自転車を始めたクラブのそばを通り、家族や仲間が待つ故郷カーディフでキャリアの幕を閉じる現役最終レース。「始まりの場所に帰ってきた。本当にこれ以上ないゴールだ」と話すゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が満員の観衆とともに最後の瞬間を分かち合った。

家族と共にスタートを待つゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
自身の名を冠したウェールズ・ヴェロドロームを出発し、故郷カーディフにフィニッシュすると言う、まさに自身のキャリアをトリビュートするツアー・オブ・ブリテン最終ステージで選手人生にピリオドを打ったゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)。数千人ものファンが駆けつけた最終日のフィニッシュラインを越えたあと、感極まったトーマスはしばらく顔を上げることができなかった。
「ゴールを通過するときは、本当に感極まったよ。最初の並木道を走っているとき、ファンのみんながいて、もう、自転車に乗るだけで胸が詰まりそうで、変な感じだった。そして(14年間一緒にチームメイトだった)スウィフティと一緒にフィニッシュは越えなくちゃいけないと思っていたよ。僕は12歳からレースをしてきたことが、そのときすべてこみ上げてきた。S4C(ウェールズのテレビ局)のインタビューでは正直あまり言葉にならなかったけれど、本当に感情的で、それでいてすごく特別な体験だった。ルートが発表されたときからずっとそう思っていたんだ」と、レース後のインタビューでトーマスは特別な瞬間を振り返る。

故郷カーディフのファンの声援に応えるゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
「ここ(カーディフ)でゴールできるなんて、本当に信じられないよ。ファンとのつながりは、本当にすごいことだと思う。ここでゴールするというのは、まるで一周回って戻ってきたみたいで、マインディ・フライヤーズ(彼が自転車を始めたクラブ)の前を通り過ぎるし、すべてが始まった場所だったから。本当にこれ以上ない終わり方だと思う」
トーマスは、沿道に集まった数え切れないほどのファンの姿に胸を打たれたと語った。
「ゴールに向かって高まっていく空気感は、あり得ないくらいすごかった。長いキャリアの中ではずっと応援してもらってきたけれど、今日は昨日以上に凄くて、みんながわっと盛り上がって、本当に『自分がこんなに気にかけてもらっているんだ』って感じで。自分がやってきたことだから、本当に意味があった。雨はそこまで降っていなかったし、ただ路面が濡れているだけだったので運が良かったと思うよ。」
2007年にバルロワールドでプロ入りしてから実に19年、チームスカイからイネオス・グレナディアーズはチーム創設年度の2010年から実に16年という古参株。今後はスイッチを切って「普通の生活」を楽しむと言う。
「火曜日には息子を学校に送って、あと、僕の兄弟の独身最後のパーティーがポルトガルである予定なんだけど、そういう普通のことをするのもいいなと思ってる。ちょっとスイッチオフして、本当にこれまであまりできなかったことをやるんだ」。
text:So Isobe

自身の名を冠したウェールズ・ヴェロドロームを出発し、故郷カーディフにフィニッシュすると言う、まさに自身のキャリアをトリビュートするツアー・オブ・ブリテン最終ステージで選手人生にピリオドを打ったゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)。数千人ものファンが駆けつけた最終日のフィニッシュラインを越えたあと、感極まったトーマスはしばらく顔を上げることができなかった。
「ゴールを通過するときは、本当に感極まったよ。最初の並木道を走っているとき、ファンのみんながいて、もう、自転車に乗るだけで胸が詰まりそうで、変な感じだった。そして(14年間一緒にチームメイトだった)スウィフティと一緒にフィニッシュは越えなくちゃいけないと思っていたよ。僕は12歳からレースをしてきたことが、そのときすべてこみ上げてきた。S4C(ウェールズのテレビ局)のインタビューでは正直あまり言葉にならなかったけれど、本当に感情的で、それでいてすごく特別な体験だった。ルートが発表されたときからずっとそう思っていたんだ」と、レース後のインタビューでトーマスは特別な瞬間を振り返る。

「ここ(カーディフ)でゴールできるなんて、本当に信じられないよ。ファンとのつながりは、本当にすごいことだと思う。ここでゴールするというのは、まるで一周回って戻ってきたみたいで、マインディ・フライヤーズ(彼が自転車を始めたクラブ)の前を通り過ぎるし、すべてが始まった場所だったから。本当にこれ以上ない終わり方だと思う」
トーマスは、沿道に集まった数え切れないほどのファンの姿に胸を打たれたと語った。
「ゴールに向かって高まっていく空気感は、あり得ないくらいすごかった。長いキャリアの中ではずっと応援してもらってきたけれど、今日は昨日以上に凄くて、みんながわっと盛り上がって、本当に『自分がこんなに気にかけてもらっているんだ』って感じで。自分がやってきたことだから、本当に意味があった。雨はそこまで降っていなかったし、ただ路面が濡れているだけだったので運が良かったと思うよ。」
2007年にバルロワールドでプロ入りしてから実に19年、チームスカイからイネオス・グレナディアーズはチーム創設年度の2010年から実に16年という古参株。今後はスイッチを切って「普通の生活」を楽しむと言う。
「火曜日には息子を学校に送って、あと、僕の兄弟の独身最後のパーティーがポルトガルである予定なんだけど、そういう普通のことをするのもいいなと思ってる。ちょっとスイッチオフして、本当にこれまであまりできなかったことをやるんだ」。
text:So Isobe
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