サバイバルな展開となったツール・ド・ロマンディ・フェミナン第3ステージで、カタブランカ・ヴァシュ(ハンガリー、SDワークス・プロタイム)が勝利。区間3位だったエリーズ・シャベイ(スイス、FDJスエズ)が劇的な逆転で総合優勝に輝いた。

総合首位で大会最終日に臨んだウルシュカ・ジガート(スロベニア、AGインシュランス・スーダル) photo:CorVos
初日に5チームが未出走という波乱の幕開けとなったツール・ド・ロマンディ・フェミナン(UCIワールドツアー)は、8月17日に最終日を迎えた。UCI(国際自転車競技連合)の本部があるスイス・エーグルを巡る122.1kmは、コース後半に5つの3級山岳を越える丘陵ステージ。特にラスト2つは平均勾配が9%前後と難易度が高い。
レースは総合首位ウルシュカ・ジガート(スロベニア、AGインシュランス・スーダル)が2位エリーズ・シャベイ(スイス、FDJスエズ)に8秒差、3位ヤラ・カステレイン(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)に13秒差という状況でスタート。初代総合優勝者であるアシュリー・モールマン(南アフリカ、AGインシュランス・スーダル)ら13名が逃げ、その中でクレア・スティールス(イギリス、モビスター)が山岳を次々とトップ通過し、山岳賞を勝ち取った。

晴天に恵まれたツール・ド・ロマンディ・フェミナン第3ステージ photo:CorVos
これを追うメイン集団では逆転の総合優勝を狙うFDJスエズがペースをつくるなか、横風により集団は分裂。終盤に入り、9名に絞られた逃げグループに20名ほどのプロトンが迫ると、ここからアタックが勃発した。残り10kmで逃げを吸収し、ジガートとシャベイ、そしてカステレインという総合トップ3を含む6名の先頭集団が形成された。
終盤の急勾配区間でシャベイが加速し、パウラ・ブラシ(スペイン、UAEチームADQ)以外を振り落とす。一方、下りコーナーでミスを冒してしまったジガートが遅れるなか、カタブランカ・ヴァシュ(ハンガリー、SDワークス・プロタイム)が先頭2名に追いついた。そして先頭3名のまま突入した最終ストレートでヴァシュがスプリントを開始すると、そのままフィニッシュに飛び込んだ。

3名によるスプリントを制したカタブランカ・ヴァシュ(ハンガリー、SDワークス・プロタイム) photo:CorVos

今季2勝目を飾ったカタブランカ・ヴァシュ(ハンガリー、SDワークス・プロタイム) photo:CorVos
2位にはブラシが入り、シャベイは3位でボーナスタイム4秒を獲得。懸命に追走したジガートらは11秒遅れでフィニッシュしたため、シャベイが劇的な逆転で総合優勝に輝いた。
「チームと立てたプラン通りの展開に持ち込むことができた。これはチーム全員で掴んだ勝利。皆の素晴らしい走りを勝利につなげることができて嬉しい」とハンガリー王者のヴァシュは喜びを語った。
一方、母国スイスで総合優勝したシャベイは「今朝、チームで『私たちに失うものは何も無い』と言い合い、作戦を実行した。調子は良くなかったが、チームが背中を押してくれた。信じられない結果だ」と語った。

劇的な逆転劇を演じ、総合優勝したエリーズ・シャベイ(スイス、FDJスエズ) photo:Tour de Romandie Féminin

初日に5チームが未出走という波乱の幕開けとなったツール・ド・ロマンディ・フェミナン(UCIワールドツアー)は、8月17日に最終日を迎えた。UCI(国際自転車競技連合)の本部があるスイス・エーグルを巡る122.1kmは、コース後半に5つの3級山岳を越える丘陵ステージ。特にラスト2つは平均勾配が9%前後と難易度が高い。
レースは総合首位ウルシュカ・ジガート(スロベニア、AGインシュランス・スーダル)が2位エリーズ・シャベイ(スイス、FDJスエズ)に8秒差、3位ヤラ・カステレイン(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)に13秒差という状況でスタート。初代総合優勝者であるアシュリー・モールマン(南アフリカ、AGインシュランス・スーダル)ら13名が逃げ、その中でクレア・スティールス(イギリス、モビスター)が山岳を次々とトップ通過し、山岳賞を勝ち取った。

これを追うメイン集団では逆転の総合優勝を狙うFDJスエズがペースをつくるなか、横風により集団は分裂。終盤に入り、9名に絞られた逃げグループに20名ほどのプロトンが迫ると、ここからアタックが勃発した。残り10kmで逃げを吸収し、ジガートとシャベイ、そしてカステレインという総合トップ3を含む6名の先頭集団が形成された。
終盤の急勾配区間でシャベイが加速し、パウラ・ブラシ(スペイン、UAEチームADQ)以外を振り落とす。一方、下りコーナーでミスを冒してしまったジガートが遅れるなか、カタブランカ・ヴァシュ(ハンガリー、SDワークス・プロタイム)が先頭2名に追いついた。そして先頭3名のまま突入した最終ストレートでヴァシュがスプリントを開始すると、そのままフィニッシュに飛び込んだ。


2位にはブラシが入り、シャベイは3位でボーナスタイム4秒を獲得。懸命に追走したジガートらは11秒遅れでフィニッシュしたため、シャベイが劇的な逆転で総合優勝に輝いた。
「チームと立てたプラン通りの展開に持ち込むことができた。これはチーム全員で掴んだ勝利。皆の素晴らしい走りを勝利につなげることができて嬉しい」とハンガリー王者のヴァシュは喜びを語った。
一方、母国スイスで総合優勝したシャベイは「今朝、チームで『私たちに失うものは何も無い』と言い合い、作戦を実行した。調子は良くなかったが、チームが背中を押してくれた。信じられない結果だ」と語った。

ツール・ド・ロマンディ・フェミナン2025第3ステージ結果
1位 | カタブランカ・ヴァシュ(ハンガリー、SDワークス・プロタイム) | 3:11:35 |
2位 | パウラ・ブラシ(スペイン、UAEチームADQ) | |
3位 | エリーズ・シャベイ(スイス、FDJスエズ) | |
4位 | シュテフィ・ヘベリン(スイス、SDワークス・プロタイム) | +0:11 |
5位 | キャロライン・アンデション(スウェーデン、リブ・アルウラー・ジェイコ) | |
6位 | ヤラ・カステレイン(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | |
7位 | パウラ・パティーニョ(コロンビア、モビスター) | |
8位 | ミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ、SDワークス・プロタイム) | |
9位 | エリカ・マニャルディ(イタリア、UAEチームADQ) | |
10位 | ウルシュカ・ジガート(スロベニア、AGインシュランス・スーダル) |
個人総合成績
1位 | エリーズ・シャベイ(スイス、FDJスエズ) | 6:53:02 |
2位 | ウルシュカ・ジガート(スロベニア、AGインシュランス・スーダル) | +0:07 |
3位 | ヤラ・カステレイン(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +0:20 |
4位 | パウラ・ブラシ(スペイン、UAEチームADQ) | +0:48 |
5位 | シュテフィ・ヘベリン(スイス、SDワークス・プロタイム) | +1:33 |
6位 | ミレイア・ベニト(スペイン、AGインシュランス・スーダル) | +1:37 |
7位 | ジュリエット・ラブース(フランス、FDJスエズ) | +1:46 |
8位 | エラ・ワイリー(ニュージーランド、リブ・アルウラー・ジェイコ) | +2:15 |
9位 | ジニア・カルオリ(スイス、ネクセティス) | +2:23 |
10位 | エリカ・マニャルディ(イタリア、UAEチームADQ) | +2:28 |
その他の特別賞
ポイント賞 | パウラ・ブラシ(スペイン、UAEチームADQ) |
山岳賞 | クレア・スティールス(イギリス、モビスター) |
ヤングライダー賞 | パウラ・ブラシ(スペイン、UAEチームADQ) |
チーム総合成績 | AGインシュランス・スーダル |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, Tour de Romandie Féminin
photo:CorVos, Tour de Romandie Féminin
Amazon.co.jp