オランダとベルギーを跨ぐレネウィ・ツアーが開幕。初日の集団スプリントでティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が圧巻のスプリントを披露し、最高の滑り出しを見せた。

復帰戦に臨んだマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:Renewi Tour
8月20日、ブエルタ・ア・エスパーニャ開幕を3日後に控え、オランダとベルギーを跨ぐ5日間のステージレース、レネウィ・ツアー(UCIワールドツアー)が開幕した。1948年に「オランダ一周レース」として始まり、UCIプロツアーに昇格した2005年から「エネコ・ツアー」として再スタート。その後「ビンクバンク・ツアー」など何度かレース名を変えながら、今年で20回目の節目を迎えた。
全5ステージ、総距離920.3kmに及ぶコースは平坦基調だが、ラスト3日間はアルデンヌクラシックほどではないものの、細かなアップダウンと石畳をミックスしたレイアウトが続く。このため、現ヨーロッパ王者ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)をはじめ、オラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)などトップスプリンターが集結。またマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)は途中リタイアしたツール・ド・フランス以来の復帰戦として出場した。

強力な16名による逃げ集団が形成された photo:Renewi Tour
大会初日の舞台は、オランダのテルネーゼンからブレスケンスまでのフラットステージ。レースでは、序盤に形成された逃げグループが吸収された後、新たにルイ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)を含む16名がエスケープした。スーダル・クイックステップやアルノー・ドゥリー(ベルギー)を擁するロットも逃げに選手を送ったため、メイン集団はヴィスマ・リースアバイクやアンテルマルシェ・ワンティが先導した。
逃げグループにはヤスペル・ストゥイヴェン(ベルギー、リドル・トレック)など経験豊富な選手も入っていたため、プロトンはなかなかタイム差を縮めることができない。終盤に3連続で設定された、ボーナスタイムが付与される「グリーンKM」では、オリヴェイラが2つを先頭通過し、総合タイムを稼ぐ。残り16kmでロバート・スタナード(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス)がアタックしたものの決まらず、プロトンではコーイを含む5名が落車した。

ヴィスマ・リースアバイクなどが牽引したプロトンは、残り5km過ぎに逃げを捉えた photo:CorVos
この落車によりダニエル・マクレー(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)が鎖骨骨折でリタイアしたが、コーイは何とか集団に復帰。ようやく逃げを捉えた集団は、スプリントに向けてスピードを上げながらブレスケンスに到着した。
最終ストレートにはピクニック・ポストNLが先頭で突入し、パヴェル・ビットネル(チェコ)が真っ先にスプリントを開始する。その背後についたヨーロッパ王者のメルリールが踏み込むと、そのトップスピードには誰も敵わない。そのまま圧巻の初日勝利を飾った。

圧巻のスプリントで初日を制したティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

ヨーロッパ王者の力を示したティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos
総合3連覇に向け、幸先の良いスタートを切ったメルリール。「今日はレース中、良い感触があり、自信を持ってチャンスを掴みに行った。チームが本当に良い走りをしてくれ、僕の臨んだタイミングでスプリントを開始する位置まで運んでくれた。7月のレース(ツール)以来の勝利なので嬉しい」とコメントした。
スピードが伸び悩んだビットネルは4位に終わり、2位にはアルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット)、3位にはフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツXRG)が入った。
※掲載当初、「総合3連覇したティム・メルリール」と記載していましたが、正しくは「ティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツXRG)」でした。お詫びして訂正します。

8月20日、ブエルタ・ア・エスパーニャ開幕を3日後に控え、オランダとベルギーを跨ぐ5日間のステージレース、レネウィ・ツアー(UCIワールドツアー)が開幕した。1948年に「オランダ一周レース」として始まり、UCIプロツアーに昇格した2005年から「エネコ・ツアー」として再スタート。その後「ビンクバンク・ツアー」など何度かレース名を変えながら、今年で20回目の節目を迎えた。
全5ステージ、総距離920.3kmに及ぶコースは平坦基調だが、ラスト3日間はアルデンヌクラシックほどではないものの、細かなアップダウンと石畳をミックスしたレイアウトが続く。このため、現ヨーロッパ王者ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)をはじめ、オラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)などトップスプリンターが集結。またマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)は途中リタイアしたツール・ド・フランス以来の復帰戦として出場した。

大会初日の舞台は、オランダのテルネーゼンからブレスケンスまでのフラットステージ。レースでは、序盤に形成された逃げグループが吸収された後、新たにルイ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)を含む16名がエスケープした。スーダル・クイックステップやアルノー・ドゥリー(ベルギー)を擁するロットも逃げに選手を送ったため、メイン集団はヴィスマ・リースアバイクやアンテルマルシェ・ワンティが先導した。
逃げグループにはヤスペル・ストゥイヴェン(ベルギー、リドル・トレック)など経験豊富な選手も入っていたため、プロトンはなかなかタイム差を縮めることができない。終盤に3連続で設定された、ボーナスタイムが付与される「グリーンKM」では、オリヴェイラが2つを先頭通過し、総合タイムを稼ぐ。残り16kmでロバート・スタナード(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス)がアタックしたものの決まらず、プロトンではコーイを含む5名が落車した。

この落車によりダニエル・マクレー(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)が鎖骨骨折でリタイアしたが、コーイは何とか集団に復帰。ようやく逃げを捉えた集団は、スプリントに向けてスピードを上げながらブレスケンスに到着した。
最終ストレートにはピクニック・ポストNLが先頭で突入し、パヴェル・ビットネル(チェコ)が真っ先にスプリントを開始する。その背後についたヨーロッパ王者のメルリールが踏み込むと、そのトップスピードには誰も敵わない。そのまま圧巻の初日勝利を飾った。


総合3連覇に向け、幸先の良いスタートを切ったメルリール。「今日はレース中、良い感触があり、自信を持ってチャンスを掴みに行った。チームが本当に良い走りをしてくれ、僕の臨んだタイミングでスプリントを開始する位置まで運んでくれた。7月のレース(ツール)以来の勝利なので嬉しい」とコメントした。
スピードが伸び悩んだビットネルは4位に終わり、2位にはアルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット)、3位にはフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツXRG)が入った。
※掲載当初、「総合3連覇したティム・メルリール」と記載していましたが、正しくは「ティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツXRG)」でした。お詫びして訂正します。
レネウィ・ツアー2025第1ステージ結果
1位 | ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 3:40:05 |
2位 | アルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット) | |
3位 | フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツXRG) | |
4位 | パヴェル・ビットネル(チェコ、ピクニック・ポストNL) | |
5位 | ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ) | |
6位 | ベン・ターナー(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
7位 | オラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
8位 | ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、XDSアスタナ) | |
9位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、モビスター) | |
10位 | シモン・デヘールス(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) |
個人総合成績
1位 | ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 3:39:55 |
2位 | ルイ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) | +0:02 |
3位 | ドリース・デボント(ベルギー、デカトロンAG2Rラモンディアール) | +0:03 |
4位 | アルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット) | +0:04 |
5位 | フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツXRG) | +0:06 |
6位 | ジャラッド・ドリズナーズ(オーストラリア、ロット) | +0:07 |
7位 | パヴェル・ビットネル(チェコ、ピクニック・ポストNL) | +0:10 |
8位 | ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ) | |
9位 | ベン・ターナー(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
10位 | オラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) |
その他の特別賞
ポイント賞 | ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) |
山岳賞 | コルビー・シモンズ(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト) |
チーム総合成績 | アルペシン・ドゥクーニンク |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
Amazon.co.jp