スイスで開幕したツール・ド・ロマンディ・フェミナンは、GPS装着を巡り、UCI(国際自転車競技連合)がヴィスマ・リースアバイクら5チームの出走を拒否。その結果30名が未出走という異例の事態となった4km個人タイムトライアルは、パウラ・ブラシ(スペイン、UAEチームADQ)が制した。

ステージ1位:パウラ・ブラシ(スペイン、UAEチームADQ) photo:CorVos
8月15日、UCIが本部を置くスイスでツール・ド・ロマンディ・フェミナンが開幕した。今年で4回目を迎えるこの3日間のステージレースは、最高カテゴリーであるワールドツアーの1つ。初日は個人タイムトライアル、2日目は1級山岳の山頂フィニッシュ、そして最終日は丘陵ステージと、多様な脚質の選手にチャンスのあるバランスのよいレイアウトが魅力の大会だ。
初日は前述した通り4.4kmの登り基調の個人TTで争われ、出場するべく集ったのは13のワールドチームを含む16チーム、合計93名の選手たち。しかし、UCIが試験的に導入を試みたGPS装置を巡り、リドル・トレック、ヴィスマ・リースアバイク、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト、EFオートリー・キャノンデール、ピクニック・ポストNLの5チームが出走しなかった。
その理由は、UCIが各チーム1名ずつに3日間の装着を求めた63gのGPS装置にある。UCIは、装着する選手を各チームが選ぶよう求めたが、上記5チームがこれを拒否。このため、UCIがこれらのチームをレースから除外したのだ。
ヴィスマなどは公式リリースでその経緯を説した。それによれば、「(チームは)自ら選手を選ばず、装置の設置・取り外し・管理は行わない。UCIまたはそのパートナーが、自らの責任において正当と判断するのであれば、自由に選手を指名し、装置を設置してよい」という条件下であれば、協力的だったという。
しかしチーム側は、「すでに他の主要レースで全プロトンを対象に成功裏にテストされ、UCIにも提供した実証済み、かつ共同開発された安全追跡システムが存在するにもかかわらず、UCIは明確な同意なしにこの措置を強行し、失格をちらつかせた。そして今回、チーム自ら選手を指名しなかったという理由で我々をレースから除外した。なぜUCI自身が選手を指名しないのか、その理由はいまだ不明で説明もされていない」と強く抗議した。

ステージ2位:ウルシュカ・ジガート(スロベニア、AGインシュランス・スーダル) photo:CorVos

ステージ9位:エリーズ・シャベイ(スイス、FDJスエズ) +0:32 10位 photo:Tour de Romandie Féminin 
ステージ3位:ジュリエット・ラブース(フランス、FDJスエズ) photo:Tour de Romandie Féminin
総合優勝候補であったカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)ら30名が未出走となったため、初日は残された63名で争われた。そして勝利したのは、今年5月にUAEチームADQでプロデビューした22歳のパウラ・ブラシ(スペイン)だった。
今月末には女子のツール・ド・ラヴニール出場を控えているブラシは、6月のTTスペイン選手権(女子エリート)で3位に入った実力を発揮。11分17秒のトップタイムは、2位のウルシュカ・ジガート(スロベニア、AGインシュランス・スーダル)に17秒、3位のジュリエット・ラブース(フランス、FDJスエズ)に18秒の差をつける完勝。こうしてプロ1年目でワールドツアーの大舞台での勝利を掴んだ。
「高地合宿から良いコンディションで臨むことができたが、主たる目標はラヴニールだったので予想外の結果。常に全力でレースは走っているが、まさか勝てるとは思っていなかった」と、ブラシは語った。

ワールドツアー初勝利を飾ったパウラ・ブラシ(スペイン、UAEチームADQ) photo:Tour de Romandie Féminin

8月15日、UCIが本部を置くスイスでツール・ド・ロマンディ・フェミナンが開幕した。今年で4回目を迎えるこの3日間のステージレースは、最高カテゴリーであるワールドツアーの1つ。初日は個人タイムトライアル、2日目は1級山岳の山頂フィニッシュ、そして最終日は丘陵ステージと、多様な脚質の選手にチャンスのあるバランスのよいレイアウトが魅力の大会だ。
初日は前述した通り4.4kmの登り基調の個人TTで争われ、出場するべく集ったのは13のワールドチームを含む16チーム、合計93名の選手たち。しかし、UCIが試験的に導入を試みたGPS装置を巡り、リドル・トレック、ヴィスマ・リースアバイク、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト、EFオートリー・キャノンデール、ピクニック・ポストNLの5チームが出走しなかった。
その理由は、UCIが各チーム1名ずつに3日間の装着を求めた63gのGPS装置にある。UCIは、装着する選手を各チームが選ぶよう求めたが、上記5チームがこれを拒否。このため、UCIがこれらのチームをレースから除外したのだ。
ヴィスマなどは公式リリースでその経緯を説した。それによれば、「(チームは)自ら選手を選ばず、装置の設置・取り外し・管理は行わない。UCIまたはそのパートナーが、自らの責任において正当と判断するのであれば、自由に選手を指名し、装置を設置してよい」という条件下であれば、協力的だったという。
しかしチーム側は、「すでに他の主要レースで全プロトンを対象に成功裏にテストされ、UCIにも提供した実証済み、かつ共同開発された安全追跡システムが存在するにもかかわらず、UCIは明確な同意なしにこの措置を強行し、失格をちらつかせた。そして今回、チーム自ら選手を指名しなかったという理由で我々をレースから除外した。なぜUCI自身が選手を指名しないのか、その理由はいまだ不明で説明もされていない」と強く抗議した。



総合優勝候補であったカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)ら30名が未出走となったため、初日は残された63名で争われた。そして勝利したのは、今年5月にUAEチームADQでプロデビューした22歳のパウラ・ブラシ(スペイン)だった。
今月末には女子のツール・ド・ラヴニール出場を控えているブラシは、6月のTTスペイン選手権(女子エリート)で3位に入った実力を発揮。11分17秒のトップタイムは、2位のウルシュカ・ジガート(スロベニア、AGインシュランス・スーダル)に17秒、3位のジュリエット・ラブース(フランス、FDJスエズ)に18秒の差をつける完勝。こうしてプロ1年目でワールドツアーの大舞台での勝利を掴んだ。
「高地合宿から良いコンディションで臨むことができたが、主たる目標はラヴニールだったので予想外の結果。常に全力でレースは走っているが、まさか勝てるとは思っていなかった」と、ブラシは語った。

ツール・ド・ロマンディ・フェミナン2025第1ステージ結果
1位 | パウラ・ブラシ(スペイン、UAEチームADQ) | 11:17 |
2位 | ウルシュカ・ジガート(スロベニア、AGインシュランス・スーダル) | +0:17 |
3位 | ジュリエット・ラブース(フランス、FDJスエズ) | +0:18 |
4位 | ヤラ・カステレイン(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +0:25 |
5位 | エリカ・マニャルディ(イタリア、UAEチームADQ) | +0:27 |
6位 | シュテフィ・ヘベリン(スイス、SDワークス・プロタイム) | +0:29 |
7位 | マライレ・メイエリング(オランダ、モビスター) | |
8位 | アレーナ・イワンチェンコ(ロシア、UAEチームADQ) | +0:30 |
9位 | エリーズ・シャベイ(スイス、FDJスエズ) | +0:32 |
10位 | ミケイラ・ハーヴェイ(ニュージーランド、SDワークス・プロタイム) |
個人総合成績
1位 | パウラ・ブラシ(スペイン、UAEチームADQ) | 11:17 |
2位 | ウルシュカ・ジガート(スロベニア、AGインシュランス・スーダル) | +0:17 |
3位 | ジュリエット・ラブース(フランス、FDJスエズ) | +0:19 |
4位 | ヤラ・カステレイン(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +0:25 |
5位 | エリカ・マニャルディ(イタリア、UAEチームADQ) | +0:28 |
6位 | シュテフィ・ヘベリン(スイス、SDワークス・プロタイム) | +0:30 |
7位 | マライレ・メイエリング(オランダ、モビスター) | |
8位 | アレーナ・イワンチェンコ(ロシア、UAEチームADQ) | |
9位 | エリーズ・シャベイ(スイス、FDJスエズ) | +0:32 |
10位 | ミケイラ・ハーヴェイ(ニュージーランド、SDワークス・プロタイム) |
その他の特別賞
ポイント賞 | パウラ・ブラシ(スペイン、UAEチームADQ) |
山岳賞 | パウラ・ブラシ(スペイン、UAEチームADQ) |
ヤングライダー賞 | パウラ・ブラシ(スペイン、UAEチームADQ) |
チーム総合成績 | UAEチームADQ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos、Tour de Romandie Féminin
photo:CorVos、Tour de Romandie Féminin
Amazon.co.jp