今大会3勝目を飾ったマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)は「ヴァチェクのおかげだ」と仲間への感謝を述べた。2位のザンバニーニや3位のピドコックなど、ジロ第5ステージを終えた選手たちのコメントを紹介します。



ステージ優勝&マリアローザ マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)

マリアローザ纏うマッズ・ピーダスン photo:RCS Sport

フィニッシュした瞬間は自分が勝った確信がなかった。ラスト20kmは信じられないほど辛く、急勾配区間に入ってからはずっと苦しみ続け、本当にタフなレースとなった。集団から少し遅れて頂上を越えたのだが、まだ勝利を争う集団にいることは分かっていた。そこからヴァチェクの所に戻るために相当な力を使ったが、幸運にも最後のスプリントを争う力は十分残っていた。

なんて素晴らしいジロなんだろう。また僕にはなんて素晴らしいチームがいるのだろうか。ここまでチームとして見せている走りは素晴らしく、マリアローザを着て勝つなんて最高だ。このジャージを着用するだけで特別なことなのに。

ハンドル投げの僅差でザンバニーニを退けたマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) photo:CorVos

ジロ1週目はここまで最高の走りができており、喜びと誇りに思っている。夢にも思わなかった成果だ。でもチームメイトがいなければこれも不可能だっただろう。特にヴァチェクはその強さを発揮し、称賛されるにふさわしい走りを見せた。彼らに感謝したい。

(ラストの登りで)プリモシュ(ログリッチ)が先頭に出た瞬間「あぁ、もう終わりだ」と思った。なぜならその時僕は集団の後ろへと遅れていっていたから。だが集団の先頭にヴァチェクがいてくれ、無線では(チームカーから)僕が戻れるようペースを落とすよう指示が出た。そして集団前方に戻ることができた。ラスト800mでヴァチェクの背後に戻ることができ、チームカーからの指示も含め、素晴らしいパフォーマンスとなった。皆に最大の感謝の意を伝えたい。

5戦3勝と驚異的なペースで勝利を重ねるマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) photo:RCS Sport

明日は今日よりも一般的なスプリントになるだろう。当然今日よりも勝つのが難しくなるが、チームとして全力を尽くす。前回ナポリでのレース(勝利した2023年ジロ第6ステージ)は良い結果だったので、それを繰り返したいが、いまはこの勝利を喜びたい。

ステージ2位 エドアルド・ザンバニーニ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)

レースを通して調子が良かった。チームとして励んだ合宿の成果が、徐々に現れ始めている。チームとしての目標は総合タイムを失わないことで、僕自身はそれを達成するために尽力した。ラスト数kmは集団の後方にいたが、力を尽くして踏み込んだ。あとフィニッシュラインが5〜10m遠ければ勝てたかもしれない。本当に僅差だったが、この結果には満足しているよ。

ステージ3位 トーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング)

プロトンでファンアールトと言葉を交わすトーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング) photo:CorVos

厳しい展開となり、ピーダスンの背後についてペースアップを見守った。(先に仕掛け)すぐに彼を抜くべきだっただろうが、フィニッシュラインまで距離があったので(我慢して)彼の横に回った。このステージは僕に適していたので、3位は悪い結果じゃない。

マリアビアンカ(ヤングライダー賞ジャージ)マティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック)

登り区間でピーダスンのペースを作るマティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック) photo:RCS Sport

ラストのレイアウトは僕らが想定していたよりも厳しいものだった。残り20kmの時点でUAEがハイペースに持ち込み、皆にとって厳しいレースとなった。最後の登りではマッズに「行け(集団を牽引しろ)」と言われたので、彼の調子が良いのだと思っていた。だから全力で引きすぎないよう、少しペースをコントロールしながら牽引した。

フィニッシュ後にマッズと話したらあの「行け」は、「アタックしろ」という意味だということが分かった。登りの頂上でマッズが遅れていると無線で聞いたので彼を待ち、ラスト1kmを過ぎてから彼が先頭に戻ってきた。だからいつものリードアウトをしたんだ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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