシュ地点に到達した。

最強ウィーベスの3連勝を阻むべく、各選手が散発的にアタックを掛けたものの決まらない。ゾーイ・バックステッド（イギリス、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト）のロングスパートに飛びつき、自分のタイミングでスプリントを始めたウィーベスが他選手を圧倒。平坦ステージ敵なしの開幕3連勝、今季20勝目をマークした。

「レース序盤に風が吹き荒れ、エシュロン（集団）形成には最適な状況。風が止むのが早すぎてすぐに元に戻ってしまわないかと心配していたけれど、グループの全員が協力し合い、総合順位を念頭に置いて良い走りができた。上位にいた選手は全員、最終順位でトップ10入りする可能性が高いからローテーションもうまくいった」と、個人タイムトライアルに向けて総合タイムをさらに貯金したウィーベスは1日を振り返る。

「残り1周で差は4分。フェムケ・マルクスがトップで完璧なコントロールをしてくれたおかげでスプリントすることができた。アタックが少なかったのは、全員が疲弊していたことと、平均スピードの高い過酷なロングステージだったから。多くのライダーが終盤には既に疲れ切っていたと思う。ヴィスマのマルゴー・ヴィジエがハイペースを維持してくれたことがアタックを阻む要因となった。最終1kmに差し掛かった時、すでにペースが速すぎてアタックはほぼ不可能だと誰もが悟っていた。最後はバックステッドのスパートに反応して、自分のスプリントをスタート。明日もエシュロンが生まれる可能性があるので4連勝目指して全力で取り組みたい」と、更なる勝利に向けて意気込んでいる。