第22回ツアー・オブ・ブリテンが閉幕。多数のビッグネームが集った5日間レースでティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツXRG)が総合優勝を飾った。



第1ステージ:フィニッシュ直前で飛び出したルイス・アスキー(イギリス、NSNサイクリングチーム)が勝利 (c)Tour of Britain

2004年に初開催され、2020年からUCIプロシリーズに位置づけられる第22回ツアー・オブ・ブリテンが2026年9月2日(水)から 9月6日(日)までの5日間で開催。2019年の世界選手権開催地となったヨークシャーの丘陵地帯が総合争いの鍵を握る総走行距離866.6kmの戦いに、秋のクラシックや世界選手権を見据えるスプリンターやクラシックハンターたちが集結した。

ヴォルタ・ア・ポルトガルのレース中に死去したフィン・ターリング(イギリス、NSNディベロップメントチーム)を悼むセレモニーと共に開幕した大会初日は、丘の上に建つ大聖堂や古城を目指す石畳の急勾配バトルが繰り広げられた。2028年までの契約延長を発表したばかりのマッテオ・トレンティン(イタリア、チューダープロサイクリング)やティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツXRG)が積極的に仕掛けたが、最後はルイス・アスキー(イギリス、NSNサイクリングチーム)が先行していたフロリアン・フェルミールス(ベルギー、UAEチームエミレーツXRG)を抜き去っり、フィリッポ・ガンナ(イタリア、ネットカンパニー・イネオス)を抑えて独走勝利を挙げている。

第2ステージ:ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が集団スプリントを制圧 (c)Tour of Britain

第3ステージ:オラフ・コーイ(オランダ、デカトロン・CMA CGM)が登坂スプリントでメルリールを下した (c)Tour of Britain

アスキーがグリーンの総合リーダージャージを着て幕開けた第2ステージは単純な平坦ステージになるかと思いきや、フィニッシュまで60km以上を残した強風区間でスーダル・クイックステップ勢が横風分断を決行した。総合2位のガンナはメカトラから自力でポジションを挽回していったものの、精鋭揃いの先頭集団に追いつくことはできずゴールスプリントがスタート。ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が頭ひとつ抜けた加速力を見せつけてステージ。続く第3ステージも登り坂の集団スプリントに持ち込まれ、この日は好調オラフ・コーイ(オランダ、デカトロン・CMA CGM)がメルリールとの直接対決を制してみせた。

アスキーがウェレンスに対して12秒で迎えた最難関の第4ステージはまさにアタックの連続だった。ヨークシャーの丘で総合逆転を狙うUAE勢が徹底的な攻撃を行い、ウェレンスはアスキーを置き去りにしてケース・ボル(オランダ、デカトロン・CMA CGM)と共に抜け出すことに成功。アスキーはアシスト陣やネットカンパニー勢と必死に追走を試みたものの、ウェレンスとの差を追いきれずに勝負あり。ボルがステージ優勝を、ウェレンスが総合リーダーを分け合う形で最終日へ向かうこととなる。

第4ステージ:ウェレンスと逃げたケース・ボル(オランダ、デカトロン・CMA CGM)が勝利 (c)Tour of Britain

第5ステージ:ニルス・ポリッツ(ドイツ、UAEチームエミレーツXRG)が独走勝利 (c)Tour of Britain

前日に続く難関の最終ステージは今年限りで引退するベン・スウィフト(イギリス、ネットカンパニー・イネオス)を祝うセレモニーでスタート。雨と横風の中、丘陵区間で総合上位につけるUAEとネットカンパニー、そしてNSNが総力を挙げて主導権争いを繰り広げた結果、メイングループはたった8名だけ(うちUAEが5名)に絞られる状況に。ウェレンスの総合優勝がほぼ確定したことでUAEはステージ優勝狙いの反復攻撃を繰り返し、最終的に独走に持ち込んだニルス・ポリッツ(ドイツ、UAEチームエミレーツXRG)が独走勝利。タデイ・ポガチャルのアシストとして10年連続ツール・ド・フランス出場を続けるポリッツにとって、ロードレースでの優勝は2022年以来4年と2ヶ月ぶりのことだった。

ステージ8位でフィニッシュしたウェレンスは、アスキーとのタイム差を42秒に広げて総合優勝を達成。「私だけでなく、チーム全体にとっても素晴らしい1週間だったよ。総合優勝を目指してここに来て、今日はステージ優勝も果たせた。特に今日はアタックを成功させたミッケル(ビョーグ)の走りが凄まじかったよ。まさに完璧なチームワークだった」と、絶対エースであるポガチャルの早期シーズン終了に泣くチームに大きな勝利をもたらした。

個人総合成績表彰台:ティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツXRG)が総合優勝達成 (c)Tour of Britain
ツアー・オブ・ブリテン2026勝者一覧
第1ステージ勝者 ルイス・アスキー(イギリス、NSNサイクリングチーム)
第2ステージ勝者 ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
第3ステージ勝者 オラフ・コーイ(オランダ、デカトロン・CMA CGM)
第4ステージ勝者 ケース・ボル(オランダ、デカトロン・CMA CGM)
第5ステージ勝者 ニルス・ポリッツ(ドイツ、UAEチームエミレーツXRG)
個人総合成績
1位 ティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツXRG) 19:35:32
2位 ルイス・アスキー(イギリス、NSNサイクリングチーム) +0:42
3位 ヤスペル・ストゥイヴェン(ベルギー、スーダル・クイックステップ) +1:03
text:So Isobe

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