フィニッシュ手前で集団が先行する2名を捉えたブエルタ・ア・エスパーニャ第10ステージ。バスティアン・トロンション(フランス、グルパマFDJユナイテッド)がスプリントでファンアールトらを抑え、金星を挙げた。
第10ステージ 9月1日(火)
アルカラス〜エルチェ・デ・ラ・シエラ 184.7km(丘陵)

2週目も引き続きマイヨロホを纏うエンリク・マス(スペイン、モビスター) photo:CorVos

第10ステージ アルカラス〜エルチェ・デ・ラ・シエラ image:A.S.O. マイヨロホを着るタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)のリタイアという波乱があった1週目が終わり、休息日を挟んだブエルタ・ア・エスパーニャはアルカラスから再び動き出す。第10ステージは3つの3級山岳を越え、獲得標高差3,000mの丘陵ステージながら、集団スプリントが予想された。
もちろん逃げ向きのレイアウトでもあるため、アクチュアルスタートの直後から逃げを目指した選手たちのアタックが相次ぐ。そして15km地点で6名が逃げ集団を形成。しかしメイン集団からはフレドリク・ドゥヴァーシュネス(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が追走し、先頭にジョインして逃げグループを7名とした。
第10ステージで逃げた7名
エンゾ・パレニ(フランス、グルパマFDJユナイテッド)
ミヒャエル・ゴグル(オーストリア、アルペシン・プレミアテック)
フレドリク・ドゥヴァーシュネス(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)
ヤシャ・ズッタリン(ドイツ、ジェイコ・アルウラー)
ファビアン・ワイス(スイス、チューダープロサイクリング)
シヌエ・フェルナンデス(スペイン、ブルゴス・ブルペレットBH)
イバン・コーボ(スペイン、エキポ・ケルンファルマ)

7名による逃げグループ photo:A.S.O.

プロトンはコフィディスとヴィスマ・リースアバイクが協力しながら牽引した photo:CorVos 
チームメイトに守られながらプロトンを走るエンリク・マス(スペイン、モビスター) photo:A.S.O.
今年のジロ・デ・イタリア第15ステージで逃げ切り勝利を飾ったドゥヴァーシュネスが加わった先頭集団を、メイン集団ではコフィディスとヴィスマ・リースアバイクが牽引した。その狙いはレースを集団スプリントに持ち込み、コフィディスは8日目勝者のブライアン・コカール(フランス)、ヴィスマは2日目、5日目を制したマシュー・ブレナン(イギリス)、あるいはワウト・ファンアールト(ベルギー)で勝利すること。そのため2チームは逃げ集団に対し最大でも2分55秒と、決して3分以上の差は許さないタイトなタイムマネジメントを披露した。
2つの3級山岳と中間スプリントを通過し、最終山岳かつ、最後の勝負所と目された3級プエルト・デ・ソコボス(距離9.7km/平均3.5%)に入ると、逃げとの差を1分まで縮めたプロトンからヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ)が飛び出し、この日が30歳の誕生日であるエディ・ダンバー(アイルランド、ピナレロQ36.5プロサイクリング)も続く。この動きがプロトンでのアタックを活性化させ、マイヨロホを着るエンリク・マス(スペイン、モビスター)も自ら脚を使い、リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)など総合上位勢の動きをマークした。

プロトンを飛び出し、単独で逃げを追うエディ・ダンバー(アイルランド、ピナレロQ36.5プロサイクリング) photo:CorVos
逃げ集団はオーストリア王者のゴグルら4名に絞られ、32秒差で3級山岳の頂上を通過する。下りでもプロトンを飛び出す動きが繰り返され、ヴィスマからはブレナンがその動きをマークするシーンもあったため、集団スプリントのエースがファンアールトであることが明らかになった。そしてドゥヴァーシュネスら逃げ集団は残り3.8km地点でプロトンに飲み込まれ、そのカウンターでワルテル・カルツォーニ(イタリア、ピナレロQ36.5プロサイクリング)が単独先頭に立った。
しかし、ブレナンの強烈な集団牽引がカルツォーニの独走を許さず、残り2km地点で吸収。ブレナンの牽引はその後も続く。ラスト1km地点を示すゲートの手前でエフゲニー・フェドロフ(カザフスタン、XDSアスタナ)が飛び出し、シャビエル・アスパレン(スペイン、ピナレロQ36.5プロサイクリング)が合流。多くのエーススプリンターらはもちろん、リードアウトを務めるアシストも3級山岳で遅れた集団では、積極的に先頭2名を追いかけるチームはおらず、比較的人数を残していたグルパマFDJユナイテッドが追走した。
先頭2名と、それを必死に追いかける集団が最終ストレートに突入。カザフスタン王者の背後からアスパレンが飛び出し、スプリントを開始したものの、そのトップスピードはチームメイトの背後から踏み込み始めたバスティアン・トロンション(フランス、グルパマFDJユナイテッド)には敵わない。そしてトロンションは猛追するマグナス・コルト(デンマーク、ウノエックス・モビリティ)やファンアールトに並ばせることなく、フィニッシュラインを先頭で通過した。

スプリント勝利したバスティアン・トロンション(フランス、グルパマFDJユナイテッド) photo:CorVos

チームメイトたちから祝福を受けるバスティアン・トロンション(フランス、グルパマFDJユナイテッド) photo:CorVos
「前に誰か残っているかもしれないと思ったから」とガッツポーズを作らず、頭を抱えながらフィニッシュしたトロンション。2023年にAG2Rシトロエン(現デカトロンCMA CGM)でプロデビューし、今年グルパマに移籍した24歳で、第8ステージでも区間7位に入った集団スプリントもこなせるパンチャータイプの選手だ。
グランツールはもちろん、ワールドツアーでも初となった勝利を「自分でもどうやって勝ったかわからない。本当に信じられない。(リードアウトした)ギヨーム(マルタンギヨネ)には『限界まで全力で行ってくれ』と伝え、僕が勝った。ブエルタでこんな結果を残せるなんて思いもしなかった」とフィニッシュ直後にむせび泣いたトロンションは、喜びの勝利をそう振り返った。
2位にはコルトが入り、3位はティボー・ネイス(ベルギー、リドル・トレック)。ファンアールトは4位と勝利を逃したものの、着用するマイヨプントス(ポイント賞ジャージ)のリード拡大に成功している。

グランツールで自身初の区間優勝を得たバスティアン・トロンション(フランス、グルパマFDJユナイテッド) photo:CorVos

区間4位でポイントを加算し、マイヨプントスのリードを拡大させたワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos 
マイヨロホを守ったエンリク・マス(スペイン、モビスター) photo:CorVos
第10ステージ 9月1日(火)
アルカラス〜エルチェ・デ・ラ・シエラ 184.7km(丘陵)


もちろん逃げ向きのレイアウトでもあるため、アクチュアルスタートの直後から逃げを目指した選手たちのアタックが相次ぐ。そして15km地点で6名が逃げ集団を形成。しかしメイン集団からはフレドリク・ドゥヴァーシュネス(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が追走し、先頭にジョインして逃げグループを7名とした。
第10ステージで逃げた7名
エンゾ・パレニ(フランス、グルパマFDJユナイテッド)
ミヒャエル・ゴグル(オーストリア、アルペシン・プレミアテック)
フレドリク・ドゥヴァーシュネス(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)
ヤシャ・ズッタリン(ドイツ、ジェイコ・アルウラー)
ファビアン・ワイス(スイス、チューダープロサイクリング)
シヌエ・フェルナンデス(スペイン、ブルゴス・ブルペレットBH)
イバン・コーボ(スペイン、エキポ・ケルンファルマ)



今年のジロ・デ・イタリア第15ステージで逃げ切り勝利を飾ったドゥヴァーシュネスが加わった先頭集団を、メイン集団ではコフィディスとヴィスマ・リースアバイクが牽引した。その狙いはレースを集団スプリントに持ち込み、コフィディスは8日目勝者のブライアン・コカール(フランス)、ヴィスマは2日目、5日目を制したマシュー・ブレナン(イギリス)、あるいはワウト・ファンアールト(ベルギー)で勝利すること。そのため2チームは逃げ集団に対し最大でも2分55秒と、決して3分以上の差は許さないタイトなタイムマネジメントを披露した。
2つの3級山岳と中間スプリントを通過し、最終山岳かつ、最後の勝負所と目された3級プエルト・デ・ソコボス(距離9.7km/平均3.5%)に入ると、逃げとの差を1分まで縮めたプロトンからヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ)が飛び出し、この日が30歳の誕生日であるエディ・ダンバー(アイルランド、ピナレロQ36.5プロサイクリング)も続く。この動きがプロトンでのアタックを活性化させ、マイヨロホを着るエンリク・マス(スペイン、モビスター)も自ら脚を使い、リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)など総合上位勢の動きをマークした。

逃げ集団はオーストリア王者のゴグルら4名に絞られ、32秒差で3級山岳の頂上を通過する。下りでもプロトンを飛び出す動きが繰り返され、ヴィスマからはブレナンがその動きをマークするシーンもあったため、集団スプリントのエースがファンアールトであることが明らかになった。そしてドゥヴァーシュネスら逃げ集団は残り3.8km地点でプロトンに飲み込まれ、そのカウンターでワルテル・カルツォーニ(イタリア、ピナレロQ36.5プロサイクリング)が単独先頭に立った。
しかし、ブレナンの強烈な集団牽引がカルツォーニの独走を許さず、残り2km地点で吸収。ブレナンの牽引はその後も続く。ラスト1km地点を示すゲートの手前でエフゲニー・フェドロフ(カザフスタン、XDSアスタナ)が飛び出し、シャビエル・アスパレン(スペイン、ピナレロQ36.5プロサイクリング)が合流。多くのエーススプリンターらはもちろん、リードアウトを務めるアシストも3級山岳で遅れた集団では、積極的に先頭2名を追いかけるチームはおらず、比較的人数を残していたグルパマFDJユナイテッドが追走した。
先頭2名と、それを必死に追いかける集団が最終ストレートに突入。カザフスタン王者の背後からアスパレンが飛び出し、スプリントを開始したものの、そのトップスピードはチームメイトの背後から踏み込み始めたバスティアン・トロンション(フランス、グルパマFDJユナイテッド)には敵わない。そしてトロンションは猛追するマグナス・コルト(デンマーク、ウノエックス・モビリティ)やファンアールトに並ばせることなく、フィニッシュラインを先頭で通過した。


「前に誰か残っているかもしれないと思ったから」とガッツポーズを作らず、頭を抱えながらフィニッシュしたトロンション。2023年にAG2Rシトロエン(現デカトロンCMA CGM)でプロデビューし、今年グルパマに移籍した24歳で、第8ステージでも区間7位に入った集団スプリントもこなせるパンチャータイプの選手だ。
グランツールはもちろん、ワールドツアーでも初となった勝利を「自分でもどうやって勝ったかわからない。本当に信じられない。(リードアウトした)ギヨーム(マルタンギヨネ)には『限界まで全力で行ってくれ』と伝え、僕が勝った。ブエルタでこんな結果を残せるなんて思いもしなかった」とフィニッシュ直後にむせび泣いたトロンションは、喜びの勝利をそう振り返った。
2位にはコルトが入り、3位はティボー・ネイス(ベルギー、リドル・トレック)。ファンアールトは4位と勝利を逃したものの、着用するマイヨプントス(ポイント賞ジャージ)のリード拡大に成功している。



ブエルタ・ア・エスパーニャ2026第10ステージ結果
| 1位 | バスティアン・トロンション(フランス、グルパマFDJユナイテッド) | 4:07:41 |
| 2位 | マグナス・コルト(デンマーク、ウノエックス・モビリティ) | |
| 3位 | ティボー・ネイス(ベルギー、リドル・トレック) | |
| 4位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | |
| 5位 | アレッサンドロ・ロメレ(イタリア、XDSアスタナ) | |
| 6位 | シャビエル・アスパレン(スペイン、ピナレロQ36.5プロサイクリング) | |
| 7位 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | |
| 8位 | オールイス・アウラール(ベネズエラ、モビスター) | |
| 9位 | ジョルダン・ラブロース(フランス、デカトロンCMA CGM) | |
| 10位 | ユーゴ・オフステテール(フランス、NSNサイクリングチーム) |
マイヨロホ(個人総合成績)
| 1位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | 32:41:44 |
| 2位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +1:18 |
| 3位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM) | +1:39 |
| 4位 | オスカー・オンリー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス) | +2:20 |
| 5位 | リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト) | +3:26 |
| 6位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) | +3:55 |
| 7位 | セップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | +4:09 |
| 8位 | アロルド・テハダ(コロンビア、XDSアスタナ) | +4:39 |
| 9位 | グレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、デカトロンCMA CGM) | +7:33 |
| 10位 | ヤコブ・オムルゼル(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +8:05 |
マイヨプントス(ポイント賞)
| 1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | 143pts |
| 2位 | アレッサンドロ・ロメレ(イタリア、XDSアスタナ) | 76pts |
| 3位 | マシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) | 67pts |
マイヨモンターニャ(山岳賞)
| 1位 | サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 29pts |
| 2位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | 24pts |
| 3位 | アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | 19pts |
マイヨブランコ(ヤングライダー賞)
| 1位 | オスカー・オンリー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス) | 32:44:04 |
| 2位 | ヤコブ・オムルゼル(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +5:45 |
| 3位 | ヤルノ・ウィダー(ベルギー、ロット・アンテルマルシェ) | +7:14 |
チーム総合成績
| 1位 | デカトロンCMA CGM | 98:22:04 |
| 2位 | ネットカンパニー・イネオス | +42:55 |
| 3位 | XDSアスタナ | +50:12 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, A.S.O.
photo:CorVos, A.S.O.
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