第92回と伝統あるグランプリ・ド・フルミーは、勢いに乗る若手スプリンターのポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ)が制す。女子はロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)が同大会を初制覇した。



2026年までの契約を結んでいるジョン・デゲンコルプ(ドイツ、ピクニック・ポストNL) photo:CorVos

初開催が1928年と歴史深いグランプリ・ド・フルミー(UCI1.Pro)は、フランス北部フルミーを舞台にしたワンデーレース。多少のアップダウンはあるものの、後半は11km周回を6周し、全体としてフラットなレイアウトだ。そのため、出場選手もディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー)やフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)らスプリンターが中心となっている。

序盤からマイク・トゥーニッセン(オランダ、XDSアスタナ)を含む5名が逃げ、終盤に3名に絞られる。残り4kmでメイン集団に吸収され、勝負は大方の予想通り、100名を超える大集団がフルミーの最終ストレートになだれ込んだ。

残り1kmからはジェイコ・アルウラーが集団先頭で牽引したものの、リードアウトの人数不足でフルーネウェーヘンはライバルの後方に位置取る。イスラエル・プレミアテックのペースメイクから、ソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が先頭で残り200mの最終コーナーへ。ヴァーレンショルトはそのままスプリントを開始したものの、チェーン落ちで後退した。

集団スプリントに持ち込まれたグランプリ・ド・フルミー photo:CorVos

スプリント勝利したポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

その背後から加速し、ライバルたちを引き離したポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ)が先着した。

母国開催のレースを制した21歳のマニエは、これで今季6勝目とブレイク中。「母国の観客の前で勝てて嬉しい。このレースに自信と高いモチベーションで臨み、素晴らしいリードアウトから勝つことができた」とコメントした。

女子レースはウィーベスが初優勝

女子レースを制したロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) photo:CorVos

同日、同じ周回コースで行われた女子レースの、ラ・ショラリス・フルミー・フェミニーヌ(UCI1.Pro)。集団スプリントはヨーロッパ王者であるロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)が制し、初優勝となった。ウィーベスは9月のシマック・レディース・ツアー(UCIワールドツアー)で6戦5勝で総合優勝に輝いており、これで今季26勝目。今年もスプリントにおける圧倒的な強さを誇っている。
グランプリ・ド・フルミー2025結果
1位 ポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ) 4:18:27
2位 パヴェル・ビットネル(チェコ、ピクニック・ポストNL)
3位 エフゲニー・フェドロフ(カザフスタン、XDSアスタナ)
4位 ミラン・フレティン(ベルギー、コフィディス)
5位 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー)
ラ・ショラリス・フルミー・フェミニーヌ2025結果
1位 ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) 3:04:20
2位 ララ・ギレスピー(アイルランド、UAEチームADQ)
3位 グラディス・ヴェルユルスト(フランス、AGインシュランス・スーダル)
4位 ニンケ・フェインホーフェン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)
5位 カトリン・シュヴァインバーガー(オーストリア、ヒューマンパワードヘルス)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos