「残り50mで限界まで踏み込んだ」と振り返るメルリールが、3度の集団スプリントで2勝目。敢闘賞のスロックは6歳から夢見たツールの表彰台へ。ポガチャルは翌日の9日目を前に、1週目を総括した。
ステージ優勝 ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)

2連勝をマークしたティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:A.S.O.
レース直後インタビュー
勝てるとは思っていなかった。最後の最後まで自力で位置取りをしなければならなかった。最終コーナーの手前で囲まれてしまい、落車しかけた。それで今日はおしまいだと思ったんだ。でも、やるだけやってみようと、前方でリードアウトしていた選手たちを追いかけた。残り250mから踏み込んだら、スピードに乗ることができた。残り50mでは、これ以上は無理だというほど踏み込んだ。
フィニッシュラインが見えた瞬間、誰にも勝利を譲りたくないと思った。それに、今日は暑かった。力を発揮するのは難しかったよ。
スプリントはこういうものだ。一度勝つと、その次も勝てる。3度のスプリントで2勝だ。とても嬉しいよ。これで僕のツール・ド・フランスは十分成功したと言っていい。

チームメイトに感謝するティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:A.S.O.
表彰式後インタビュー
─いまがキャリア最高のコンディションか?
わからない。素晴らしいスプリントを披露できたが、過去にも集団後方から追い上げて勝ったことはある。暑さの影響もあり、体調がピークとは言えないだろう。
─レース主催者は直前、暑さのため翌日のステージを30km短縮すると発表した。この判断をどう思うか?
開幕してからここまで、常に35度以上の中を走ってきた。最初の3日間はレース内容で忙しかったが、それ以降は身体を冷やすのに忙しかった。だから賢明な判断だと思うし、この決断を下したレース主催者に感謝を伝えたい。

インタビューに応じるティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:A.S.O.
─残り1km、あるいはラスト500mでは、どこを見ながらスプリントしているのか?
(リードアウトの)ヤスペル(ストゥイヴェン)と走るのは今回で3度目だ。最初に共に走ったバロワーズ・ベルギーツアーではお互いをよく知らなかったが、この2回のスプリントを通じて連携は良くなっている。もちろんベルト(ファンレルベルヘ)との走り方とは違うけどね。
通常なら、ラスト1kmでは状況を俯瞰的に捉えられ、何をすべきかが明確に分かる。だが、ツールではスピードが速すぎて、まだ小さなミスをしてしまう。それは暑さで参っているからかもしれないけどね。連日、35度以上の中を走るなんて、僕のキャリアで初めてのことなのだからね。

シルヴァン・ディリエ(スイス、アルペシン・プレミアテック)とパスカル・エインコールン(オランダ、スーダル・クイックステップ)が2日連続の長時間コントロールを披露 photo:A.S.O.
─5年前と比べ、現在はスプリントで時速70kmを超えることが普通になった。
そうだね、そう思うよ。ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ピクニック・ポストNL)と同じチームにいた時、時速68kmに到達するのも難しいと話していた。それ以上のスピードが出せればレースに勝てる、とね。今では時速70kmを超えているのだから、明らかに高速化している。
そしてスピードは毎年、速くなっていく。もっと重いギヤを踏みたいと思って確認すると、すでにリアは11Tに入っていた、なんてことはよくあるからね。
─マイヨヴェール争いでマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)に15ポイント差まで迫っている。新たな目標となり得るか。
もちろんマイヨヴェールは着てみたい。でもマッズの方が登りが得意なので、中間スプリントでは僕が不利だ。マイヨヴェールを着て走るのが僕の夢。たとえ1日でもいいから、着て走ってみたい。そのためには来年、トレーニング内容を変えなければならない。それでもマッズに勝つのは難しいだろう。

敢闘賞はリアム・スロック(ベルギー、ロット・アンテルマルシェ) photo:A.S.O.
残り2kmまで逃げ続け、敢闘賞を獲得したリアム・スロック(ベルギー、ロット・アンテルマルシェ)
GPギッピンゲンでプロ初勝利を挙げ、ツールでは逃げにも乗れた。今シーズンはブレークスルーの年と言えそうだ。あの勝利に加え、今度は別の形でも人々の記憶に残れそうだ。
残り13〜15kmの時点でもタイム差がそれほど縮まらなかったので、逃げ切りも可能だと思った。だが、その後、広い道路に出たところで難しいと思い直した。でも、信じ続けることが大切だと分かっていたので、信じて踏み続けた。
6歳の時に初めて沿道でツール・ド・フランスを見て以来、表彰台に上がることを夢見続けてきた。
マイヨジョーヌ タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)
明日は気温が35〜40度に達し、勝利を狙うには厳しいステージとなる。チームとして準備を怠らず、集中して臨みたい。そのためにも、体温を下げながら走り続けたい。

総合順位に変動なし。タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)がマイヨジョーヌを堅守している photo:A.S.O.
─バルセロナでの開幕から1週間がたった。ここまでを振り返ってどうか?
ここまでは順調だよ。バルセロナでのグランデパールは素晴らしく、チームタイムトライアルも良い走りができた。その後、総合争いもひとまず落ち着いた。そして今日と明日は僕らにとって比較的楽なステージで、トゥールマレーを越えた後の良い休息になる。暑さにもかなり消耗させられていたからね。
それに、スプリントステージでの残り5kmルールにはとても助けられている。総合勢は集団後方で静かに走る、という暗黙の了解ができたように思う。ストレスなくステージを終えることができる。その暗黙の了解を守っている総合系チームには感謝している。それもあり、暑さを除けばこれまでで最も楽しいツールだよ。
─ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)を除き、最も警戒すべき選手は?
トゥールマレーを越えた第6ステージで、第2集団に入った選手は全員だ。すべての選手が強く、厳しい山岳ステージで誰かが好調ぶりを発揮するかもしれない。予想は難しいが、総合上位10〜15人は、全員が警戒すべき存在だよ。
text:Sotaro.Arakawa
photo:A.S.O., CorVos
ステージ優勝 ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)

レース直後インタビュー
勝てるとは思っていなかった。最後の最後まで自力で位置取りをしなければならなかった。最終コーナーの手前で囲まれてしまい、落車しかけた。それで今日はおしまいだと思ったんだ。でも、やるだけやってみようと、前方でリードアウトしていた選手たちを追いかけた。残り250mから踏み込んだら、スピードに乗ることができた。残り50mでは、これ以上は無理だというほど踏み込んだ。
フィニッシュラインが見えた瞬間、誰にも勝利を譲りたくないと思った。それに、今日は暑かった。力を発揮するのは難しかったよ。
スプリントはこういうものだ。一度勝つと、その次も勝てる。3度のスプリントで2勝だ。とても嬉しいよ。これで僕のツール・ド・フランスは十分成功したと言っていい。

表彰式後インタビュー
─いまがキャリア最高のコンディションか?
わからない。素晴らしいスプリントを披露できたが、過去にも集団後方から追い上げて勝ったことはある。暑さの影響もあり、体調がピークとは言えないだろう。
─レース主催者は直前、暑さのため翌日のステージを30km短縮すると発表した。この判断をどう思うか?
開幕してからここまで、常に35度以上の中を走ってきた。最初の3日間はレース内容で忙しかったが、それ以降は身体を冷やすのに忙しかった。だから賢明な判断だと思うし、この決断を下したレース主催者に感謝を伝えたい。

─残り1km、あるいはラスト500mでは、どこを見ながらスプリントしているのか?
(リードアウトの)ヤスペル(ストゥイヴェン)と走るのは今回で3度目だ。最初に共に走ったバロワーズ・ベルギーツアーではお互いをよく知らなかったが、この2回のスプリントを通じて連携は良くなっている。もちろんベルト(ファンレルベルヘ)との走り方とは違うけどね。
通常なら、ラスト1kmでは状況を俯瞰的に捉えられ、何をすべきかが明確に分かる。だが、ツールではスピードが速すぎて、まだ小さなミスをしてしまう。それは暑さで参っているからかもしれないけどね。連日、35度以上の中を走るなんて、僕のキャリアで初めてのことなのだからね。

─5年前と比べ、現在はスプリントで時速70kmを超えることが普通になった。
そうだね、そう思うよ。ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ピクニック・ポストNL)と同じチームにいた時、時速68kmに到達するのも難しいと話していた。それ以上のスピードが出せればレースに勝てる、とね。今では時速70kmを超えているのだから、明らかに高速化している。
そしてスピードは毎年、速くなっていく。もっと重いギヤを踏みたいと思って確認すると、すでにリアは11Tに入っていた、なんてことはよくあるからね。
─マイヨヴェール争いでマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)に15ポイント差まで迫っている。新たな目標となり得るか。
もちろんマイヨヴェールは着てみたい。でもマッズの方が登りが得意なので、中間スプリントでは僕が不利だ。マイヨヴェールを着て走るのが僕の夢。たとえ1日でもいいから、着て走ってみたい。そのためには来年、トレーニング内容を変えなければならない。それでもマッズに勝つのは難しいだろう。

残り2kmまで逃げ続け、敢闘賞を獲得したリアム・スロック(ベルギー、ロット・アンテルマルシェ)
GPギッピンゲンでプロ初勝利を挙げ、ツールでは逃げにも乗れた。今シーズンはブレークスルーの年と言えそうだ。あの勝利に加え、今度は別の形でも人々の記憶に残れそうだ。
残り13〜15kmの時点でもタイム差がそれほど縮まらなかったので、逃げ切りも可能だと思った。だが、その後、広い道路に出たところで難しいと思い直した。でも、信じ続けることが大切だと分かっていたので、信じて踏み続けた。
6歳の時に初めて沿道でツール・ド・フランスを見て以来、表彰台に上がることを夢見続けてきた。
マイヨジョーヌ タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)
明日は気温が35〜40度に達し、勝利を狙うには厳しいステージとなる。チームとして準備を怠らず、集中して臨みたい。そのためにも、体温を下げながら走り続けたい。

─バルセロナでの開幕から1週間がたった。ここまでを振り返ってどうか?
ここまでは順調だよ。バルセロナでのグランデパールは素晴らしく、チームタイムトライアルも良い走りができた。その後、総合争いもひとまず落ち着いた。そして今日と明日は僕らにとって比較的楽なステージで、トゥールマレーを越えた後の良い休息になる。暑さにもかなり消耗させられていたからね。
それに、スプリントステージでの残り5kmルールにはとても助けられている。総合勢は集団後方で静かに走る、という暗黙の了解ができたように思う。ストレスなくステージを終えることができる。その暗黙の了解を守っている総合系チームには感謝している。それもあり、暑さを除けばこれまでで最も楽しいツールだよ。
─ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)を除き、最も警戒すべき選手は?
トゥールマレーを越えた第6ステージで、第2集団に入った選手は全員だ。すべての選手が強く、厳しい山岳ステージで誰かが好調ぶりを発揮するかもしれない。予想は難しいが、総合上位10〜15人は、全員が警戒すべき存在だよ。
text:Sotaro.Arakawa
photo:A.S.O., CorVos
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