去年「いいイベントだな」と思っていたら、やっぱり今年もいいイベントだった。日本人による、日本のための自転車を作る東京サンエスの試乗体験イベントは、今年もアットホームで天気にも恵まれ、なんだかとっても良い感じ。「ローカルイベントはこうでなきゃ」と思わせる、心地良い空気に包まれた会場にお邪魔してきた。

もの凄い数を誇るサンエスのオリジナルバイクたち。全て試乗可能です photo:So Isobe
最高の秋晴れとなった10月9日から11日の3日間、埼玉県さいたま市の秋ヶ瀬公園と、志木市の「サンエスベース羽根倉通り KURU」を舞台に開かれた東京サンエスのブランド体験イベント。OnebyESU(ワンバイエス)を筆頭に様々なオリジナル商品をプロデュースする同社が、試乗会だけでなく、周囲に広がるグラベルを走る「サンエス荒川グラベルライド」、そして豪華ゲストによるシクロクロスレッスンまで詰め込んだ、たっぷり濃い内容のイベントだ。
東京サンエスのオリジナル商品に共通しているのは、スピードや軽さ、硬さを追い求めるのではなく、乗り手の身体と感性に馴染むものを作りたいという思い。自転車の遊び方がどんどん多様になっている今だからこそ、大手ブランドには真似できないニッチで小回りの効いた製品がずらりと並ぶ。JFFシリーズのフレームはすべて金属製で、ぱっと見は同じように見えるけれど、実はその全てが全然違う。スタッフさんに話を聞くと一台一台に込めたメッセージがしっかりと伝わってくる。

来季に向けて開発中というプロトタイプのCXマシン。詳細は秘密 photo:So Isobe

無限のバリエーションを誇るハンドルたち。その一つ一つにちゃんとメッセージが込められてます photo:So Isobe 
ふらりと来場してバイクを試乗。お気に入りは見つかりましたか? photo:So Isobe
例えば、今開発中のチタンバイク「JFF Ti-R1」はその筆頭だ。どんな道にも連れ出せるオールロードバイクはJFFらしいコンセプトだけど、「それをあえてこの時代に、バランスが完成されたリムブレーキ+スルーアクスルで作ろう」「グラベルタイヤに合うブレーキキャリパーがないから作ってしまおう」「ワイド幅のリムブレーキ用カーボンホイールも作ろう」というから凄まじい。普通なら諦めるところを、"ないから作る"に。見たこともない形のバイクがそうやって生まれようとしている。
さらに、大手ブランドからUCI準拠の純シクロクロスバイクが消えかけている今だからこそ、日本のシクロクロスファンに向けたアルミフレームの新型モデルも来季に向けて開発中なんだとか。この話を嬉しそうにしてくれるスタッフさんの顔を見ていると、こっちまで楽しみになってくる。

ワンバイエスの新型サスフォーク「グラベルガードフォーク」を取り付けたJFF #901 photo:So Isobe

40mmストロークを持つグラベル用サスフォーク。スプリング式です photo:So Isobe 
JFF #901にSRサンツアーのGVXサスペンションフォークを取り付けた試乗車 photo:So Isobe
コンセプトがニッチで少しわかりにくいからこそ、開発に携わる人たちと話しながらじっくり試乗できるのは本当に良い機会だ。特に今回は、グラベルも走れるツーリングモデル「#901」に、オリジナルのフォーク、SRサンツアーのGVXサスペンションフォーク、ワンバイエスの新型サスフォーク「グラベルガードフォーク」をそれぞれ取り付けた3台が用意され、乗り比べができるという、もうなんだかすごいことになっていた。
僭越ながら筆者も乗せてもらったが、同じフレームでもサスペンションを付けるとジオメトリーが変わり、まったく別の楽しさを持ったバイクに変身するのが面白い。ジオメトリーオーダーこそできないものの、#901を含めほとんどのフレームセットが20万円でお釣りがくるというのも極めてユーザーフレンドリーだ
レジェンドとトップ選手から教わるCXレッスン、荒川を走り尽くす「アウトバック」

気持ちのいい広場を使ったシクロクロススクール。満員御礼でした photo:So Isobe

鈴木来人選手と辻浦圭一さんら、豪華なシクロクロス講師たち photo:So Isobe 
惜しげもなくノウハウを伝授してくれます photo:So Isobe

全日本9連覇のノウハウで優しく教えてくれます photo:So Isobe
シクロクロスのトップ選手である鈴木来人選手と、かつて全日本選手権を9連覇した名選手・辻浦圭一さんをメイン講師に招いたシクロクロスレッスンも大人気。11日はソフトクリームが名物の「サンエスベース羽根倉通り KURU」での座学から始まり、午後はその内容を踏まえて秋ヶ瀬公園でバリアや乗り降り、担ぎを実践するという、一日たっぷり使った超実践的なメニューだ。事前予約は満員御礼で、「こんなすごい人たちから直接教わる機会もないですから」と参加者のパッションは火傷しそうなほど(笑)。
10日と11日の2日間とも行われたのが「サンエス荒川グラベルライド」だ。「Mr.荒川アウトバック」こと、荒川周辺のダートを知り尽くしたカコさんを中心とするメンバーがガイド役となって、とっておきのコースをみんなで楽しんだ。

最高の天気!ガイドを先頭にオフロードを楽しんで走ります photo:So Isobe

キッズたちも大満足(前日はもてぎエンデューロに参加していたそう) photo:So Isobe 
親子で参加されていました。楽しかったですね〜! photo:So Isobe

Liberty Bikes(リバティバイクス)の関口さんもガイドとして参加 photo:So Isobe 
川越線の電車と遭遇! photo:So Isobe

3時間ほど走ってフィニッシュ!お疲れ様でした! photo:So Isobe
10日はグラベル経験者向けに約50kmを走るA班、11日はこれからグラベルを始めたい人向けのB班。一緒に走らせてもらったB班は参加者の走力に合わせてコースをアレンジしてくれて、小学生も保護者と一緒にエンジョイできた。。どれだけ楽しかったかは、写真を見てもらえれば伝わるはず(!)。
荒川のサイクリングコースは、堤防上の「荒サイ」だけじゃないんです。「グラベルをやってみたいけど、どこを走ればいいかわからない」という人は多いけれど、極上のグラベルは、東京からすぐ近くのこんな場所に(ひっそりと)あるんですよ〜!
100年目の「日本の自転車界の良心」

ガイド役を務めてくれた「荒川アウトバックと仲間たち」の皆さん。全員ワンバイエスユーザーです photo:So Isobe
サンエスのスタッフさんと言葉を交わすたびに思うのは、「サンエスは日本の自転車界の良心」だということ。オリジナル製品はフレームもパーツもどこまでも良心的で、ビッグブランドのような性能第一主義ではないけれど、自転車を楽しむ趣味人と同じ目線に立って形にしたとても優しい製品がここには揃っている。
そういえば、東京サンエスの創業は1926年。今年で創業100周年を迎えた。これまでもこれからも、東京サンエスはずっと、ニッチだけど、みんなに寄り添った、素敵な会社でいてくれることは間違いなさそうだ。
ちなみに、今回の試乗車はイベントが終わった今もすべてKURUにあるそうだ。しかもKURUの営業日でなくても、サンエスのスタッフさんがいるので、事前に問い合わせておけば試乗に対応してくれるという。やっぱり、どこまでもサンエスは日本の自転車界の良心だ。
text:So Isobe

最高の秋晴れとなった10月9日から11日の3日間、埼玉県さいたま市の秋ヶ瀬公園と、志木市の「サンエスベース羽根倉通り KURU」を舞台に開かれた東京サンエスのブランド体験イベント。OnebyESU(ワンバイエス)を筆頭に様々なオリジナル商品をプロデュースする同社が、試乗会だけでなく、周囲に広がるグラベルを走る「サンエス荒川グラベルライド」、そして豪華ゲストによるシクロクロスレッスンまで詰め込んだ、たっぷり濃い内容のイベントだ。
東京サンエスのオリジナル商品に共通しているのは、スピードや軽さ、硬さを追い求めるのではなく、乗り手の身体と感性に馴染むものを作りたいという思い。自転車の遊び方がどんどん多様になっている今だからこそ、大手ブランドには真似できないニッチで小回りの効いた製品がずらりと並ぶ。JFFシリーズのフレームはすべて金属製で、ぱっと見は同じように見えるけれど、実はその全てが全然違う。スタッフさんに話を聞くと一台一台に込めたメッセージがしっかりと伝わってくる。



例えば、今開発中のチタンバイク「JFF Ti-R1」はその筆頭だ。どんな道にも連れ出せるオールロードバイクはJFFらしいコンセプトだけど、「それをあえてこの時代に、バランスが完成されたリムブレーキ+スルーアクスルで作ろう」「グラベルタイヤに合うブレーキキャリパーがないから作ってしまおう」「ワイド幅のリムブレーキ用カーボンホイールも作ろう」というから凄まじい。普通なら諦めるところを、"ないから作る"に。見たこともない形のバイクがそうやって生まれようとしている。
さらに、大手ブランドからUCI準拠の純シクロクロスバイクが消えかけている今だからこそ、日本のシクロクロスファンに向けたアルミフレームの新型モデルも来季に向けて開発中なんだとか。この話を嬉しそうにしてくれるスタッフさんの顔を見ていると、こっちまで楽しみになってくる。



コンセプトがニッチで少しわかりにくいからこそ、開発に携わる人たちと話しながらじっくり試乗できるのは本当に良い機会だ。特に今回は、グラベルも走れるツーリングモデル「#901」に、オリジナルのフォーク、SRサンツアーのGVXサスペンションフォーク、ワンバイエスの新型サスフォーク「グラベルガードフォーク」をそれぞれ取り付けた3台が用意され、乗り比べができるという、もうなんだかすごいことになっていた。
僭越ながら筆者も乗せてもらったが、同じフレームでもサスペンションを付けるとジオメトリーが変わり、まったく別の楽しさを持ったバイクに変身するのが面白い。ジオメトリーオーダーこそできないものの、#901を含めほとんどのフレームセットが20万円でお釣りがくるというのも極めてユーザーフレンドリーだ
レジェンドとトップ選手から教わるCXレッスン、荒川を走り尽くす「アウトバック」




シクロクロスのトップ選手である鈴木来人選手と、かつて全日本選手権を9連覇した名選手・辻浦圭一さんをメイン講師に招いたシクロクロスレッスンも大人気。11日はソフトクリームが名物の「サンエスベース羽根倉通り KURU」での座学から始まり、午後はその内容を踏まえて秋ヶ瀬公園でバリアや乗り降り、担ぎを実践するという、一日たっぷり使った超実践的なメニューだ。事前予約は満員御礼で、「こんなすごい人たちから直接教わる機会もないですから」と参加者のパッションは火傷しそうなほど(笑)。
10日と11日の2日間とも行われたのが「サンエス荒川グラベルライド」だ。「Mr.荒川アウトバック」こと、荒川周辺のダートを知り尽くしたカコさんを中心とするメンバーがガイド役となって、とっておきのコースをみんなで楽しんだ。






10日はグラベル経験者向けに約50kmを走るA班、11日はこれからグラベルを始めたい人向けのB班。一緒に走らせてもらったB班は参加者の走力に合わせてコースをアレンジしてくれて、小学生も保護者と一緒にエンジョイできた。。どれだけ楽しかったかは、写真を見てもらえれば伝わるはず(!)。
荒川のサイクリングコースは、堤防上の「荒サイ」だけじゃないんです。「グラベルをやってみたいけど、どこを走ればいいかわからない」という人は多いけれど、極上のグラベルは、東京からすぐ近くのこんな場所に(ひっそりと)あるんですよ〜!
100年目の「日本の自転車界の良心」

サンエスのスタッフさんと言葉を交わすたびに思うのは、「サンエスは日本の自転車界の良心」だということ。オリジナル製品はフレームもパーツもどこまでも良心的で、ビッグブランドのような性能第一主義ではないけれど、自転車を楽しむ趣味人と同じ目線に立って形にしたとても優しい製品がここには揃っている。
そういえば、東京サンエスの創業は1926年。今年で創業100周年を迎えた。これまでもこれからも、東京サンエスはずっと、ニッチだけど、みんなに寄り添った、素敵な会社でいてくれることは間違いなさそうだ。
ちなみに、今回の試乗車はイベントが終わった今もすべてKURUにあるそうだ。しかもKURUの営業日でなくても、サンエスのスタッフさんがいるので、事前に問い合わせておけば試乗に対応してくれるという。やっぱり、どこまでもサンエスは日本の自転車界の良心だ。
text:So Isobe
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