プロ初勝利を飾ったペリツァーリは「今日は自分の日だと思った」と語り、ピドコックは「総合表彰台のために仕方のない犠牲」と振り返った。1級山岳アルト・デ・エル・モレデロを舞台にしたブエルタ第17ステージを、選手たちの言葉で振り返る。



ステージ優勝&マイヨブランコ(ヤングライダー賞) ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)

残り3.5kmで集団を飛び出し、単独先頭に立ったジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:A.S.O.

プロになって日が浅いものの、間違いなく選手キャリアで最高の瞬間だ。不思議な感覚があり、「今日は自分の日だ」と思っていた。チームやジャイ(ヒンドレー)をはじめとするチームメイトに感謝したい。目指していた(ヒンドレーの)総合表彰台には届かなかったものの、まだ戦いは終わっていない。

(最終山岳手前の)谷間から全力で牽引し、ピドコックに対して攻撃を仕掛けた。ラスト3kmは6名の先頭集団に僕らからは2名が残り、僕がアタックしても誰も追ってこないだろうと思った。

アタックを決め、プロ初勝利を手に入れたジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

─これでマイヨブランコ争いも有利になった。

今日は(ランキング2位の)リッチテッロが追走した。そんな状況のなか、急勾配区間では全力を出さなければならなかった。しかし緩斜面になってからは僕の(比較的重い)体重の方が有利になった。明日の個人タイムトライアルが待ち遠しい。全てが思い通りに進むことを願っている。

ステージ2位&総合3位 トーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング)

2位でフィニッシュしたトーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング) photo:CorVos

(総合)表彰台を狙っているならば必要な犠牲だと思う。今日はステージ優勝を捨てた。勝てていれば最高だっただけに、少し残念だ。でも僕らは表彰台のために走っているし、何かを犠牲にしなければならない。最終盤は(レッドブル)ボーラ勢を除き、僕らにはアシストがいない状況だった。

ステージ4位&マイヨロホ ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)

レインウェアを着るマイヨロホのヴィンゲゴー photo:CorVos

今日は本当に僅差の争いだった。勝利を狙っていたけれど、今日はベストな走りができなかった。こういう日は耐えるしかないし、なんとか乗り切ることができた。アルメイダに対して2秒を稼げたのは、もちろん良いボーナスだね。

ステージ5位&総合2位 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)

アルメイダら5名による追走集団 photo:A.S.O.

少し疲れたが、これでマドリッド(最終日)までまた一日進んだ。最終山岳の序盤は急勾配で、後半はとても風が強く、それがアタックを抑制した。とてもトリッキーな登りだったよ。そして最後はスプリント勝負になった。

─登りの序盤でライバルたちから引き離されるシーンがあった。

彼らのアタックが激しく、そのペースで最後まで行けないと判断し、自分のペースで登ったまで。追いつくだろうと分かっていたからね。山岳の後半は進路がコロコロと変わったので、風向きもその都度変わった。それも数週間前に起こった山火事が木々を燃やした影響だろう。だからこそこの場所と家々を守ってくれた人たちに感謝したい。

─早い段階でアシストが遅れ、単騎での戦いを強いられた理由は?

単純に山岳が厳しかったからだろう。すぐにアシストが遅れていったので、1人でも関係なかった。

─ヴィンゲゴーのコンディションをどうみるか?また終盤でヴィンゲゴーと何を話した?

絶好調ではないものの、それは僕も同じ。同じぐらいのコンディションなのだろう。話した内容は「風が強いね」だったりと、何も特別なことではない。

ステージ6位&総合7位 マシュー・リッチテッロ(アメリカ、イスラエル・プレミアテック)

強風の影響で、ジャイ(ヒンドレー)はもちろん誰も動きたがらなかった。少しイライラした状況だったものの、誰のせいということでもない。ペリツァーリのアタックについていけなかった自分が悪い。

レッドブル・ボーラ・ハンスグローエのパチ・ビジャ監督

勝利と共にマイヨブランコ獲得を大きく引き寄せたジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:A.S.O.

登りの入り口でハイペースにすれば、(ライバルたちに)大きなダメージを与えられると分かっていた。チームは本当に素晴らしく、皆よく働いてくれた。ジュリオ(ペリツァーリ)は総合順位ではやや後位にいたので、ステージ優勝を狙わせることにした。それが完璧にハマった。ジュリオの走りは見事だったし、後ろではジャイ(ヒンドレー)が集団をしっかり抑えてくれた。まさに理想的な戦術だったと思う。先頭集団に2枚の強力なカードを持っているときにこそできる戦い方だ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, A.S.O.
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