「グランツールの後半戦は逃げ切りの可能性が高まる」とは、勝利したカスパー・アスグリーン(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)の言葉。結果的に総合リード拡大させたデルトロや、落車後もハイペースを刻んだファンアールトなど、選手たちのコメントでジロ14日目を振り返ります。
ステージ優勝 カスパー・アスグリーン(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)

残り6.1km地点でアタックしたカスパー・アスグリーン(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト) photo:RCS Sport
逃げに適したステージではなかったものの、グランツールの後半戦は小さな集団でも逃げ切れる可能性が高まる。スロベニアに入ってからのコースはテクニカルだったので、雨が味方してくれた。人数の多い集団が、僕らよりも速いスピードでコーナーを駆け抜けられるわけはないのだからね。
チームとしての目標はリチャル(カラパス)での総合争いだが、チームは僕に逃げに乗る許可をくれた。だから全力で勝つチャンスを掴みに行った。上手くいって本当に嬉しいし、この勝利を誇りに思う。

逃げ切り勝利を決めたカスパー・アスグリーン(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト) photo:CorVos
最初の140kmが平坦のステージで、逃げる側にできることはあまりない。でも中間スプリントでは、プロトンで逃げ合流を目指す動きが起こっていた。だからプロトンもそこまで僕らとのタイム差を縮めないだろうと思った。だから最初の4級山岳からは可能な限り踏み続けた。周回コースに入ってからは、力を尽くすのみで作戦なんかはなかった。最後の4級山岳の下りでリスクを取り、他2名を引き離した。それが幸運にも上手くいっただけだ。
このチームは僕を信頼し、獲得してくれた。昨年は厳しいシーズンとなり、今年は春に体調不良にも陥った。チームはすぐに戻ってこれるよう良いスケジュールを組んでくれたんだ。だからこの勝利で、チームに報いることができて嬉しいんだ。
ステージ2位 カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)

2位スプリントはカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)が先着 photo:CorVos
ピーダスンも巻き込む酷い落車だった。それが集団を分裂させ、ヴィスマがサイモン・イェーツとコーイのために(第1追走集団を)先導した。僕はおそらく25名程度の集団に入り、そこからは滑りやすいコーナーに苦戦した。僕らのチームも逃げを追うのに尽力したのだが、単純にアスグリーンが強すぎた。
ステージ3位 オラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)
路面が滑りやすかったため、目まぐるしい展開となった。フィニッシュ手前のテクニカルな区間がプロトンに緊張感をもたらすことは分かっていた。落車が発生した後、僕ら4名が追走集団に残った。アスグリーンとの差を詰めるべく力を尽くしたが、残念ながら届かなかった。
ステージ15位&マリアローザ イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG)

結果的に総合リードを拡大させたイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG) photo:RCS Sport
最後の周回コースが危険だとは、チームカーから教えてもらい初めて知った。集団前方で落車が発生したコーナーはとても滑りやすかった。その時僕は集団の前方にいて、ブレーキが間に合ったのだが後ろから追突された。すぐに集団に復帰することができたのだが、(アユソなどが遅れてしまう)理想的な状況ではなかった。
今後はこの先、最終日に向けてどう展開していくかは分からない。これからチームと話し合い、またチームメイトの様子も把握したい。
逃げの追走に尽力したワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)
雨で濡れた路面がコースをよりトリッキーにした。近年のレースでは総合を狙うチームの選手たちが落車に巻き込まれることが多く、それは彼らがよりリスクを冒しているから。今日の落車も同じ理由だったのだろう。
(落車後に集団の牽引をしたのは)オラフ(コーイ)でのステージ優勝を狙っていたから。僕らは(総合リードを拡げるのではなく)逃げを捉えてスプリント勝負に持ち込みたかった。結果的に逃げた選手たちが賢くペースを上げ、最後まで捉えることができなかった。落車があっても踏み続けたのは事実だが、それはステージ優勝を狙っていたからだ。
マリアチクラミーノ(ポイント賞)マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)

落車により右大腿四頭筋を痛めたジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) photo:CorVos
落車によってチッコーネが総合タイムを失い(後にリタイアを発表)、また僕自身もステージ優勝を争うことができなかった。自転車競技は常に良いことと悪いことの繰り返しで、これは確実に悪いことに当たる出来事だ。僕自身は膝を痛め、その具合はまだよくわからない。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, RCS Sport
ステージ優勝 カスパー・アスグリーン(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)

逃げに適したステージではなかったものの、グランツールの後半戦は小さな集団でも逃げ切れる可能性が高まる。スロベニアに入ってからのコースはテクニカルだったので、雨が味方してくれた。人数の多い集団が、僕らよりも速いスピードでコーナーを駆け抜けられるわけはないのだからね。
チームとしての目標はリチャル(カラパス)での総合争いだが、チームは僕に逃げに乗る許可をくれた。だから全力で勝つチャンスを掴みに行った。上手くいって本当に嬉しいし、この勝利を誇りに思う。

最初の140kmが平坦のステージで、逃げる側にできることはあまりない。でも中間スプリントでは、プロトンで逃げ合流を目指す動きが起こっていた。だからプロトンもそこまで僕らとのタイム差を縮めないだろうと思った。だから最初の4級山岳からは可能な限り踏み続けた。周回コースに入ってからは、力を尽くすのみで作戦なんかはなかった。最後の4級山岳の下りでリスクを取り、他2名を引き離した。それが幸運にも上手くいっただけだ。
このチームは僕を信頼し、獲得してくれた。昨年は厳しいシーズンとなり、今年は春に体調不良にも陥った。チームはすぐに戻ってこれるよう良いスケジュールを組んでくれたんだ。だからこの勝利で、チームに報いることができて嬉しいんだ。
ステージ2位 カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)

ピーダスンも巻き込む酷い落車だった。それが集団を分裂させ、ヴィスマがサイモン・イェーツとコーイのために(第1追走集団を)先導した。僕はおそらく25名程度の集団に入り、そこからは滑りやすいコーナーに苦戦した。僕らのチームも逃げを追うのに尽力したのだが、単純にアスグリーンが強すぎた。
ステージ3位 オラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)
路面が滑りやすかったため、目まぐるしい展開となった。フィニッシュ手前のテクニカルな区間がプロトンに緊張感をもたらすことは分かっていた。落車が発生した後、僕ら4名が追走集団に残った。アスグリーンとの差を詰めるべく力を尽くしたが、残念ながら届かなかった。
ステージ15位&マリアローザ イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG)

最後の周回コースが危険だとは、チームカーから教えてもらい初めて知った。集団前方で落車が発生したコーナーはとても滑りやすかった。その時僕は集団の前方にいて、ブレーキが間に合ったのだが後ろから追突された。すぐに集団に復帰することができたのだが、(アユソなどが遅れてしまう)理想的な状況ではなかった。
今後はこの先、最終日に向けてどう展開していくかは分からない。これからチームと話し合い、またチームメイトの様子も把握したい。
逃げの追走に尽力したワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)
雨で濡れた路面がコースをよりトリッキーにした。近年のレースでは総合を狙うチームの選手たちが落車に巻き込まれることが多く、それは彼らがよりリスクを冒しているから。今日の落車も同じ理由だったのだろう。
(落車後に集団の牽引をしたのは)オラフ(コーイ)でのステージ優勝を狙っていたから。僕らは(総合リードを拡げるのではなく)逃げを捉えてスプリント勝負に持ち込みたかった。結果的に逃げた選手たちが賢くペースを上げ、最後まで捉えることができなかった。落車があっても踏み続けたのは事実だが、それはステージ優勝を狙っていたからだ。
マリアチクラミーノ(ポイント賞)マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)

落車によってチッコーネが総合タイムを失い(後にリタイアを発表)、また僕自身もステージ優勝を争うことができなかった。自転車競技は常に良いことと悪いことの繰り返しで、これは確実に悪いことに当たる出来事だ。僕自身は膝を痛め、その具合はまだよくわからない。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, RCS Sport
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