豪華メンバーが揃った5日間のドイツ・ツアーが開幕。時間にして僅か3分半の短距離プロローグを制したのはソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)だった。
2025年8月20日~24日の日程で開幕したドイツ・ツアー(UCI2.Pro)は、1931年に初開催され、2018年に復活して現在は上から2つ目のカテゴリーであるプロツアーとして開催されているステージレース。プロカテゴリーではあるものの、毎年ワールドクラスの選手が集結することでもお馴染みだ。

ヴィスマ・リースアバイクからはワウト・ファンアールト(ベルギー)とマシュー・ブレナン(イギリス)が参戦 photo:CorVos 
ツールで活躍したフロリアン・リポヴィッツ(ボーラ・ハンスグローエ)が凱旋参戦 photo:CorVos

世界遺産の「ツォルフェアアイン炭鉱業遺産群」で開催された短距離プロローグ photo:Lidl Deutschland Tour
今年で現行フォーマットの復活から8年目を迎え、全長およそ741キロにおよぶコースが用意された2025年大会には、11のワールドチームが出場。ツール・ド・フランスでは総合3位+マイヨブランで母国ドイツを沸かせたフロリアン・リポヴィッツ(ボーラ・ハンスグローエ)を筆頭に、ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)、ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)、カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)、引退を発表しているゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)とアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)など非常に濃いメンバーが顔を揃えた。
開幕地はルール地方の中心都市エッセン。丘陵を含む第1ステージ、獲得標高3000メートルに迫る山岳色の強い第3ステージ、そして東部マクデブルクでのフィニッシュへと続く。山岳が無いステージ構成であり、昨年大会はマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)が制したことからも分かる通り、総合成績は登坂を得意とするパンチャー勢によるボーナスタイム争いになると予想されている。

最速タイムを叩き出したソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) photo:Lidl Deutschland Tour
開幕戦となる3.1kmのプロローグは「ツォルフェアアイン炭鉱業遺産群」で開催。TTバイクではなく、ノーマルバイク+ノーマルホイールに乗った選手たちが短距離ながらコーナーが連続する難コースに挑んだ。
最速タイムをマークしたのはソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)。「多分3年ぶりのプロローグだったので少し緊張していたし、興奮していたよ。出走直前までウォームアップしていたし、コーナー出口でいかにスピードを乗せられるかも重要だった。全力で走るのを心がけた一方、同時にスタートからフィニッシュにかけてパワーを徐々に上げていくことも大切だった」と、戦略的に走ることの重要性を強調している。
ヴァーレンショルトにとってはプロとして16勝目で、今季4勝目。U23の個人タイムトライアル世界王者に輝いたこともあるが、スプリンターとしても頭角を表してきた。「これからさらに厳しいステージがあって、もちろん集団スプリントもある。チームには力のある選手が揃っているので、総合順位でも良い位置を占められることを願っているよ」とも加えている。

0.5秒差のステージ2位に甘んじたサムエル・ワトソン(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos

総合首位に立ったソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) photo:CorVos
僅か0.5秒差のステージ2位に甘んじたのは売り出し中の若手サムエル・ワトソン(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)で、3位は長時間ホットシートを温めていたマルコ・ハラー(オーストリア、チューダープロサイクリング)。ファンアールトは2.3秒遅れの5位で、プロローグを得意とするミランは5秒遅れで15位に終わった。
プロローグの結果で、ヴェーレンショルは総合リーダーに立ち、ワトソンがその1秒後を追う格好。「短かくも超タフなステージだった」と振り返るファンアールトは「これから数日間は非常に興味深いものになる。絶好のチャンスがあるし、僕だけでなく、マシュー(ブレナン)にとっても同じ。彼は今年非常に好調で、彼と共に結果を追求することを楽しみにしているよ」と、ステージと総合成績に向けても意欲的なコメントを残している。
2025年8月20日~24日の日程で開幕したドイツ・ツアー(UCI2.Pro)は、1931年に初開催され、2018年に復活して現在は上から2つ目のカテゴリーであるプロツアーとして開催されているステージレース。プロカテゴリーではあるものの、毎年ワールドクラスの選手が集結することでもお馴染みだ。



今年で現行フォーマットの復活から8年目を迎え、全長およそ741キロにおよぶコースが用意された2025年大会には、11のワールドチームが出場。ツール・ド・フランスでは総合3位+マイヨブランで母国ドイツを沸かせたフロリアン・リポヴィッツ(ボーラ・ハンスグローエ)を筆頭に、ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)、ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)、カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)、引退を発表しているゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)とアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)など非常に濃いメンバーが顔を揃えた。
開幕地はルール地方の中心都市エッセン。丘陵を含む第1ステージ、獲得標高3000メートルに迫る山岳色の強い第3ステージ、そして東部マクデブルクでのフィニッシュへと続く。山岳が無いステージ構成であり、昨年大会はマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)が制したことからも分かる通り、総合成績は登坂を得意とするパンチャー勢によるボーナスタイム争いになると予想されている。

開幕戦となる3.1kmのプロローグは「ツォルフェアアイン炭鉱業遺産群」で開催。TTバイクではなく、ノーマルバイク+ノーマルホイールに乗った選手たちが短距離ながらコーナーが連続する難コースに挑んだ。
最速タイムをマークしたのはソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)。「多分3年ぶりのプロローグだったので少し緊張していたし、興奮していたよ。出走直前までウォームアップしていたし、コーナー出口でいかにスピードを乗せられるかも重要だった。全力で走るのを心がけた一方、同時にスタートからフィニッシュにかけてパワーを徐々に上げていくことも大切だった」と、戦略的に走ることの重要性を強調している。
ヴァーレンショルトにとってはプロとして16勝目で、今季4勝目。U23の個人タイムトライアル世界王者に輝いたこともあるが、スプリンターとしても頭角を表してきた。「これからさらに厳しいステージがあって、もちろん集団スプリントもある。チームには力のある選手が揃っているので、総合順位でも良い位置を占められることを願っているよ」とも加えている。


僅か0.5秒差のステージ2位に甘んじたのは売り出し中の若手サムエル・ワトソン(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)で、3位は長時間ホットシートを温めていたマルコ・ハラー(オーストリア、チューダープロサイクリング)。ファンアールトは2.3秒遅れの5位で、プロローグを得意とするミランは5秒遅れで15位に終わった。
プロローグの結果で、ヴェーレンショルは総合リーダーに立ち、ワトソンがその1秒後を追う格好。「短かくも超タフなステージだった」と振り返るファンアールトは「これから数日間は非常に興味深いものになる。絶好のチャンスがあるし、僕だけでなく、マシュー(ブレナン)にとっても同じ。彼は今年非常に好調で、彼と共に結果を追求することを楽しみにしているよ」と、ステージと総合成績に向けても意欲的なコメントを残している。
ドイツ・ツアー2025 プロローグ
1位 | ソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | 3:31 |
2位 | サムエル・ワトソン(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +0:00.52 |
3位 | マルコ・ハラー(オーストリア、チューダープロサイクリング) | +0:01.79 |
4位 | ローレンス・ピシー(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:02.24 |
5位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:02.35 |
6位 | ダニー・ファンポッペル(オランダ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:02.36 |
7位 | マイケル・ゼイラート(オランダ、チューダープロサイクリング) | +0:03.07 |
8位 | フラット・ファンミヘレン(ベルギー、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:03.51 |
9位 | エリックノールセテル・レッセル(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | +0:04.38 |
10位 | パスカル・エインコールン(オランダ、スーダル・クイックステップ) | +0:04.73 |
個人総合成績
1位 | ソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | 3:31 |
2位 | サムエル・ワトソン(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +0:01 |
3位 | マルコ・ハラー(オーストリア、チューダープロサイクリング) | +0:02 |
4位 | ローレンス・ピシー(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:03 |
5位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | |
6位 | ダニー・ファンポッペル(オランダ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | |
7位 | マイケル・ゼイラート(オランダ、チューダープロサイクリング) | |
8位 | フラット・ファンミヘレン(ベルギー、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:04 |
9位 | エリックノールセテル・レッセル(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | +0:04 |
10位 | パスカル・エインコールン(オランダ、スーダル・クイックステップ) | +0:05 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) |
ヤングライダー賞 | ソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) |
チーム総合成績 | チューダープロサイクリング |
text:So Isobe
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