ツール・ド・フランスの前哨戦として知られる、全8ステージのクリテリウム・デュ・ドーフィネが本日開幕。それぞれが高地合宿の成果を確かめるポガチャル、ヴィンゲゴー、エヴェネプールら3名のコメントを大会概要と共に紹介する。



本日、6月8日に開幕するクリテリウム・デュ・ドーフィネ photo:A.S.O.

サイモン・イェーツ(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)による劇的なジロ・デ・イタリアの総合優勝から1週間が経った6月8日、欧州の自転車ロードレースは早くも次なるグランツールに向けて動き出す。世界最大のレースであるツール・ド・フランスに向け、本日開催されるのが第77回クリテリウム・デュ・ドーフィネ(UCIワールドツアー)だ。

ツールと同じA.S.O.(アモリー・スポルト・オルガニザシオン)が主催し、1週間遅れで開幕するツール・ド・スイスと共に前哨戦と位置づけられる本大会。「クリテリウム」の名前がついているものの、全8ステージのロードレースで争われ、その内容も丘陵から山岳、そして個人タイムトライアルとバラエティに富んだレイアウトになっている。

クリテリウム・デュ・ドーフィネ2025第7ステージ コースプロフィール image:A.S.O.

大会初日から3日目までは、パンチャーや逃げ切りを狙う選手が有利な丘陵ステージ。そして17.4kmの個人タイムトライアルと丘陵ステージを挟み、6〜7日目は山頂フィニッシュの山岳ステージ。特にクイーン(最難関)ステージと目される第7ステージは登場する3つの山岳がすべて超級山岳で、最後はヴァルマニエ1800(距離16.5km/平均6.7%)を駆け上がる。



ツール・ド・フランスの行方を占う三つ巴の戦い

昨年ツールの総合トップ3が揃う今年のドーフィネ photo:CorVos

注目されるのは、昨年のツールで激闘を繰り広げた総合優勝者タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)と総合2位ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)、そして昨年12月の大怪我から復帰したレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)という3名だ。

また、今大会をもって現役を退くロマン・バルデ(フランス、ピクニック・ポストNL)や、マウンテンバイクのW杯で舟状骨を骨折したマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)らの走りも目が離せない。

以下はドーフィネに向かう、各選手のコメントだ。

タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)

2020年以来、2度目の出場となるポガチャル photo:CorVos

チームで充実した高地トレーニングを終え、いまは最高の気分だ。脚も仕上がっており、モチベーションも高い。ドーフィネには数年ぶりの出場となるが、何週間も一緒にトレーニングを積んできたのでワクワクしている。チームの雰囲気もとても良く、ゼッケンをつけ、僕たちの力を見せる準備は万全だ。

ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)

脳震盪からの復帰戦となるヴィンゲゴー photo:CorVos

パリ〜ニースで落車し、脳震盪を起こしたあとは家に帰った。3、4日間休み、少しバイクに乗ったのだが気分が悪くなったため、その後も4日間の完全休養を取った。だから(予定していた)ボルタ・ア・カタルーニャはキャンセルせざるを得なかった。

今年は正直、(昨年とは)全く別人になったように感じている。それはトレーニングに対する身体の反応やコンディションが良いという意味。いまは誰もが進化しているので、当然僕も2年前の自分よりも強くなる必要がある。成長の手応えはあるし、ツールに向けて厳しいトレーニングを楽しむことができた。

レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)

総合は狙わないと語ったエヴェネプールだが果たして photo:CorVos

チームに復帰し、またレースを走れることを嬉しく思う。シエラネバダでの高地トレーニングは充実したものとなり、ドーフィネに向けての準備は万全。特に明確な目標を持って臨むわけではなく、最も重要なのは自分のコンディションを確かめること。もちろんいつくかの良い結果を狙っていくものの、1ステージずつ集中し、その結果を見てみるつもりだ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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