TT世界王者であるレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が、クリテリウム・デュ・ドーフィネ第4ステージの17.4km個人タイムトライアルで勝利。チームに通算1000勝目をもたらし、総合首位に立った。

ステージ9位:トビアス・フォス(ノルウェー、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
大会初日から勃発した総合優勝を巡る戦いは、4日目にして本格的にスタートする。クリテリウム・デュ・ドーフィネ(UCIワールドツアー)第4ステージは17.4kmコースで行われる個人タイムトライアル。優勝候補の筆頭であるレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が「最終ストレート手前の2つのコーナーを除き、全くテクニカルではない」というように、コースはTTスペシャリストたちがその実力を存分に発揮できる大半が直線路のシンプルなレイアウトだ。
前日の総合最下位からスタートし、前半組で好タイムを出したのはトビアス・フォス(ノルウェー、イネオス・グレナディアーズ)。2022年のTT世界王者は「試走の時、眼の前に壁が現れた」と語る中盤の登り区間に苦戦しながらも、22分フラットでフィニッシュ。これがその後スタートした選手たちの目標タイムとなった。
過去2度、母国フランスのTT王者に輝いているレミ・カヴァニャ(グルパマFDJ)はフォスを3秒上回るが、強豪揃いの大会のため「(このタイムでは)トップ5は難しく、トップ10に入ることができれば満足だ」とコメント。その言葉通りカヴァニャは結果的にステージ7位。そしてこれがフランス人最高位となった。

ステージ3位:マッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos
この時点で暫定トップだったカヴァニャのタイムを約30秒更新したのは、ヴィスマ・リースアバイクのセカンドエースであるマッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ)だった。10.5km地点に設定された中間計測地点で、カヴァニャを13秒上回ったジョーゲンソンは21分28秒でフィニッシュ。平均スピードも48km/h台に乗せ、今年3月のパリ〜ニースで2年連続の総合優勝に輝いた勢いをドーフィネに繋げた。
最終的にジョーゲンソンのタイムを上回ることができたのは2名だけだった。総合上位勢の中で最初にスタートした総合13位のエヴェネプールは、選手たちが苦戦した急勾配の登りを軽々とクリア。ジョーゲンソンよりも30秒早い中間計時を叩き出すと、後半もそのスピードを一切落とすことなくフィニッシュ。平均時速50km/hに達する20分50秒という圧巻のタイムをマークした。

ステージ1位:レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

ステージ2位:ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos
この驚異的なタイムは、後からスタートしたライバルたちにとってあまりに高い壁となった。ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)は20秒及ばずステージ2位、タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)は48秒遅れのステージ4位に終わる。TTを専門としないマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)は1分1秒遅れの区間6位と健闘するなか、前日勝者で総合首位のイバン・ロメオ(スペイン、モビスター)は区間15位でレースを終えた。

ステージ4位:タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

ステージ6位:マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos
この結果、TT世界王者にふさわしい圧巻の走りを披露したエヴェネプールがステージ優勝に輝く。同時に総合でも首位に立ち、黄色のリーダージャージに袖を通した。
「登りや平坦、下りでも感覚は良かった。(山岳決戦の待つ)週末や(ツールが開催される)来月に向けて良い一歩となった。山岳ステージでは他のチームからプレッシャーを受けるだろうが、この勝利が自信を与えてくれた」と語ったエヴェネプールは、チーム通算1000勝という節目について「この1000勝は、『ウルフパック』の精神で互いに支え合う、チームという集合体の物語だ」と喜びを付け加えた。

ステージ優勝に加え、総合首位浮上を果たしたレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos
総合2位には区間5位だったフロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が上がり、ヴィンゲゴーは総合5位、精彩を欠いたポガチャルは総合8位に入っている。

大会初日から勃発した総合優勝を巡る戦いは、4日目にして本格的にスタートする。クリテリウム・デュ・ドーフィネ(UCIワールドツアー)第4ステージは17.4kmコースで行われる個人タイムトライアル。優勝候補の筆頭であるレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が「最終ストレート手前の2つのコーナーを除き、全くテクニカルではない」というように、コースはTTスペシャリストたちがその実力を存分に発揮できる大半が直線路のシンプルなレイアウトだ。
前日の総合最下位からスタートし、前半組で好タイムを出したのはトビアス・フォス(ノルウェー、イネオス・グレナディアーズ)。2022年のTT世界王者は「試走の時、眼の前に壁が現れた」と語る中盤の登り区間に苦戦しながらも、22分フラットでフィニッシュ。これがその後スタートした選手たちの目標タイムとなった。
過去2度、母国フランスのTT王者に輝いているレミ・カヴァニャ(グルパマFDJ)はフォスを3秒上回るが、強豪揃いの大会のため「(このタイムでは)トップ5は難しく、トップ10に入ることができれば満足だ」とコメント。その言葉通りカヴァニャは結果的にステージ7位。そしてこれがフランス人最高位となった。

この時点で暫定トップだったカヴァニャのタイムを約30秒更新したのは、ヴィスマ・リースアバイクのセカンドエースであるマッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ)だった。10.5km地点に設定された中間計測地点で、カヴァニャを13秒上回ったジョーゲンソンは21分28秒でフィニッシュ。平均スピードも48km/h台に乗せ、今年3月のパリ〜ニースで2年連続の総合優勝に輝いた勢いをドーフィネに繋げた。
最終的にジョーゲンソンのタイムを上回ることができたのは2名だけだった。総合上位勢の中で最初にスタートした総合13位のエヴェネプールは、選手たちが苦戦した急勾配の登りを軽々とクリア。ジョーゲンソンよりも30秒早い中間計時を叩き出すと、後半もそのスピードを一切落とすことなくフィニッシュ。平均時速50km/hに達する20分50秒という圧巻のタイムをマークした。


この驚異的なタイムは、後からスタートしたライバルたちにとってあまりに高い壁となった。ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)は20秒及ばずステージ2位、タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)は48秒遅れのステージ4位に終わる。TTを専門としないマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)は1分1秒遅れの区間6位と健闘するなか、前日勝者で総合首位のイバン・ロメオ(スペイン、モビスター)は区間15位でレースを終えた。


この結果、TT世界王者にふさわしい圧巻の走りを披露したエヴェネプールがステージ優勝に輝く。同時に総合でも首位に立ち、黄色のリーダージャージに袖を通した。
「登りや平坦、下りでも感覚は良かった。(山岳決戦の待つ)週末や(ツールが開催される)来月に向けて良い一歩となった。山岳ステージでは他のチームからプレッシャーを受けるだろうが、この勝利が自信を与えてくれた」と語ったエヴェネプールは、チーム通算1000勝という節目について「この1000勝は、『ウルフパック』の精神で互いに支え合う、チームという集合体の物語だ」と喜びを付け加えた。

総合2位には区間5位だったフロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が上がり、ヴィンゲゴーは総合5位、精彩を欠いたポガチャルは総合8位に入っている。
クリテリウム・デュ・ドーフィネ2025第4ステージ結果
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 20:50 |
2位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:20 |
3位 | マッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:37 |
4位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) | +0:48 |
5位 | フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:56 |
6位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | +1:01 |
7位 | レミ・カヴァニャ(フランス、グルパマFDJ) | +1:06 |
8位 | エディ・ダンバー(アイルランド、ジェイコ・アルウラー) | +1:09 |
9位 | トビアス・フォス(ノルウェー、イネオス・グレナディアーズ) | |
10位 | ポール・セクサス(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール) | +1:11 |
個人総合成績
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 14:31:08 |
2位 | フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:04 |
3位 | イバン・ロメオ(スペイン、モビスター) | +0:09 |
4位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | +0:14 |
5位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:16 |
6位 | エディ・ダンバー(アイルランド、ジェイコ・アルウラー) | +0:30 |
7位 | アロルド・テハダ(コロンビア、XDSアスタナ) | |
8位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) | +0:38 |
9位 | マッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:39 |
10位 | ルイ・バレ(フランス、アンテルマルシェ・ワンティ) | +1:03 |
その他の特別賞
ポイント賞 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) |
山岳賞 | ポール・ウルスラン(フランス、コフィディス) |
ヤングライダー賞 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) |
チーム総合成績 | ヴィスマ・リースアバイク |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, A.S.O.
photo:CorVos, A.S.O.
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