数十万人の観客が詰めかけたアルプ・デュエズでタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)が圧巻のパフォーマンスを披露した。アタック一発でライバル勢を粉砕し、逃げを捕まえて独走勝利。今大会区間5勝目を掴むと共に、マイヨジョーヌのリードをさらに広げてみせた。
7月24日(金)第19ステージ
ギャップ〜アルプ・デュエズ 走行距離127.9km/獲得標高3,500m(山岳)

逃げに乗って総合ジャンプアップを目指すイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG) photo:A.S.O. 
逃げに乗って中間スプリント先頭通過を目論むマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) photo:A.S.O.

タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)とヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ) photo:A.S.O.
いよいよ2026年のツール・ド・フランスの華となる2日連続のアルプ・デュエズ・ステージがスタート。7月24日(金)開催の第19ステージは序盤に2級山岳コル・バイヤール(距離4.8km/平均7.2%)と1級山岳コル・デュ・ノワイエ(距離7.2km/平均8.5%)を続けざまに越え、最後は数日前からキャンピングカーで乗りつけた無数のファンが待ち構える超級山岳アルプ・デュエズ(距離13.7km/平均8.1%)にフィニッシュする。
大方の予想は総合上位勢によるバトルだが、マイヨジョーヌのタデイ・ポガチャル(スロベニア)擁するUAEチームエミレーツXRGに体調不良者が続出しているため、ステージ優勝を狙う選手にとってはメイン集団を引き離して逃げ切る絶好のチャンスとも言える。127.9kmという短い距離で獲得標高差3,500mもの登りをこなす厳しい一日だが、前日にリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)が逃げ切ったことが追い風となって、この日もスタート0km地点から激しいアタック合戦が勃発した。

第19ステージ ギャップ〜アルプ・デュエズ image:A.S.O.
アクチュアルスタートと同時に登り始める2級山岳コル・バイヤール(距離4.8km/平均7.2%)では、この日もカラパスのステージ優勝で勢いづくEFエデュケーション勢が積極的に攻め立てた。いきなりハイペース登坂となった集団後方では早くもヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・プレミアテック)やUAEの重要アシストでありながら体調不良に見舞われるフロリアン・フェルミールスとティム・ウェレンス(共にベルギー)たちが千切れることとなる。
分断によって強豪選手がたっぷりと入った30名ほどの巨大な逃げグループが生まれ、頂上付近では山岳賞ランキングで首位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)から僅か1ポイント差で繰り下がりのマイヨアポワを着る2位ヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ)が猛然とスパートし、同3位に付けるカラパスを退けて1位(+5ポイント)通過し、暫定ランキングで山岳賞首位に浮上することに成功する。

30名もの逃げグループが先行。クスのためにブリュノ・アルミライユ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)が牽引を続けた photo:A.S.O.

カラパスのステージ優勝を目指して牽引するEFエデュケーション・イージーポスト photo:A.S.O.

逃げグループがアルプス山脈のつづら折れを登っていく photo:A.S.O.
逃げに乗った主要メンバーは、パレパントルやカラパス、89.4km地点の中間スプリントを狙うマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)、総合7位レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス)、総合11位ヤニス・ヴォワザール(スイス、チューダープロサイクリング)、ヨン・イサギレ(スペイン、コフィディス)、セップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)といった選手たち。
続く1級山岳コル・デュ・ノワイエ(距離7.2km/平均8.5%)では逃げにカラパスをはじめ4名を乗せたEFと、ピーダスンが登れるギリギリのペースを維持したいリドル・トレックが先頭に立って高速牽引。メイン集団から3分リードを得て迎えた頂上では激しいスプリント勝負の末、パレパントルが再びカラパスを下して最大10ポイントを獲得している。
山岳賞争いと中間スプリント狙い、ステージ優勝狙い、総合ジャンプアップ、そしてアルプ・デュエズでの前待ち作戦。あらゆる意図が絡む逃げグループは人数を残したままアルプ・デュエズに向けて北上し、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエがコントロールするメイン集団との差を4分にまで伸ばして距離を減らしていく。ピーダスンは狙い通り中間スプリントを先頭通過して25ポイントを獲得し、ランキング2位のフィリプセンとの差を57ポイントに広げることに成功した。
続けざまの2級山岳コル・ドルノン(距離5.4km/平均6.4%)では、メイン集団を引き離してアルプ・デュエズに入りたいクスのためにブリュノ・アルミライユ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)が思い切りペースを上げて牽引した。このハイテンポによって、任務を果たしたピーダスンはまだしも、ヴォワザールやイサギレのほか、山岳ポイント獲得必須のパレパントルまでもが遅れる事態に。カラパスが危なげなくKOM先頭通過を果たした(+5ポイント)ことで、序盤の2連続山岳で10pポイント差に広がったマイヨアポワ争いを5ポイント差に引き戻す。

アルプ・デュエズの麓区間で逃げグループからアタックしたテイメン・アレンスマン(オランダ、ネットカンパニー・イネオス) photo:A.S.O.

先頭グループから生き残ったカラパス、クス、マルティネス photo:A.S.O.

逃げるカラパス、クス、マルティネスが無数の観客の中を駆け上がる photo:A.S.O.
フィニッシュまで逃げ切れば2日連続のステージ優勝とマイヨアポワ獲得という大きなチャンスが転がり込んできたカラパスを含む、15名に半減した逃げグループが、総合7位マルティネスに逃げ切られるとフアン・アユソ(スペイン)とマティアス・スケルモース(デンマーク)の総合5位&6位が危うくなうリドル・トレックが必死に追いかけるメイン集団を3分半引き離してアルプ・デュエズの登坂を開始した。
初登場した1952年にファウスト・コッピが制してから75年。33回目のツール登場となる「21のヘアピンコーナー」を含むアルプスの峠に入るや否や、逃げグループ、そしてメイン集団共に激しく活性化した。
逃げグループでステージ優勝を狙う選手たちにとって、後方から迫ってくるであろうタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)のことを考えれば、序盤からハイペースを刻み続けた方が得策だ。テイメン・アレンスマン(オランダ、ネットカンパニー・イネオス)が12km以上を残してアタックし、マルティネスとクス、カラパスが追従したものの、案の定メイン集団からはポガチャルが序盤区間からアタック一発で抜け出した。

ライバルを置き去りにしてアルプ・デュエズを登るタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:A.S.O.

アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツXRG)の背後で一旦脚を休めるポガチャル photo:A.S.O.

積極的にアルプ・デュエズでペースを上げるリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト) photo:A.S.O.
「脚の具合もいいし、僕についてくる選手もほとんど残っていないと分かっていたので序盤でアタックしてみた」と振り返るマイヨジョーヌは、軽々とレムコ・エヴェネプール(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)たちを軽々と千切ってハイペースを刻み続ける。アレンスマンが千切れ、マルティネスとクス、カラパスが互いにマークし合ったことも手伝って、ポガチャルがアタックした時点で3分ちょうどだったタイム差はすぐさま2分半に縮まり、ポガチャルは逃げグループから降りてきたアダム・イェーツ(イギリス)の背後で少し脚を休めてから再びペースアップした。
50万人とも、60万人とも報じられたアルプ・デュエズの大観衆の前で、先頭3人とポガチャルの差は先行グループとの差は2分、1分半、1分とみるみるうちに短縮。発煙筒がたかれ、ビールの匂いが立ち込め、熱狂に包まれてコントロール不能に陥った群集を、モーセの海割りのように切り開きながら高速で駆け上がる選手たち。一人異次元のペースで登るポガチャルは残り3km手前でクスとマルティネスを捉え、残り1.7km地点で逃げ続けていたカラパスをキャッチ。すでに2分半差が着いた後続グループではエヴェネプールがアタックしたものの、行手を観客に阻まれた随行モトに詰まってしまう(エヴェネプールが道を塞がれるのは第14ステージに続いて2度目)。

圧巻のパフォーマンスを披露したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:A.S.O.

タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)が区間5勝目を獲得 photo:A.S.O.

会心の勝利を掴んだタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:A.S.O.
ポガチャルにカラパスとマルティネスが喰らいつく形でラスト1kmのフラムルージュを通過すると、間髪入れずにマイヨジョーヌが渾身のアタックを披露した。2人との距離が空いたことを確認してもう一段ペースを上げ、最後は余裕を持って両手を広げ、右腕を高々と突き上げる。「ラルプ・デュエズを制するものは総合優勝を果たせない」というジンクスを木っ端微塵に粉砕する王者の走りで今大会5勝目を掴み取った。
「ここで勝てて最高だよ。登りの間はずっと、ものすごい熱気に包まれていた。チーム全員のおかげで成し遂げられた結果だ。今日はチームメイトのために走った。優勝できて本当に嬉しい」と語るポガチャルは、8年前のゲラント・トーマス(イギリス)に続いてマイヨジョーヌでアルプ・デュエズを制した選手に。最高の形でキャリア80日目のマイヨジョーヌに花を添えた。

久々のアルカンシエル姿を披露したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:A.S.O.

タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)のマイヨジョーヌ通算着用日数は80日目に突入 photo:A.S.O.

2位フィリプセンとのポイント差を広げたマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) photo:A.S.O.

マイヨアポワを獲得したリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト) photo:A.S.O.
マルティネスが2位に入り、3位のカラパスは山岳ポイントを12上積みし、合計28ポイントを得たことでパレパントルはおろか、ポガチャルも1ポイント差で抜いて山岳ランキング首位浮上を叶えることに成功。積極果敢な走りによって2日連続&今大会4度目の敢闘賞も獲得したほか、狙っていないという総合成績でも8位に浮上。一方、アルプ・デュエズ序盤で遅れた総合5位フアン・アユソ(スペイン、リドル・トレック)は7位に転落し、トーマス・ピドコック(イギリス、ピナレロQ36.5プロサイクリング)も8位から9位にランクダウンしている。
翌第20ステージもまたアルプ・デュエズにフィニッシュする超過酷な山岳ステージ。超級山岳クロワ・ド・フェール(距離24km/平均5.2%)、1級山岳テレグラフ(距離11.9km/平均7.1%)、超級山岳ガリビエ峠(距離17.7km/平均6.9%)、超級山岳サレンヌ(距離12.8km/平均7.3%)と、これでもかとアルプスの難関山岳を詰め込み、ラストはこの日の残り約4km地点からアルプ・デュエズに入る獲得標高差5,450mのクイーンステージが選手たちを待ち構えている。
7月24日(金)第19ステージ
ギャップ〜アルプ・デュエズ 走行距離127.9km/獲得標高3,500m(山岳)



いよいよ2026年のツール・ド・フランスの華となる2日連続のアルプ・デュエズ・ステージがスタート。7月24日(金)開催の第19ステージは序盤に2級山岳コル・バイヤール(距離4.8km/平均7.2%)と1級山岳コル・デュ・ノワイエ(距離7.2km/平均8.5%)を続けざまに越え、最後は数日前からキャンピングカーで乗りつけた無数のファンが待ち構える超級山岳アルプ・デュエズ(距離13.7km/平均8.1%)にフィニッシュする。
大方の予想は総合上位勢によるバトルだが、マイヨジョーヌのタデイ・ポガチャル(スロベニア)擁するUAEチームエミレーツXRGに体調不良者が続出しているため、ステージ優勝を狙う選手にとってはメイン集団を引き離して逃げ切る絶好のチャンスとも言える。127.9kmという短い距離で獲得標高差3,500mもの登りをこなす厳しい一日だが、前日にリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)が逃げ切ったことが追い風となって、この日もスタート0km地点から激しいアタック合戦が勃発した。

アクチュアルスタートと同時に登り始める2級山岳コル・バイヤール(距離4.8km/平均7.2%)では、この日もカラパスのステージ優勝で勢いづくEFエデュケーション勢が積極的に攻め立てた。いきなりハイペース登坂となった集団後方では早くもヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・プレミアテック)やUAEの重要アシストでありながら体調不良に見舞われるフロリアン・フェルミールスとティム・ウェレンス(共にベルギー)たちが千切れることとなる。
分断によって強豪選手がたっぷりと入った30名ほどの巨大な逃げグループが生まれ、頂上付近では山岳賞ランキングで首位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)から僅か1ポイント差で繰り下がりのマイヨアポワを着る2位ヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ)が猛然とスパートし、同3位に付けるカラパスを退けて1位(+5ポイント)通過し、暫定ランキングで山岳賞首位に浮上することに成功する。



逃げに乗った主要メンバーは、パレパントルやカラパス、89.4km地点の中間スプリントを狙うマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)、総合7位レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス)、総合11位ヤニス・ヴォワザール(スイス、チューダープロサイクリング)、ヨン・イサギレ(スペイン、コフィディス)、セップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)といった選手たち。
続く1級山岳コル・デュ・ノワイエ(距離7.2km/平均8.5%)では逃げにカラパスをはじめ4名を乗せたEFと、ピーダスンが登れるギリギリのペースを維持したいリドル・トレックが先頭に立って高速牽引。メイン集団から3分リードを得て迎えた頂上では激しいスプリント勝負の末、パレパントルが再びカラパスを下して最大10ポイントを獲得している。
山岳賞争いと中間スプリント狙い、ステージ優勝狙い、総合ジャンプアップ、そしてアルプ・デュエズでの前待ち作戦。あらゆる意図が絡む逃げグループは人数を残したままアルプ・デュエズに向けて北上し、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエがコントロールするメイン集団との差を4分にまで伸ばして距離を減らしていく。ピーダスンは狙い通り中間スプリントを先頭通過して25ポイントを獲得し、ランキング2位のフィリプセンとの差を57ポイントに広げることに成功した。
続けざまの2級山岳コル・ドルノン(距離5.4km/平均6.4%)では、メイン集団を引き離してアルプ・デュエズに入りたいクスのためにブリュノ・アルミライユ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)が思い切りペースを上げて牽引した。このハイテンポによって、任務を果たしたピーダスンはまだしも、ヴォワザールやイサギレのほか、山岳ポイント獲得必須のパレパントルまでもが遅れる事態に。カラパスが危なげなくKOM先頭通過を果たした(+5ポイント)ことで、序盤の2連続山岳で10pポイント差に広がったマイヨアポワ争いを5ポイント差に引き戻す。



フィニッシュまで逃げ切れば2日連続のステージ優勝とマイヨアポワ獲得という大きなチャンスが転がり込んできたカラパスを含む、15名に半減した逃げグループが、総合7位マルティネスに逃げ切られるとフアン・アユソ(スペイン)とマティアス・スケルモース(デンマーク)の総合5位&6位が危うくなうリドル・トレックが必死に追いかけるメイン集団を3分半引き離してアルプ・デュエズの登坂を開始した。
初登場した1952年にファウスト・コッピが制してから75年。33回目のツール登場となる「21のヘアピンコーナー」を含むアルプスの峠に入るや否や、逃げグループ、そしてメイン集団共に激しく活性化した。
逃げグループでステージ優勝を狙う選手たちにとって、後方から迫ってくるであろうタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)のことを考えれば、序盤からハイペースを刻み続けた方が得策だ。テイメン・アレンスマン(オランダ、ネットカンパニー・イネオス)が12km以上を残してアタックし、マルティネスとクス、カラパスが追従したものの、案の定メイン集団からはポガチャルが序盤区間からアタック一発で抜け出した。



「脚の具合もいいし、僕についてくる選手もほとんど残っていないと分かっていたので序盤でアタックしてみた」と振り返るマイヨジョーヌは、軽々とレムコ・エヴェネプール(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)たちを軽々と千切ってハイペースを刻み続ける。アレンスマンが千切れ、マルティネスとクス、カラパスが互いにマークし合ったことも手伝って、ポガチャルがアタックした時点で3分ちょうどだったタイム差はすぐさま2分半に縮まり、ポガチャルは逃げグループから降りてきたアダム・イェーツ(イギリス)の背後で少し脚を休めてから再びペースアップした。
50万人とも、60万人とも報じられたアルプ・デュエズの大観衆の前で、先頭3人とポガチャルの差は先行グループとの差は2分、1分半、1分とみるみるうちに短縮。発煙筒がたかれ、ビールの匂いが立ち込め、熱狂に包まれてコントロール不能に陥った群集を、モーセの海割りのように切り開きながら高速で駆け上がる選手たち。一人異次元のペースで登るポガチャルは残り3km手前でクスとマルティネスを捉え、残り1.7km地点で逃げ続けていたカラパスをキャッチ。すでに2分半差が着いた後続グループではエヴェネプールがアタックしたものの、行手を観客に阻まれた随行モトに詰まってしまう(エヴェネプールが道を塞がれるのは第14ステージに続いて2度目)。



ポガチャルにカラパスとマルティネスが喰らいつく形でラスト1kmのフラムルージュを通過すると、間髪入れずにマイヨジョーヌが渾身のアタックを披露した。2人との距離が空いたことを確認してもう一段ペースを上げ、最後は余裕を持って両手を広げ、右腕を高々と突き上げる。「ラルプ・デュエズを制するものは総合優勝を果たせない」というジンクスを木っ端微塵に粉砕する王者の走りで今大会5勝目を掴み取った。
「ここで勝てて最高だよ。登りの間はずっと、ものすごい熱気に包まれていた。チーム全員のおかげで成し遂げられた結果だ。今日はチームメイトのために走った。優勝できて本当に嬉しい」と語るポガチャルは、8年前のゲラント・トーマス(イギリス)に続いてマイヨジョーヌでアルプ・デュエズを制した選手に。最高の形でキャリア80日目のマイヨジョーヌに花を添えた。




マルティネスが2位に入り、3位のカラパスは山岳ポイントを12上積みし、合計28ポイントを得たことでパレパントルはおろか、ポガチャルも1ポイント差で抜いて山岳ランキング首位浮上を叶えることに成功。積極果敢な走りによって2日連続&今大会4度目の敢闘賞も獲得したほか、狙っていないという総合成績でも8位に浮上。一方、アルプ・デュエズ序盤で遅れた総合5位フアン・アユソ(スペイン、リドル・トレック)は7位に転落し、トーマス・ピドコック(イギリス、ピナレロQ36.5プロサイクリング)も8位から9位にランクダウンしている。
翌第20ステージもまたアルプ・デュエズにフィニッシュする超過酷な山岳ステージ。超級山岳クロワ・ド・フェール(距離24km/平均5.2%)、1級山岳テレグラフ(距離11.9km/平均7.1%)、超級山岳ガリビエ峠(距離17.7km/平均6.9%)、超級山岳サレンヌ(距離12.8km/平均7.3%)と、これでもかとアルプスの難関山岳を詰め込み、ラストはこの日の残り約4km地点からアルプ・デュエズに入る獲得標高差5,450mのクイーンステージが選手たちを待ち構えている。
ツール・ド・フランス2026第19ステージ結果
| 1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) | 3:17:57 |
| 2位 | レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:06 |
| 3位 | リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト) | +0:09 |
| 4位 | セップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | +1:14 |
| 5位 | トビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | +2:07 |
| 6位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +2:29 |
| 7位 | イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG) | +2:41 |
| 8位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) | +2:45 |
| 9位 | ポール・セクサス(フランス、デカトロンCMA CGM) | |
| 10位 | アロルド・テハダ(コロンビア、XDSアスタナ) | +3:22 |
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
| 1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) | 67:53:00 |
| 2位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +7:11 |
| 3位 | イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG) | +9:41 |
| 4位 | ポール・セクサス(フランス、デカトロンCMA CGM) | +10:06 |
| 5位 | レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス) | +13:00 |
| 6位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) | +13:09 |
| 7位 | フアン・アユソ(スペイン、リドル・トレック) | +15:58 |
| 8位 | リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト) | +21:15 |
| 9位 | トーマス・ピドコック(イギリス、ピナレロQ36.5プロサイクリング) | +21:30 |
| 10位 | ジョルダン・ジェガット(フランス、トタルエネルジー) | +23:21 |
マイヨヴェール(ポイント賞)
| 1位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) | 502pts |
| 2位 | ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・プレミアテック) | 445pts |
| 3位 | ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、NSNサイクリングチーム) | 361pts |
マイヨアポワ(山岳賞)
| 1位 | リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト) | 91pts |
| 2位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) | 90pts |
| 3位 | ヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ) | 84pts |
マイヨブラン(ヤングライダー賞)
| 1位 | イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG) | 68:02:42 |
| 2位 | ポール・セクサス(フランス、デカトロンCMA CGM) | +0:24 |
| 3位 | レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス) | +3:18 |
チーム総合成績
| 1位 | リドル・トレック | 203:46:27 |
| 2位 | UAEチームエミレーツXRG | +19:33 |
| 3位 | レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ | +1:06:53 |
text:So Isobe
photo:CorVos, A.S.O.
photo:CorVos, A.S.O.
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