ラスト15kmから強烈なアタック合戦が繰り返されたドイツ・ツアー3日目。3名が逃げ切り、ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG)がライリー・シーハン(アメリカ、イスラエル・プレミアテック)を差し込んでステージ優勝を挙げた。

昨年引退したシモン・ゲシュケが登壇 photo:LIDL DEUTSCHLAND TOUR 2025 
ディレクターカーに乗るのはかつてのドイツ王者ファビアン・ウェーグマン photo:LIDL DEUTSCHLAND TOUR 2025

スプリンターチームがメイン集団をコントロール photo:LIDL DEUTSCHLAND TOUR 2025
ドイツ・ツアー(UCI2.Pro)の第2ステージ(3日目)は、ヘルフォルトからアルンスベルクへ向かう190.3kmの丘陵ステージ。一つ一つの登りの難易度は高くないものの、終盤戦はレース展開を作るには十分なもの。この日はラスト15kmの丘頂上に設定されたボーナススプリントをきっかけに、レースが激しく動いた。
序盤はアタック合戦によって5名がエスケープ。山岳ポイントを稼いだヴィンツェント・ドルン(ドイツ、バイクエイド)は同首位ミゲル・ハイドマン(ドイツ、レンべ・ラッドネット)に並んだものの逆転には至らなかった。
メイン集団ではブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG)が落車したものの大事は無く、ニルス・ポリッツ(ドイツ、UAEチームエミレーツXRG)はチームメイトのディレイラーに巻き付いたゴミを走りながら取り外そうとするシーンも。スプリントに持ち込みたいリドル・トレックが集団をまとめようとしたものの、ラスト20kmで逃げを飲み込んだ後、活性化する他チームを止めるには至らなかった。

逃げを飲み込み、強烈にメイン集団のペースが上がる photo:LIDL DEUTSCHLAND TOUR 2025

ラスト15kmのボーナススプリントで先着したワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:LIDL DEUTSCHLAND TOUR 2025
ラスト15kmのボーナススプリントでは総合2位サムエル・ワトソン(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)や同4位ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)、ローレンス・ピシー(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)らが全力勝負を繰り広げてファンアールトが先頭通過(-3秒獲得)。引き伸ばされたメイン集団からのアタック合戦は一切止まることが無かった。
前日勝者で総合3位のマシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)や総合5位ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)らもアタック合戦に加わる中、決定的な逃げが残り8kmで形成。プロローグを制したソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)のアタックにダウンアンダー覇者ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG)とライリー・シーハン(アメリカ、イスラエル・プレミアテック)が追従した。

ライリー・シーハン(アメリカ、イスラエル・プレミアテック)を差し込むジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG) photo:LIDL DEUTSCHLAND TOUR 2025

ステージ優勝を挙げたジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG) photo:LIDL DEUTSCHLAND TOUR 2025
メイン集団に20秒差をつけた3人がフィニッシュラインに一直線。足の揃った3名が逃げ切りを決め、シーハンが伸びやかなスプリントで勝利を得るかと思いきや、勝利を確信して踏みやめてしまう。背後から追い込み続けたナルバエスが逆転先着した。
「最終盤はかなりクレイジーだったよ。僕たち3人は上手いタイミングで抜け出すことができたと思う。195cmもあるウノエックスの選手(ヴァーレンショルト)が平坦を走る様子を見て欲しいよ。素晴らしい走りだったと思う。このレースはスプリンターのためのレースだけど、僕たちにはスプリンターがいない。だから考え方を変える必要があったし、そういう状況にならないように気をつけた。ツール・ド・フランス後はエクアドルに戻ってトレーニングをしてきたけど、うまく疲労を抜けたと思う。家族と静かに過ごせてメンタルも回復できた。エクアドルから真っ直ぐこのレースにやってきて勝てるだなんて素晴らしいことさ」とナルバエスは語っている。この勝利はUAEにとって今季73勝目だ。

ステージ優勝を挙げたジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG) photo:LIDL DEUTSCHLAND TOUR 2025

総合首位に返り咲いたソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) photo:LIDL DEUTSCHLAND TOUR 2025
一方、若手らしいミスで勝利を逃したシーハンはフィニッシュ後に「スプリントでは最善を尽くしたけれど、二度と繰り返していけないミスをしてしまった」とコメント。「それでも総合3位になれて嬉しいし、明日リベンジをしたいと思っているよ」と意欲を見せている。
ナルバエスら3人はメイン集団に14秒差で逃げ切ったため、ステージ3位のヴァーレンショルトが総合首位返り咲きに成功。ナルバエスが1秒差で総合2位、シーハンは4秒差で総合3位。メイン集団内ではファンアールトが15秒差の総合4位につける状況となっている。翌日は獲得標高2,700mに及ぶ丘陵ステージだが、フィニッシュ前15kmで頂上を越えてからは下りと平坦。絶妙なコース設定にエキサイティングなレース展開となるはずだ。



ドイツ・ツアー(UCI2.Pro)の第2ステージ(3日目)は、ヘルフォルトからアルンスベルクへ向かう190.3kmの丘陵ステージ。一つ一つの登りの難易度は高くないものの、終盤戦はレース展開を作るには十分なもの。この日はラスト15kmの丘頂上に設定されたボーナススプリントをきっかけに、レースが激しく動いた。
序盤はアタック合戦によって5名がエスケープ。山岳ポイントを稼いだヴィンツェント・ドルン(ドイツ、バイクエイド)は同首位ミゲル・ハイドマン(ドイツ、レンべ・ラッドネット)に並んだものの逆転には至らなかった。
メイン集団ではブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG)が落車したものの大事は無く、ニルス・ポリッツ(ドイツ、UAEチームエミレーツXRG)はチームメイトのディレイラーに巻き付いたゴミを走りながら取り外そうとするシーンも。スプリントに持ち込みたいリドル・トレックが集団をまとめようとしたものの、ラスト20kmで逃げを飲み込んだ後、活性化する他チームを止めるには至らなかった。


ラスト15kmのボーナススプリントでは総合2位サムエル・ワトソン(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)や同4位ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)、ローレンス・ピシー(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)らが全力勝負を繰り広げてファンアールトが先頭通過(-3秒獲得)。引き伸ばされたメイン集団からのアタック合戦は一切止まることが無かった。
前日勝者で総合3位のマシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)や総合5位ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)らもアタック合戦に加わる中、決定的な逃げが残り8kmで形成。プロローグを制したソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)のアタックにダウンアンダー覇者ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG)とライリー・シーハン(アメリカ、イスラエル・プレミアテック)が追従した。


メイン集団に20秒差をつけた3人がフィニッシュラインに一直線。足の揃った3名が逃げ切りを決め、シーハンが伸びやかなスプリントで勝利を得るかと思いきや、勝利を確信して踏みやめてしまう。背後から追い込み続けたナルバエスが逆転先着した。
「最終盤はかなりクレイジーだったよ。僕たち3人は上手いタイミングで抜け出すことができたと思う。195cmもあるウノエックスの選手(ヴァーレンショルト)が平坦を走る様子を見て欲しいよ。素晴らしい走りだったと思う。このレースはスプリンターのためのレースだけど、僕たちにはスプリンターがいない。だから考え方を変える必要があったし、そういう状況にならないように気をつけた。ツール・ド・フランス後はエクアドルに戻ってトレーニングをしてきたけど、うまく疲労を抜けたと思う。家族と静かに過ごせてメンタルも回復できた。エクアドルから真っ直ぐこのレースにやってきて勝てるだなんて素晴らしいことさ」とナルバエスは語っている。この勝利はUAEにとって今季73勝目だ。


一方、若手らしいミスで勝利を逃したシーハンはフィニッシュ後に「スプリントでは最善を尽くしたけれど、二度と繰り返していけないミスをしてしまった」とコメント。「それでも総合3位になれて嬉しいし、明日リベンジをしたいと思っているよ」と意欲を見せている。
ナルバエスら3人はメイン集団に14秒差で逃げ切ったため、ステージ3位のヴァーレンショルトが総合首位返り咲きに成功。ナルバエスが1秒差で総合2位、シーハンは4秒差で総合3位。メイン集団内ではファンアールトが15秒差の総合4位につける状況となっている。翌日は獲得標高2,700mに及ぶ丘陵ステージだが、フィニッシュ前15kmで頂上を越えてからは下りと平坦。絶妙なコース設定にエキサイティングなレース展開となるはずだ。
ドイツ・ツアー2025 第2ステージ結果
1位 | ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG) | 4:27:10 |
2位 | ライリー・シーハン(アメリカ、イスラエル・プレミアテック) | |
3位 | ソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | |
4位 | マリウス・マイヤーホーファー(ドイツ、チューダープロサイクリング) | +0:08 |
5位 | ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) | +0:14 |
6位 | ダニー・ファンポッペル(オランダ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | |
7位 | エミリアン・ジャニエール(フランス、トタルエネルジー) | |
8位 | マシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) | |
9位 | マルコ・ハラー(オーストリア、チューダープロサイクリング) | |
10位 | ユーゴ・オフステテール(フランス、イスラエル・プレミアテック) |
個人総合成績
1位 | ソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | 9:07:45 |
2位 | ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG) | +0:01 |
3位 | ライリー・シーハン(アメリカ、イスラエル・プレミアテック) | +0:04 |
4位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:15 |
5位 | ダニー・ファンポッペル(オランダ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:17 |
6位 | サムエル・ワトソン(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
7位 | マシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) | |
8位 | マリウス・マイヤーホーファー(ドイツ、チューダープロサイクリング) | +0:18 |
9位 | ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) | |
10位 | ローレンス・ピシー(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:20 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) |
山岳賞 | ミゲル・ハイドマン(ドイツ、レンべ・ラッドネット) |
ヤングライダー賞 | ソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) |
チーム総合成績 | ウノエックス・モビリティ |
text:So Isobe
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