元世界女王バルサモが貫禄のスプリント勝利　フォークナーは逃げ実らず

パリ五輪金メダリストでアメリカ王者であるクリステン・フォークナー（EFオートリー・キャノンデール）が単独で逃げたツール・ド・スイス・ウィメン第3ステージ。集団スプリントをエリーザ・バルサモ（イタリア、リドル・トレック）が勝利した。

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最終日を翌日に控えた6月14日、ツール・ド・スイス・ウィメンの第3ステージが行われた。123.1kmコースは序盤の3級山岳と後半に2級山岳が登場するのみ。ラスト約40kmは下りと平坦路のため、集団スプリントが大方の予想となった。

この日は5月のアメリカ選手権で連覇を決め、星条旗の王者ジャージを纏うクリステン・フォークナー（EFオートリー・キャノンデール）が単独逃げ。昨年8月のパリ五輪の金メダリストでもあるフォークナーは、リドル・トレックの牽引するメイン集団に対し1分20秒で逃げ続ける。リドルの狙いはもちろん、エーススプリンターであるエリーザ・バルサモ（イタリア）でのスプリント勝利だ。

淡々とフィニッシュを目指したフォークナーだったが、リドルの牽引にSDワークス・プロタイムが加わったプロトンは2分差以上を許さない。そのままフォークナーはボーナスタイムが与えられるテッソ・スプリントを先頭で通過。プロトンでは2秒が与えられる2位争いで、総合2位デミ・フォレリング（オランダ、FDJスエズ）が首位のマーレン・ロイサー（スイス、モビスター）を退けた。

続くテッソ・スプリントではロイサーが2位通過すると、アタックが勃発してペースの上がった集団が、残り33km地点でフォークナーを捉える。その後も散発的なアタックが続いたものの、集団はひと塊のままフィニッシュ地点のキュスナハトに到着。予想通りの集団スプリントが幕を開けた。

最終コーナーを先頭で抜けたカタブランカ・ヴァシュ（ハンガリー、SDワークス・プロタイム）がスピードを上げると、バルサモとミーシャ・ブレーデウォルツ（オランダ、SDワークス・プロタイム）と後続の間にギャップが生まれる。残り200mでヴァシュが役割を終えて脚を緩め、先頭に出される形となったバルサモが一拍置いてスプリントを開始した。

かつて世界王者に輝いたバルサモの踏み込みに、フィニッシュ手前でブレーデウォルツが迫る。しかしバルサモが先にフィニッシュラインを通過。今季5勝目を手に入れた。

「長いスプリントになったが、何とか勝つことができた。今日のステージが（今大会の）大きな目標だったので、勝ててとても嬉しい」と、バルサモは勝利を喜んだ。