9月8日に催されたアジア大会に向けた記者会見でのトラック代表11選手のコメントを紹介する。佐藤水菜、長迫吉拓、太田海也、窪木一茂、松田祥位、兒島直樹、梅澤幹太、梶原悠未、内野艶和、垣田真穂、池田端紀らに意気込みや目標を語ってもらった。


佐藤水菜「自国開催のメリットはあるが、スイッチを切り替えないといけない」

佐藤水菜 photo:Satoru Kato

まだ出る種目が分からないのでちょっとフワっとした気持ちもあるけれど、前回のアジア大会では中国にやられて、自分もケイリンとスプリントで負けているので、今度は勝ちたいです。今年は膝を痛めて悪化しているけれど、それに反して成果が出ている状況です。このままいくと一番大事な時に壊してしまいかねないので、うまく付き合っていかなければいけないな、と頭の片隅にあります。

ベロド(伊豆ベロドローム)は得意ではなく、うまく走れないので地の利は少ないかもしれません。でもいつもの食事が出来る点は自国開催のメリットですね。逆にいつも練習で走っている場所でもあるので、スイッチを切り替えないと気が抜けてしまいそうで難しい気もします。

前回のアジア大会の時は「五輪の模擬レースだ」とジェイソン(・ニブレット、短距離ヘッドコーチ)に聞かされていたけれど、実際五輪を経験してみると別物だと感じました。今回は自国開催で、日本の観客の皆さんが世界の戦いを見られる機会はなかなか無いので、楽しんでもらって自転車が広まってくれたらと思います。

長迫吉拓「3大会連続金メダルを目指したい」

長迫吉拓 photo:Satoru Kato

アジア大会は3度目の出場になるが、自国開催はなかなか無いことだし、出場できることがとても嬉しく思っています。最初はジャカルタ大会にBMXで出場して金メダルを獲ることが出来て、前回中国はトラックに転向して金メダルを獲れて、今回も獲って3大会連続金メダルを目指します。自分達がいつも練習している環境で大会があるのでアドバンテージがあると思います。タイム種目でもあるのでそれほど利点は大きくはないのかもしれませんが、それでも安心して走れる点は大きいと思うので、しっかりタイムを狙っていきたいと思います。

パリ五輪後にナショナルチームの構成が変わって、今回は新たに中石湊選手と髙橋奏多選手が入って一緒に走ることになりますが、彼らは五輪のような形式の大会を経験していないので、次のロサンゼルス五輪に向けて同じジャージを着るとか選手村とか、違うところもあるけれどその過程を感じて欲しいし、緊張感はアジア選手権以上になると思うので、チームとして経験を積んで行ければロサンゼルス五輪に向けての良い通過点になるのではと思っています。

チームスプリントでは1走で走るので、その後の世界選手権も見据えて自己ベストを狙えそうなところで走れればと思っています。

太田海也「新チームで走るチームスプリントでどこまで記録を伸ばせるか」

太田海也 photo:Satoru Kato

アジア選手権で獲れなかったチームスプリントで優勝して、アジア最高の大会でアジア最強ということを見せる良い機会だと思っています。

直後の世界選手権も見据えて、200mフライングタイムトライアルを重点的に強化してきました。五輪までは常にアクセル全開でやってきて、その中で気づけなかったものがあって、自分の足りて無いところがやっと見えてきた気がしています。時間があるからこそ周りを見て余裕をもって出来ていることも多く、自分の身体が良くなるからこそレースが楽しくなると感じています。

自分が出る種目は全部金メダルを獲りたいです。中国が強いけれど、日本チームが圧倒して勝てれば自信につながるし、慣れた伊豆のバンクでどのくらいのタイムが出るのか、自分たちも楽しみです。チームスプリントは新チームで戦うのでどこまで記録を伸ばせるのか、それによって五輪までのビジョンが一気に見えると思っています。

窪木一茂「託されたらこなすのではなく、それ以上で還元しないといけない」

窪木一茂 photo:Satoru Kato

日本開催でおもてなしの心はあるけれど、金メダルまでおもてなしする気はありません。手ぶらで帰るわけにはいかないので、いつも練習している場所で記録を塗り替え、力を見せつけてアジアで一番になることがロサンゼルス五輪に向けて良い滑り出しになると思っています。

今回チームパーシュートは2走ですが、まだ託された仕事を120%で返せていません。これまでコーチが100の注文をしてきたら120で返してきましたが、託されてこなせば良いのではなく、それ以上で還元していかないと日本を五輪に連れて行くことは出来ないと思うし、それを自分に課しています。昨年の世界選手権でも結果をだして自信は年々ついてきて、いつでも準備は出来ていると思っています。団体やペアは僕1人が強くてもダメなので、自分は出来ていると思って今年は過ごしてきました。

(コーチから若手選手の牽引役を期待されてることについて)僕も教えられることがいっぱいあると年々感じていて、教えたいと思うことはあるけれど、僕もまだ強いのでロサンゼルス五輪に向けてはまず自分のことに集中することが優先と思っています。教えるだけでなく学ぶ側の姿勢も必要で、本人のセンスもあるし取捨選択がうまく出来れば強くなれると思います。

松田祥位「日本記録を出せば金メダルを取れる」

松田祥位 photo:Satoru Kato

今年春に競輪養成所を卒業して、コーチと相談しながらナショナルチームと競輪でうまく両立させていて、今は競輪を多めに入れてもらっています。今回もチームパーシュートは1走で走りますが、競輪で身につけたパワーとスピードを活かしていければと思っています。日本記録を常に目指しているので、それを出せれば金メダルは穫れると思います。中国は強いし、アジアのレベルは少しずつ上がってきているので、3分50秒を切るところがまず最初の目標となると考えています。

コーチからはまだターゲットタイムは出されていないが、1〜2週間前に提示されて自分たちの力と相談して決めて最終調整していくことになると思います。その先の五輪に向けては、なるようになるしかない。というか、僕らは常に全力を出して走るので、その点においては心配はないと思ってます。自国開催でメディアの目も集まるし、そこで金メダルを穫ることは需要なことだし、慣れたバンクでもあるので、やるからには勝ちたいですね。

兒島直樹「世界を目指す上でアジアのトップで居続けねばならない」

兒島直樹 photo:Satoru Kato

日本開催なのでいろんな方に観てもらえる重要な大会だと思っているので、ここで自分のパフォーマンスを出せるようにしたいです。アジア大会に熱を入れている国もいくつかあるので、アジア選手権に比べて少しはレベルが高くなると思うし、アジアのレベル自体も上がってきているので勝つのは難しくなってきています。世界を目指す上でアジアのトップで居続けなければいけないと思っているので、しっかり勝てるようにしたいです。

日本記録を出さないと勝てないくらいのレベルになってきているので、しっかりタイムを出してやれることをやっていけば結果がついてくると思います。若手の梅澤幹太君が入ってきてくれたので僕たちのチームの中で起爆剤になってくれると思っているので、楽しみです。

競輪と両立しているがメインは競技(ナショナルチーム)なので、競技の練習がベースになっています。でも養成所で培ったものはしっかり活きているし、競輪養成所卒業後はどんどんパフォーマンスが上がってきていることを実感しているので、自分の走りをしっかりと出したいし、数値的にも表れてくるので、そこに拘って走りたいですね。

アジア大会は五輪に向けての第一歩。ここでしっかり結果を残せないと五輪への道は開けてこないと思っています。

梅澤幹太「初のアジア大会でさらにレベルアップした走りを」

梅澤幹太 photo:Satoru Kato

前回の日本チームはメダルをたくさん獲ってきているので、初出場のプレッシャーがあります。ワールドカップやアジア選手権でチームパーシュートを走って、自分の立ち位置や走り方がわかってきたので、アジア大会ではさらにレベルアップした走りが出来ればと思っています。オムニアムにも出場するので両方でメダルを獲りたいです。

インカレのオムニアムでは2位になってしまったけれど、逆に気合いが入ったと言うか、アジア大会ではそういうヘマはしないようにしなければと思うし、前回アジア大会ではオムニアムで金メダルを獲っていたので、僕も金メダルを取れるように頑張りたい。僕は最後のポイントレースでポイントを多く取って逆転するような走りを今までしてきましたが、それが出来なくても優勝できるようにしたいと思っています。

アジア大会後の世界選手権からロス五輪の出場枠争いが始まるので、ここで金メダルを穫ることで勢いづけたいですね。

梶原悠未「勇気や希望を届けられるように力を出し切りたい」

梶原悠未 提供:J C F

チームパーシュートとオムニアムに出場して金メダルを穫ることを目指します。アジア大会は3回目ですが、レース前は緊張するし、日本チームとして同じユニフォームを着て走ることは五輪に近い感覚があります。自国開催の大会に出場出来ることは嬉しいし、静岡での開催なのでたくさんの方が応援に来てくれると思うので、アジア選手権とは違った緊張感のなかで戦うことになると思っています。慣れ親しんだ気候と食事と場所で戦うことが出来て、みなさんに勇気や希望を届けられるように自分の力を出し切ってレースをしたいです。

昨年に続いてベルギーを拠点にオランダのチームでロードレースに出場して、修行という言葉がふさわしい経験を積んできました。シーズン中のヨーロッパは各地でレースがあって、ヨーロッパだけでなくアジアやオセアニアなど世界中から毎回選手が集まって150人くらいで走るので、戦術や技術の面で勉強することが多かったです。

これまで毎年骨折していたので今年は絶対怪我をしないと誓って気をつけて走ってきました。ベルギーで落車したけれど骨折せずに済み、しっかり回復してレースに挑めていると思います。アジア大会後はロサンゼルス五輪ランキングが始まる世界選手権が控えているので、アジア大会でしっかりピークを持っていって、その後に繋げていけるようにしたいです。

内野艶和「アジアのレベルが高くなった中でどう走って勝つかも重要」

内野艶和 photo:Satoru Kato

アジア大会は前回同様にチームパーシュートとマディソンに出場するので、2連覇を目指します。パリ五輪以降チームパーシュートのメンバーが変わってきて、アジア選手権では岡本美咲選手や水谷彩奈選手を加えて走りましたが、若手選手のレベルが上がってきているし、同じ4人で続けて1人欠けるようなことは良くないと思うので、少しずつ混じってきてもらって、いつでも誰でも走れるような状況にしていかなければいけないと思ってます。

アジアのレベルが上がってきていて、今までは日本がメダルを総取り出来たこともあったけれど、中国やマレーシア、カザフスタンなどが個人種目で強くなってきていたりするので、気を緩めたら終わるなと感じています。レベルが高くなった中でどのように走って勝つかという内容も重要になってくるので、自分に自信を持てるようにしてロサンゼルス五輪に向けて良い流れを作るためには勝つしかないと思っています。チームパーシュートでは日本新記録を更新すること、マディソンでは失敗の有無で勝敗が分かれるのでミスを無くすよう大会までに修正・調整していきます。

自分は器用ではないのでメダルを穫ることで目標にしてもらえるようになれれば良いなと思っています。競技人口がまだ少ないのでもっと増えて欲しいし、チームの中でも切磋琢磨して追いかけてもらえるような存在になりたい。時には自分が追いかけることもあるような関係性を築いていければと思っています。

垣田真穂「マディソンで内野選手との最強ペアを見せたい」

垣田真穂 photo:Satoru Kato

前回のアジア大会は中国開催で、中国の応援がすごくて、もしこれが日本開催だったらすごく力をもらえるだろうなと感じていたので、楽しみです。日本で開催されるアジア大会でしっかり成績を出して、多くの人に自転車競技を知ってもらうきっかけになればいいなと思っています。普段走っている場所でもあるので、時差もなくコンディションを合わせていけるので、しっかり力を合わせて頑張りたい。家族や友達が応援に来てくれるので、大きな国際大会で自分の走っているところを生で見てもらえるのはこれが初めてなので、より頑張ろうと思います。

中距離は今年のアジア選手権でも中国が強くなって来ていることを実感しているので、今回も中国がどこまで強くなっているのか、それに対して自分達がどこまで走れるか楽しみです。本番まであと2週間ほどあるので、コンディションを整えてチームパーシュートの最終調整をしていきたいです。マディソンは内野選手との最強のペアを見せられるようにして、観客の心を動かすような積極的な走りをしたいです。

池田瑞紀「1走でみんなにストレスなくスタートしてもらえるかを意識して」

池田瑞紀 photo:Satoru Kato

アジア大会は4年に1度の開催で、日本開催でより多くの人達に自転車競技を知ってもらう機会になればと思っています。友人や家族も見て応援してくれるので、自国開催は意気込みが違うし、いつもは水や食事に気を遣わねばならない国や地域での大会もあるので、それを気にせず出来ることの安心感はあります。

中国がチームパーシュートで良い記録を出しているので、日本記録を出すレベルでないと勝てないと思うし、自分達の記録を大きく更新するようでないとだめだと思います。中国はワールドカップでメダル取れると思うほどレベルが上がっているし、それに勝てるようでないとこの先ロサンゼルス五輪にも繋がらないでしょう。ロサンゼルス五輪に向けてこのアジア大会で自分達が得られるものはかなりあると思うし、どのようなタイムと結果を出せるのかはすごく気になっています。

チームパーシュートはこれまでと走順を変えて今までで一番良い形にはなったと思っていますが、それでどのように走ることが出来るのかが一番重要になると思います。前回は2走で今回は1走なので役割が違い、他の3人が後半にペースを上げられるかに繋がってくるので、いかにみんなにストレスなくスタートしてもらえるかを意識して、しっかり頑張りたいです。


text:Satoru Kato
photo:JCF、Satoru Kato
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