機動性を高めたOnebyESU JFF#801は街乗り&ロードライドも楽しいマルチバイクだ
OnebyESU JFFシリーズの開発に携わった辻浦圭一。シクロクロスライダーの辻善光などの協力も仰いでいる photo:Makoto.AYANO東京サンエスのブランド、OnebyESU(ワンバイエス)からシクロクロスバイクJFF#801・#803の2種がリリースされた。単なるCXレースバイクにとどまらないマルチなその魅力を、開発した辻浦圭一さんの話と提案をもとに紹介しよう。すでに日本のシクロクロスレースで活躍を初めているJFF#801と#803。クロモリスチールモデルの#801、アルミモデルの#803という2つのモデルだ。この開発を行ったのが、シクロクロス全日本選手権9連覇のレジェンド、辻浦圭一氏だ。
辻浦のバイクへのこだわり、ノウハウを凝縮したこの2モデル。チャンピオンがつくったバイクだが、単なるレースバイクとはなっていないのだ。この2モデルの開発意図と狙い、製品化に至った話を伺いながら、その魅力を探っていこう。まずは2モデルの概要を紹介する。
OnebyESU JFF#801 完成車
OnebyESU JFF#801完成車 photo:Makoto.AYANO2015年よりフレーム/フォークで発売されていたシクロクロスベースのマルチバイク「JFF#801」。「完成車で販売して欲しい」という声に応え、フレームの魅力を十分に引き立たせるパーツ構成で仕上げた完成車として発売される。
JFF#801のフレーム開発には、辻浦圭一氏が現職の東京サンエスの社員として勤務する前の試作段階から携わった。図面上の計算では無く、数字に頼らない自らの体感を重要視した入念なチェックによって試作とテストを何度も繰り返し、ようやく完成にたどりついたという。
オーバーサイズヘッドを採用し、ステアリング系の安定感を高めた
操る楽しみを追求した末広がりのディズナクロス バンディー26ハンドル フレーム素材にはオリジナルのクロモリダブルバテッドチューブが採用される。フレームのバランス、ストレスのないコントロール性能は試乗したユーザーから驚きの声を受けており、「ぜひ完成車での販売をして欲しい」という声が多く挙がっていた。そのリクエストに応え、また、辻浦氏自身がJFF#801のフレーム&フォークのバランスを最大限に活かせるパーツ構成を考え、完成車に仕立てあげた。
Dixna(ディズナ)やgrunge(グランジ)など、オリジナルパーツブランドをもつ東京サンエス。このJFF#801完成車には、その用途にあったユニークでバランスの良いパーツ群がセレクトされている。
Qファクターの狭いディズナ ラ クランク。ギア比も辻浦氏が研究した独特の歯数を採用
リアディスクの取付台座はMTB系のエンドからヒントを得た形状だ
シマノ WH-RX-31ホイールにパナレーサー グラベルキング32Cを採用した足回り
滑らかなフィレット加工のシートステー接合部 チェーンホイールは小柄な日本人でも適性なQファクターがとれるディズナのラ・クランク、ハンドルには末広がりでオフロードでもオンロードでも操作性の良いディズナ・クロス バンディー26がセットされる。メインコンポはシマノ105のディレイラーセットに、シマノBR-RS785油圧ディスクの組み合わせ。ホイールには辻浦氏がバランスの良さで勧めるシマノWH-RX-31に、グラベルライドにもオンロードツーリングにも対応するパナレーサー・グラベルキング32Cがセットされる。
オン&オフ両用で楽しめる完成車パッケージのキャッチフレーズは「何も足さず、何も引く必要のない、すぐに走り出さずにはいられない。Don’t think, feel.」。完成車はシックで上品なパーシモンカラーの1色展開となる。
OnebyESU JFF#801 完成車 仕様
| フレーム | JFF#801 4130熱処理クロモリオリジナル ダブルバテッド |
| サイズ | S、M、L |
| フォーク | OBS-CBD1.5 クロスベントディスク1.5 フルカーボン OF:47.3 フラットマウントディスク台座/140mmローター用 |
| ブレーキ | シマノBR-RS785油圧ディスク |
| コンポーネント | シマノ105 11S |
| ハンドル | ディズナクロス バンディー26 |
| サドル | ディズナ アキレス |
| クランク | ディズナ ラ クランク |
| タイヤ | パナレーサー グラベルキング32C |
| ホイール | シマノ WH-RX-31 |
| 価 格 | 288,000円(税抜) |
OnebyESU JFF#803 フレーム&フォーク、ホイール/ペダルレス完成車
OnebyESU JFF#803 photo:Makoto.AYANOJFF#803は、シクロクロスレースにターゲットを絞ったアルミバイクだ。「ピュアなシクロクロスレースバイクに求められるものとは?」との問いに、本場欧州で10年間近く戦ってきた経験とノウハウを持つ辻浦圭一氏が用意した答えが#803。JFF#801で実現した「バランスの妙」を継承しつつ、レースシーンで問われる“ライトウェイト”という課題に応えるため、#803のフレーム素材には6061アルミニウム合金トリプルバテッドチューブが採用され、軽量でタフ、かつリーズナブルなフレームに仕上がっている。
ヘッド周辺。レースに適したカンティブレーキ専用モデルとなる photo:
振動吸収性に優れた乗り味を演出するリアステー
スムーズな仕上がりを見せるヘッド周辺の溶接部
シート周りもオーソドックスかつスムーズな仕上げ JFF#803はすでに国内トップライダーの池本真也、辻善光らによって実戦テストが繰り返され、欧州のスーパープレスティージュなどのハイカテゴリーレースも走っている。
JFF#803は、フレーム+カーボンフォークで98,000円(税別)〜というリーズナブルなプライスを実現。ホイール/ペダル無し完成車の価格は198,000円(税別)。メインコンポはシマノ105で構成、ハンドル/ステム/クランク/ブレーキ/サドル/シートピラーには東京サンエスのオリジナルパーツからピュアレーシングバイクに必要となる製品を厳選。ブレーキにはカンティブレーキが採用されるため、手持ちのホイールにシクロクロス用のタイヤとペダルを装着すれば、誰でもすぐに大会に出場できる無駄のないパッケージになっている。
ブレーキには強力な制動力をもつディズナ・カウンターカンティを採用
チェーンステーにはシューズ後部との接触を防ぐカットオフ加工も OnebyESU JFF#803アルミシクロクロスバイク 仕様
フレーム&フォーク
| フレーム | JFF#803 6061アルミ合金 トリプルバテッド(約1.24kg) |
| サイズ | 465mm、500mm |
| フォーク | OBS-CBC1.5クロスベントカンティ1.5 スレッドレス インテグラル、フルカーボンクロスベントスタイル 1-1/8“ テーパード1-1/2”(1.5) 700C/OF:47.8 肩下:396mm 重量:475g(コラム300mm) |
| タイヤクリアランス | 62mm |
| フレーム・フォーク価格 | ¥98,000〜¥120,000(価格は塗装オプションによる違いになります。) |
| 付属品 | ヘッドパーツ・アルミプレートケーブルハンガー、ケーブルハンガー付シートクランプ、BB下ケーブルガイド、チェーンスティープロテクター |
| カラーオーダー(塗装期間は3週間〜4週間) | |
| ・フレーム+カーボンフォーク | ¥108,000(税抜き) 色/フレーム:カラーチャートより指定・フォーク:UD(ソフト) |
| ・フレーム+カーボンフォーク | ¥120,000(税抜き) 色/フレームとフォーク同色:カラーチャートより指定 |
ホイール/ペダル無し完成車
| フレーム | JFF#803 6061アルミニウム合金 トリプルバテッド |
| カラー | フレーム:ブラッシュシルバー、フォーク:UD(ソフト) |
| サイズ | 465mm 、500mm |
| フォーク | OBS-CBC1.5クロスベントカンティ1.5 フルカーボンクロスベントスタイル 700C/OF:47.8 タイヤクリアランス:62mm |
| コンポーネント | シマノ105 11S |
| ハンドル | ディズナ ジェイフィット アーク FZ 31.8mm |
| ステム | ディズナクロス ハングステム |
| シートポスト | ディズナ アキレス+ナロウサーティー30mmクランプ |
| サドル | OnebyESU ナロウサーティーソウル |
| クランク | ディズナ ラ・クランク(45Tx33T) |
| ブレーキ | ディズナ カウンターカンティブレーキ |
| ホイール/ペダル | 別売 |
| 価 格 | 198,000円(税抜) |
提供/東京サンエス 取材・まとめ:綾野 真(シクロワイアード編集部)