これからの時期にぴったりなカステリの秋冬用ジャケット”Espresso Air Jacket”。防水性を備えつつ高い通気性を誇るRISTRETTOテクノロジーによって、冬場のライドを快適にしてくれる一着だ。Espresso Air Jacketとの組み合わせにぴったりなエントリーグレードモデルとともに紹介しよう。



カステリ Espresso Air Jacket

Esspresso Air Jacket photo: Kenta Onoguchi

ハイパフォーマンスなウエアづくりで知られるイタリアのカステリ。そのラインアップの中でも特に定評あるのが、ソフトシェル系のジャケットだ。

サイクリングアパレルの歴史に名を刻んだGABBAを皮切りに、冷たい雨から身を守る防水性と身体が発する熱を逃がす通気性を両立するアウターを作り続けてきた。その直系となるのが前回紹介したPERFETTOだが、同じ設計思想のもとで作られたもう一つのジャケットが今回紹介するEsspresso Air Jacketだ。

RISTRETTO素材を使用する photo: Kenta Onoguchi

程よい厚みの起毛フリースとされている photo: Kenta Onoguchi

Espresso Air Jacket最大の特徴がイタリアのファブリックメーカーであるITTTAI社とカステリが共同開発したRISTRETTO素材を採用したこと。この素材が目指したのは、冬場のライドに必要十分な保温性と防水性を確保しつつ、湿気が一切こもらないような最高レベルの通気性を実現すること。

シンプルな作りだが、保温性と通気性を両立させた photo: Kenta Onoguchi

その通気性は従来のゴアウィンドストッパーを使用していたカステリジャケットに対し、4倍の性能を示すほど。一方で、防水性については限定的なものとされているが、PFASフリーのDWR撥水加工と併用することで、冬場の通り雨などは問題にならないほどの性能を確保しているという。

そして、伸縮性にも優れているのがEsspresso Air Jacketの特徴。ウィンタージャケットとは思えないほどのしなやかさと柔らかな肌触りによって、快適性を確保。硬い生地だと突っ張り感を感じてしまうダンシング時にも身体の動きを妨げることなく最高のパフォーマンスを発揮できる。

非常に深さがあるため、大型のスマホも収納できる photo: Kenta Onoguchi

腰部分は幅広のフラップによってフィットさせている photo: Kenta Onoguchi

PERFETTOとの大きな違いとなるのが推奨温度帯。PERFETTOが4℃から14℃をカバーするのに対し、裏地をフリースとしたEsspresso Air Jacketは0℃から10℃ともう一段寒い時期に適合する一着となっている。

背中に備えられた三分割式バックポケットの開口部にはフラップが設置されており、強い前傾をとっても収納したアイテムが落ちづらいように工夫されている。裾には大きめのフラップが配置され、ライド中にずり上がらず、余計な冷気が入ってこないようにぴったりとフィットする設計だ。

カラーはCLAY、MANGO MOJITO、LIGHT BLACK、BELGIAN BLUE、DEEP BORDEAUX、VIVID ORANGEの6色。価格は34,650円(税込)だ。

インプレッション by 高木三千成(シクロワイアード編集部)

「インナーのレイヤリングで幅広い時期で着回せる」高木三千成(シクロワイアード編集部) photo: Kenta Onoguchi

このジャケットの生地はとても柔らかくて、肌触りが良いです。防風防水系ジャケットの場合は生地が硬くなりがちで、若干の動きにくさやゴワゴワした着心地になるんですが、Espresso Air Jacketはどんなシチュエーションでも快適さを感じられました。

最低気温が10℃、最高気温が14℃の環境でテストしましたが、10℃のシチュエーションでは温かさが心強かったです。停車していると冷気を感じる場面もあるものの、ライド中には心地よさを感じられました。対して14℃の頃は汗ばみましたが、通気性のおかげで快適さは失われませんでした。今回は冬用アンダーウェアとレイヤリングしましたが、夏用や薄手長袖を選べば、幅広い環境で着回すことができそうです。



カステリ Competizione Bibtight

カステリ Competizione Bibtight photo: Kenta Onoguchi

太ももの中ごろから下は伸縮性を重視した生地が配置される photo: Kenta Onoguchi

シンプルなルックスながら0℃〜12℃という冷え込んだ環境をカバーするビブタイツがCompetizione Bibtightだ。体の部位ごとに異なる素材を配置することで、防風性と動きやすさを両立させたことが最大の特徴だ。

風が当たる太ももから膝までの前面には、カステリ独自のCoreDueファブリックを採用。生地の外側にはナイロンの高密度ニットを配置することで冷風の進入を防ぎつつ、内側の中空構造フリースによって優れた保温性を確保している。

太ももの後部と腰にかけてのエリアは3D構造のニットを配置。この生地は優れたストレッチ性を備えており、ペダリングを妨げないスムースな動作を確保している。同時に生地の突っ張りをなくすことで、快適な履き心地も実現した。

腰部分には伸縮性に優れた生地を採用する photo: Kenta Onoguchi

KISS Air2シートパッドが備えられている

膝から足首にかけて採用される生地はThermoflexフリース素材で、前面ほどの防風性は持たせずに暖かさと柔軟性を重視している。特に膝の内側は縫い目を1本に抑え、走行中の擦れを最小限に留めた。足首部分は生地端を切りっぱなし仕様で、シューズカバーとも重ね合わせやすくなっている。

パッドにはKISS Air2シートバッドを搭載。長時間のライドでもサドルとの接触による負担を低減してくれる。肩紐も程よい伸縮性を備えており、快適かつパッドの位置をホールドしてくれるため、ライド中のストレスを減らしている。カラーはBlackのみで、価格は21,450円(税込)。

インプレッション

シンプルな作りと優れた生地によって快適なフィットを実現した photo: Kenta Onoguchi

本当に優秀なビブタイツでした。膝の動き、腰回りの伸縮性が着心地の快適さは特筆すべきものだと思います。冬用のビブタイツは生地が厚手になりがちで、パネリングで動きやすさを確保することが多いのですが、Competizione Bibtightは優れた生地を使うことで、パネリングを最小限、かつ動きを妨げない設計を実現しており、ストレスフリーに履けるビブタイツになっています。

保温性についても、雪が降るような環境ではない限り、ウィンターシーズン通して着用できるような印象を抱きました。フリース生地が温かさを確保しつつ、程よい通気性も備えているため、休憩を最小限に止め、体を動かし続けるファストライドやトレーニングライドにはぴったりです。



カステリ Merino Seamless Baselayer

カステリ Merino Seamless Baselayler photo: Kenta Onoguchi

Merino Seamless Baselayerは、メリノウール混紡素材をシームレスで仕立てたインナーウェア。肌に直接当たるインナーを縫い目の無い構造とすることで、擦れや圧迫感などから解放され、長時間のライドでも肌へのストレスを軽減する。

メリノウールは天然繊維の中でも保温性と透湿性のバランスに優れ、臭いもつきにくいことが特徴。Merino Seamless Baselayerでは程よい密度の生地とされており、厚手すぎないものの-4℃〜10℃という厳冬期向けの保温性を獲得している。

同時に背中や脇部分は、前身頃や袖よりも密度を薄く設計しており、程よい通気性も狙っている。襟元もクルーネックとすることで、冬向けながら、通気性を確保しており、運動強度が上がった際の熱のこもりも防ぐ。もし、首元の保温性を求めるならば、ネックカバーで対応できそうだ。

脇部分は通気性を確保する設計となっている photo: Kenta Onoguchi

メンテナンス面では洗濯機での洗濯が可能で、メリノウール製品でありながら扱いやすいことが魅力だ。混紡素材とすることで耐久性も高めており、実用性も確保されている。価格は16,500円(税込)。

インプレッション

心地よい肌触りが気持ち良いメリノウール混紡生地が採用されている photo: Kenta Onoguchi

Merino Seamless Baselaylerはしっかりとした温かさと肌触りの良さが特徴的です。生地自体はそれほど厚手ではないものの体温を逃さないような感覚があり、Espresso Air Jacketとの組み合わせは非常に心強かったです。

ジャケットと同じSサイズを着用しましたが、タイトな着心地ではなく、体を包み込むような程よいフィット感でした。特に気に入ったポイントは袖の長さが絶妙で、ジャケットから出てしまったり、短すぎたりすることもなく、ベストな状態で着用できたことでした。カステリのウェアで統一すれば、着心地なども最良な状態になるはずです。



カステリ Entrata Shoecover

カステリ Entrata Shoecover

Entrata Shoecoverはエントリーグレードに位置付けられる冬用シューズカバーだ。4方向に伸縮する素材を採用することで、シューズへの装着時のストレスを軽減し、足の動きを妨げない。さらに、足首には蛇腹状の生地を配置することで、ペダリングでの可動域を確保した。

シューズカバーの内側には起毛フリース素材を使用し、保温性と包み込むようなフィット感を両立している。外側には防風性を持たせつつ、小雨程度であれば弾く撥水性も備える。完全防水ではないため、雨天時の使用には気をつけてもらいたい。

内側は全面がフリース素材とされている

カフ部分にはネオプレーン素材を配置。カッティングを工夫することで、面でフィットするような履き心地を実現しており、程よいタイト感で履けるようになっている。もちろん走行中のズレを防いでいるため、ライド中にカフを上げ直す手間がない。

想定気温は4℃〜14℃で、秋から冬にかけての幅広い気温に対応する。シューズのアウトソールに設けられたベンチレーションは覆わないため、厳冬期に使う際はライダー自身の工夫が必要そうだ。価格は9,680円(税込)。

インプレッション

足首部分の蛇腹状生地が可動域を確保する

プラー兼リフレクターが備えられている
ネオプレーン素材はパネル形状も工夫されている



このシューズカバーは着用した瞬間からわかる温かさが魅力。つま先からカフ部分にかけて内側フリース素材で仕立てられており、足の熱を逃さないという設計が伝わります。生地は厚手ですが、蛇腹状の生地のおかげでペダリングの違和感も小さめ。同時に伸縮性に優れた生地が脱着を容易にしていることも特徴で、大胆に生地を伸ばしても破れないという安心感があるため、ライド後の疲れた状態でもストレスなくシューズカバーを外せるはずです。温かさと扱いやすさの両方を求める方にはおすすめの一足だ。



カステリ Espresso Air Jacket
素材:Ristretto
温度:0〜10℃
フィット:レギュラーフィット
カラー:CLAY、MANGO MOJITO、LIGHT BLACK、BELGIAN BLUE、DEEP BORDEAUX、VIVID ORANGE
サイズ:XS、S、M、L、XL、XXL、3XL
価格:34,650円(税込)

カステリ Competizione Bibtight
温度:0〜12℃
フィット:タイトフィット
カラー:BLACK
サイズ:XS、S、M、L、XL、XXL、3XL
価格:21,450円(税込)

カステリ Merino Seamless Baselayler
素材:メリノウール混紡
温度:-4〜10℃
フィット:レギュラーフィット
カラー:BLACK
サイズ:S/M、L/X、XXL
価格:16,500円(税込)

カステリ Entrata Shoecover
温度:4℃〜14℃
フィット:レギュラーフィット
カラー:BLACK
サイズ:S、M、L、XL、XXL
価格:9,680円(税込)



photo : Kenta Onoguchi, Gakuto Fujiwara
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