三重県のいなべ市で開催されたツアー・オブ・ジャパン第3ステージは、先行と吸収を何度も繰り返したのち終盤に抜け出した3名の中からアレッサンドロ・ファンチェル(JCL TEAM UKYO)とマティアス・ブレンホイ(トレンガヌ サイクリング チーム)の勝負となり、ファンチェルが優勝。岡篤志(宇都宮ブリッツェン)に替わって総合首位に立ち、リーダージャージを獲得した。

スタートラインに揃った各賞ジャージ photo:Satoru Kato 
三重県立朝明高校自転車部のメンバーと日沖靖いなべ市長がパレードを先導 photo:Satoru Kato

各賞ジャージを先頭にパレードスタート photo:Satoru Kato
ツアー・オブ・ジャパン3日目は、三重県北部のいなべ市でのステージ。三岐鉄道北勢線の阿下喜駅前をパレードスタートし、いなべ市梅林公園を起点とする14.8kmの周回コースを8周する計127kmのレースだ。周回コース部分は、序盤に現れる「イナベルグ」と名付けられた急勾配の坂から山岳賞ポイントまで約2kmの登り区間と、そこから一気に下って平坦な田園地帯を駆け抜け、梅林公園に向けて徐々に登っていくレイアウト。最大勾配は17%を誇るハードコースだ。
この日は朝から晴れて気温が上昇。日なたでは30度に迫る暑さとなり、真夏のようなレースとなった。

「イナベルグ」と名付けられた激坂区間 photo:Satoru Kato

田植えが終わった水田の中を集団が抜けていく photo:Satoru Kato

リアルスタート直後に抜け出した3名 photo:Satoru Kato
リアルスタートが切られるとアタックと吸収が繰り返される。今村駿介(ワンティ・NIPPO・リユーズ)、石原悠希(シマノレーシング)ら日本人選手主体の先頭集団が形成される場面もああったものの、長続きせずに集団に吸収される。

レース中盤から先行した6名の集団 photo:Satoru Kato
2周目に設定された最初の山岳賞ポイントはニコロ・ガリッポ(JCL TEAM UKYO)が先頭通過。その後3周目の登り区間で、リーダージャージを着る岡篤志(宇都宮ブリッツェン)、山岳賞ジャージのガリッポ、アレッサンドロ・ファンチェル(JCL TEAM UKYO)、マティアス・ブレンホイ (トレンガヌ サイクリング チーム)ら6名の先頭集団が形成される。
後続のメイン集団との差は1分未満で推移していたが、4周目に入るとキナンレーシングチームが後続集団を牽引して差を縮め、下り区間でネイサン・アールが先頭集団へブリッジを成功させる。しかしこの動きをきっかけにペースアップした後続集団も追走し、全ての先行を吸収して5周目に入る。

5周目の山岳賞をきっかけに単独先行したナホム・ゼライ・ アラヤ(JCL TEAM UKYO) photo:Satoru Kato

2回の山岳賞でポイントを加算したニコロ・ガリッボ (JCL TEAM UKYO) photo:Satoru Kato
2回目の山岳賞のかかった登り区間でナホム・ゼライ・ アラヤ(JCL TEAM UKYO)が単独先行。アラヤはそのまま先行を続けて6周目に入るも、ペースアップした集団が人数を大幅に減らしながら追走して吸収する。

終盤に抜け出したアレッサンドロ・ファンチェル(JCL TEAM UKYO)ら3名 photo:Satoru Kato

トマ・ルバ(キナンレーシングチーム)を先頭に先行する2名を追走するメイン集団 photo:Satoru Kato
残り2周となる7周目、ミゲル・ハイデマン(レンべ・ラド・ネット)のアタックにファンチェルとブレンホイが追従し、3名の先頭集団が形成される。後続集団は再びキナンレーシングチームが牽引して追走するも、30秒以上まで差を広げて最終周回に入る。

アレッサンドロ・ファンチェル(JCL TEAM UKYO)が第3ステージ優勝 photo:Satoru Kato

29秒遅れのメイン集団でフィニッシュした岡篤志(宇都宮ブリッツェン) photo:Satoru Kato
最後のイナベルグでハイデマンが遅れると、ファンチェルとブレンホイの勝負へ。最後はファンチェルが先行してホームストレートに先頭で姿を現し、ジャージを整える余裕を見せてフィニッシュした。3位にガリッボが入り、JCL TEAM UKYOが1-3フィニッシュとなった。

第3ステージ優勝でリーダージャージを獲得したアレッサンドロ・ファンチェル(JCL TEAM UKYO) photo:Satoru Kato
アレッサンドロ・ファンチェル コメント
「昨日の京都ステージで優勝を逃してしまい、今日こそステージ優勝を目指すとミーティングで確認してレースに臨んだ。チームの誰かがアタックしていく作戦だったが決定打にならず、最後のアタックの動きに自分が乗った。2、3人のスプリントになったら自分が勝てると思い、その通りの結果にすることが出来た。明日から最後のステージまでリーダージャージを着続けていきたいね。チームはツアー・オブ・ジャパンを3連覇してるから、その伝統を僕が継いていけるようベストを尽くしたい。富士山の前にもハードなステージがあると聞いているので、チームとして賢く戦っていかねばと思う」

新人賞 マクサンス・プラス(ワンティ・NIPPO・リユーズ) photo:Satoru Kato 
RTA賞は橋川丈(愛三工業レーシングチーム)が2度目の受賞 photo:Satoru Kato



ツアー・オブ・ジャパン3日目は、三重県北部のいなべ市でのステージ。三岐鉄道北勢線の阿下喜駅前をパレードスタートし、いなべ市梅林公園を起点とする14.8kmの周回コースを8周する計127kmのレースだ。周回コース部分は、序盤に現れる「イナベルグ」と名付けられた急勾配の坂から山岳賞ポイントまで約2kmの登り区間と、そこから一気に下って平坦な田園地帯を駆け抜け、梅林公園に向けて徐々に登っていくレイアウト。最大勾配は17%を誇るハードコースだ。
この日は朝から晴れて気温が上昇。日なたでは30度に迫る暑さとなり、真夏のようなレースとなった。



リアルスタートが切られるとアタックと吸収が繰り返される。今村駿介(ワンティ・NIPPO・リユーズ)、石原悠希(シマノレーシング)ら日本人選手主体の先頭集団が形成される場面もああったものの、長続きせずに集団に吸収される。

2周目に設定された最初の山岳賞ポイントはニコロ・ガリッポ(JCL TEAM UKYO)が先頭通過。その後3周目の登り区間で、リーダージャージを着る岡篤志(宇都宮ブリッツェン)、山岳賞ジャージのガリッポ、アレッサンドロ・ファンチェル(JCL TEAM UKYO)、マティアス・ブレンホイ (トレンガヌ サイクリング チーム)ら6名の先頭集団が形成される。
後続のメイン集団との差は1分未満で推移していたが、4周目に入るとキナンレーシングチームが後続集団を牽引して差を縮め、下り区間でネイサン・アールが先頭集団へブリッジを成功させる。しかしこの動きをきっかけにペースアップした後続集団も追走し、全ての先行を吸収して5周目に入る。


2回目の山岳賞のかかった登り区間でナホム・ゼライ・ アラヤ(JCL TEAM UKYO)が単独先行。アラヤはそのまま先行を続けて6周目に入るも、ペースアップした集団が人数を大幅に減らしながら追走して吸収する。


残り2周となる7周目、ミゲル・ハイデマン(レンべ・ラド・ネット)のアタックにファンチェルとブレンホイが追従し、3名の先頭集団が形成される。後続集団は再びキナンレーシングチームが牽引して追走するも、30秒以上まで差を広げて最終周回に入る。


最後のイナベルグでハイデマンが遅れると、ファンチェルとブレンホイの勝負へ。最後はファンチェルが先行してホームストレートに先頭で姿を現し、ジャージを整える余裕を見せてフィニッシュした。3位にガリッボが入り、JCL TEAM UKYOが1-3フィニッシュとなった。

アレッサンドロ・ファンチェル コメント
「昨日の京都ステージで優勝を逃してしまい、今日こそステージ優勝を目指すとミーティングで確認してレースに臨んだ。チームの誰かがアタックしていく作戦だったが決定打にならず、最後のアタックの動きに自分が乗った。2、3人のスプリントになったら自分が勝てると思い、その通りの結果にすることが出来た。明日から最後のステージまでリーダージャージを着続けていきたいね。チームはツアー・オブ・ジャパンを3連覇してるから、その伝統を僕が継いていけるようベストを尽くしたい。富士山の前にもハードなステージがあると聞いているので、チームとして賢く戦っていかねばと思う」


ツアー・オブ・ジャパン2025 第3ステージいなべ 結果(127km)
1位 | アレッサンドロ・ファンチェル(イタリア、JCL TEAM UKYO) | 2時間59分32秒 |
2位 | マティアス・ブレンホイ(デンマーク、トレンガヌ サイクリング チーム) | +4秒 |
3位 | ニコロ・ガリッボ(イタリア、JCL TEAM UKYO) | +22秒 |
4位 | マーク・スチュワート(イギリス、ソリューションテック ヴィーニファンティーニ) | +26秒 |
5位 | ネイサン・アール(オーストラリア、キナンレーシングチーム) | +29秒 |
6位 | ベンジャミ・プラデス・レヴェルテル(スペイン、VC福岡) | |
7位 | シモーネ・ラッカーニ(イタリア、JCL TEAM UKYO) | |
8位 | ディラン・ホプキンス(オーストラリア、ルージャイ インシュアランス) | |
9位 | ヴァレリオ・コンティ (イタリア、ソリューションテック ヴィーニファンティーニ) | |
10位 | マクサンス・プラス (ベルギー、ワンティ・NIPPO・リユーズ) | |
個人総合順位 | ||
1位 | アレッサンドロ・ファンチェル (イタリア、JCL TEAM UKYO) | 5時間41分9秒 |
2位 | マティアス・ブレンホイ (デンマーク、トレンガヌ サイクリング チーム) | +16秒 |
3位 | 岡 篤志 (宇都宮ブリッツェン) | +33秒 |
4位 | ニコロ・ガリッボ (イタリア、JCL TEAM UKYO) | +35秒 |
5位 | アンドレア・ダマト (イタリア、JCL TEAM UKYO) | +39秒 |
6位 | マーク・スチュワート (イギリス、ソリューションテック ヴィーニファンティーニ) | +44秒 |
ポイント賞 アレッサンドロ・ファンチェル(イタリア、JCL TEAM UKYO)
山岳賞 ニコロ・ガリッボ (イタリア、JCL TEAM UKYO)
チーム総合首位:JCL TEAM UKYO 17時間5分9秒
明日5月21日の第4ステージは、岐阜県美濃市でのレース。ツアー・オブ・ジャパンでは数少ないスプリンターステージと言われているが、昨年は逃げ切り優勝が決まった。今年はどうなるか?
text&photo:Satoru Kato
山岳賞 ニコロ・ガリッボ (イタリア、JCL TEAM UKYO)
チーム総合首位:JCL TEAM UKYO 17時間5分9秒
明日5月21日の第4ステージは、岐阜県美濃市でのレース。ツアー・オブ・ジャパンでは数少ないスプリンターステージと言われているが、昨年は逃げ切り優勝が決まった。今年はどうなるか?
text&photo:Satoru Kato
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