雨のレースとなったツール・ド・スイス初日は、逃げ切りから勝者が生まれる。22歳のロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)が4名集団を抜け出し、13km独走で勝利を掴んだ。

ジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリング) photo:CorVos

ツールにも出場予定のトーマス photo:Tour de Suisse ツール・ド・スイス・ウィメンが最終日を迎えた6月15日、男子レースであるツール・ド・スイスが同じキュスナハトで開幕した。全8日間で行われる本大会は、1週間早く開幕したクリテリウム・デュ・ドーフィネと共にツール・ド・フランスの前哨戦として重要なステージレースだ。
大会2日目に登りフィニッシュが設定された本大会は、第5ステージに3つの1級山岳が登場するクイーンステージが登場。スプリンターやパンチャー、そして最終日の個人タイムトライアルまで、様々な脚質の選手にチャンスのあるバランスの良いレイアウトが並んでいる。そのためツールに向けて高地合宿を終えた選手たちが、例年コンディションを確かめるレースとなっている。
昨年ツールの総合トップ3(ポガチャル、ヴィンゲゴー、エヴェネプール)がより山岳の厳しいドーフィネを選んだため、総合エースの顔ぶれは分散した。しかしジェイコ・アルウラーの総合エースであるベン・オコーナー(オーストラリア)はこちらを選択し、4月のイツリア・バスクカントリーと5月のツール・ド・ロマンディで連続総合優勝をしているジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)も出場。またスプリンターではアルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット・デスティニー)が前哨戦に臨んだ。

ツール・ド・スイス2025第1ステージ image:Tour de Suisse
例年の個人タイムトライアルだった初日は今年、127.2 kmのロードレースで幕を開けた。コースは序盤に2つの山岳(3級、2級)を越え、平坦路を経て再び同じ山岳に戻ってくる丘陵ステージ。逃げ切りも十分考えられるレイアウトのため、逃げを目指した熾烈なアタック合戦の末、総合優勝の候補筆頭であるオコーナーやジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリング)を含む29名の大きな逃げグループが形成された。
一方のメイン集団はフェリックス・グロスシャートナー(オーストリア)を逃げに送ったUAEチームエミレーツXRGやレッドブル・ボーラ・ハンスグローエなどが牽引する。スタートから立ちこめた分厚い雲からは雨が落ち始め、レース終盤に差し掛かる頃に完全なウェットコンディションに。逃げ集団内ではオコーナーのアシストも積極的にペースを上げたため、追走の意思が鈍ったプロトンとの差は広がり続け、残り30km地点で3分ものリードを得ることに成功した。

逃げに乗ったバルト・レメン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos
最終2級山岳に差し掛かった逃げグループからは、オコーナーや・グロスシャートナーが遅れ、バルト・レメン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)の加速によって人数がアラフィリップを含む4名に絞られる。頂上はレメンがトップ通過し、直後にロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)がアタックした。
フィニッシュまで続く下りでリードを得たグレゴワールに対し、レメンとアラフィリップ、そしてケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・B&Bホテルズ)の3名が追いかける。しかしグレゴワールは最後までリードを守り、逃げ切りから13km独走を決め、初日勝者に輝いた。

逃げ切り勝利を決めたロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) photo:CorVos

リーダージャージに袖を通したロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) photo:Groupama - FDJ
「勝利を掴んだ気持ちは格別で、特にそれがワールドツアーならなおさらだ」と喜んだグレゴワールは、プロ3年目の22歳。3月のフォーン・アルデシュ・クラシック(UCI1.Pro)に続く、今季2勝目をゲット。2年連続2度目となるツールに向け弾みをつけた。
20秒遅れで争われた2位争いはヴォークランが先着し、オコーナーは1分7秒遅れの区間5位でフィニッシュ。アルメイダなどを含むプロトンは、3分12秒遅れでレースを終えている。


大会2日目に登りフィニッシュが設定された本大会は、第5ステージに3つの1級山岳が登場するクイーンステージが登場。スプリンターやパンチャー、そして最終日の個人タイムトライアルまで、様々な脚質の選手にチャンスのあるバランスの良いレイアウトが並んでいる。そのためツールに向けて高地合宿を終えた選手たちが、例年コンディションを確かめるレースとなっている。
昨年ツールの総合トップ3(ポガチャル、ヴィンゲゴー、エヴェネプール)がより山岳の厳しいドーフィネを選んだため、総合エースの顔ぶれは分散した。しかしジェイコ・アルウラーの総合エースであるベン・オコーナー(オーストラリア)はこちらを選択し、4月のイツリア・バスクカントリーと5月のツール・ド・ロマンディで連続総合優勝をしているジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)も出場。またスプリンターではアルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット・デスティニー)が前哨戦に臨んだ。

例年の個人タイムトライアルだった初日は今年、127.2 kmのロードレースで幕を開けた。コースは序盤に2つの山岳(3級、2級)を越え、平坦路を経て再び同じ山岳に戻ってくる丘陵ステージ。逃げ切りも十分考えられるレイアウトのため、逃げを目指した熾烈なアタック合戦の末、総合優勝の候補筆頭であるオコーナーやジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリング)を含む29名の大きな逃げグループが形成された。
一方のメイン集団はフェリックス・グロスシャートナー(オーストリア)を逃げに送ったUAEチームエミレーツXRGやレッドブル・ボーラ・ハンスグローエなどが牽引する。スタートから立ちこめた分厚い雲からは雨が落ち始め、レース終盤に差し掛かる頃に完全なウェットコンディションに。逃げ集団内ではオコーナーのアシストも積極的にペースを上げたため、追走の意思が鈍ったプロトンとの差は広がり続け、残り30km地点で3分ものリードを得ることに成功した。

最終2級山岳に差し掛かった逃げグループからは、オコーナーや・グロスシャートナーが遅れ、バルト・レメン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)の加速によって人数がアラフィリップを含む4名に絞られる。頂上はレメンがトップ通過し、直後にロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)がアタックした。
フィニッシュまで続く下りでリードを得たグレゴワールに対し、レメンとアラフィリップ、そしてケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・B&Bホテルズ)の3名が追いかける。しかしグレゴワールは最後までリードを守り、逃げ切りから13km独走を決め、初日勝者に輝いた。


「勝利を掴んだ気持ちは格別で、特にそれがワールドツアーならなおさらだ」と喜んだグレゴワールは、プロ3年目の22歳。3月のフォーン・アルデシュ・クラシック(UCI1.Pro)に続く、今季2勝目をゲット。2年連続2度目となるツールに向け弾みをつけた。
20秒遅れで争われた2位争いはヴォークランが先着し、オコーナーは1分7秒遅れの区間5位でフィニッシュ。アルメイダなどを含むプロトンは、3分12秒遅れでレースを終えている。
ツール・ド・スイス2025第1ステージ結果
1位 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) | 2:50:15 |
2位 | ケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・B&Bホテルズ) | +0:20 |
3位 | バルト・レメン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
4位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリング) | |
5位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) | +1:07 |
6位 | フェリックス・グロスシャートナー(オーストリア、UAEチームエミレーツXRG) | |
7位 | パブロ・カストリーリョ(スペイン、モビスター) | |
8位 | レナード・ケムナ(ドイツ、リドル・トレック) | |
9位 | ライナー・ケップリンガー(オーストリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
10位 | ニコラ・コンチ(イタリア、XDSアスタナ) | +1:26 |
個人総合成績
1位 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) | 2:50:05 |
2位 | ケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・B&Bホテルズ) | +0:24 |
3位 | バルト・レメン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:26 |
4位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリング) | |
5位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) | +1:17 |
6位 | フェリックス・グロスシャートナー(オーストリア、UAEチームエミレーツXRG) | |
7位 | パブロ・カストリーリョ(スペイン、モビスター) | |
8位 | レナード・ケムナ(ドイツ、リドル・トレック) | |
9位 | ライナー・ケップリンガー(オーストリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
10位 | ベン・スウィフト(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +1:32 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) |
山岳賞 | フェリックス・エンゲルハート(ドイツ、ジェイコ・アルウラー) |
ヤングライダー賞 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) |
チーム総合成績 | ヴィスマ・リースアバイク |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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