完走者僅か17名の過酷なレースとなったロードヨーロッパ選手権男子エリートロードレース。精鋭集団で孤立したタデイ・ポガチャル(スロベニア)が残り75kmで仕掛け、エヴェネプールの追走を振り切り初優勝。ロード世界選手権からの連勝を決めた。

スタート前に言葉を交わすタデイ・ポガチャル(スロベニア)とレムコ・エヴェネプール(ベルギー) photo:CorVos
2016年に初開催され、今年で10回目を迎えたロードヨーロッパ選手権。節目の今年は初開催の地であるフランスが舞台となり、最終日に男子エリートのロードレースが行われた。コースは距離202.5km、獲得標高差は3,400mを超えるクライマー有利のレイアウトで、サン・ロマン・ド・レルプス(距離7km/平均7.2%)を含む大周回を3周、ヴァル・ダンフェール(距離1.6km/平均9.7%)を6周する。
そのため出場メンバーに前回覇者ティム・メルリール(ベルギー)らスプリンターの姿はなく、ゼッケン1をつけたのは1週間前のロード世界選手権を制したタデイ・ポガチャル(スロベニア)。他にはタイムトライアルの世界王者と欧州王者に輝いたレムコ・エヴェネプール(ベルギー)や、ワンデーレースでは珍しくヨナス・ヴィンゲゴーもデンマーク代表として参戦した。

スロベニア勢がプロトンの人数を減らしていく photo:UEC
序盤からダーン・ホーレ(オランダ)ら14名が逃げを決め、スロベニアが先導するメイン集団に対し2分半のリードを得る。2度目のサン・ロマン・ド・レルプスに入ると、プロトンではエヴェネプールをエースにするベルギーが仕掛ける。そのペースアップでヴィンゲゴーが早くも遅れ、逃げとの距離を一気に縮めた集団は、頂上手前でエヴェネプールが早くも加速した。
その背後にはポガチャルが付き、ポール・セクサス(フランス)など4名も食らいつく。残り90km地点で精鋭集団は逃げグループを捉え、後続からは登りで遅れたフアン・アユソ(スペイン)ら追走も合流。結果として約30名の先頭集団が形成され、フランスが5名、ベルギーやデンマーク、イタリアが3名ずつを入れる一方で、ポガチャルは単騎での戦いを強いられた。
ベルギーが先導する集団はこの日最後のサン・ロマン・ド・レルプスに突入し、残り76km地点でアルカンシエルを着るポガチャルがアタック。エヴェネプールが唯一反応したものの、わずか1kmしかついていけず、残り75kmで早くもポガチャルが単独先頭に立った。

残り76km地点で仕掛けたポガチャルにエヴェネプールが反応 photo:UEC

単独先頭に立ったタデイ・ポガチャル(スロベニア) photo:UEC

レムコ・エヴェネプール(ベルギー)らが集団で追走した photo:UEC
路面に「REMCO(レムコ)」と書かれた応援も虚しくエヴェネプールは遅れ、セクサスやアユソ、クリスティアン・スカローニ(イタリア)たちと共に追走集団を組む。しかしヴァル・ダンフェール(距離1.6km/平均9.7%)を含む小周回に入ってもポガチャルとの差は縮まらないどころか、1分20秒まで拡大。危機感を抱いたエヴェネプールは残り38kmで集団を飛び出し、単独追走を開始したものの、追いつくには31秒及ばなかった。
アルカンシエルをフランスのファンにアピールしながら6周回をこなし、圧倒的な走りでフィニッシュに到着したポガチャル。2021年は5位と届かなかったヨーロッパ王者のタイトルを獲得し、世界選手権と同じ長距離の独走での連勝を決めた。

75kmの独走決め、初優勝したタデイ・ポガチャル(スロベニア) photo:CorVos

自身初のヨーロッパ王者となったタデイ・ポガチャル(スロベニア) photo:UEC
「(先頭集団に)ベルギー勢が4〜5人いるのを見て、自分が孤立していることに気づいた。囲まれるよりは自分から仕掛けた方が良いと思いアタックした。レムコ(エヴェネプール)が追ってきていたためフィニッシュまで気を抜けなかった。全力で踏み続け、勝ててホッとしている。タイトルを一つ加えられて嬉しい」と、スロベニアに初タイトルをもたらしたポガチャル。表彰台では、アルカンシエルを優先するため1年間着用することのないヨーロッパ王者ジャージ姿も披露した。
一方、世界選手権に続く2位となったエヴェネプールは「ベストは尽くした」と敗者の弁。「できるだけ早くタデイ(ポガチャル)を孤立させるのが僕らの狙いで、それは上手くいった。だが彼はやはり群を抜いて強かった。追走したが、結果として30秒足りなかった。勝てなかったが全力で戦えたことに満足している」とコメントした。
熾烈な3位争いは地元フランス出身のセクサスがスカローニを引き離し、表彰台に上がった。完走者は僅か17名で、レースの過酷さを物語った。

2016年に初開催され、今年で10回目を迎えたロードヨーロッパ選手権。節目の今年は初開催の地であるフランスが舞台となり、最終日に男子エリートのロードレースが行われた。コースは距離202.5km、獲得標高差は3,400mを超えるクライマー有利のレイアウトで、サン・ロマン・ド・レルプス(距離7km/平均7.2%)を含む大周回を3周、ヴァル・ダンフェール(距離1.6km/平均9.7%)を6周する。
そのため出場メンバーに前回覇者ティム・メルリール(ベルギー)らスプリンターの姿はなく、ゼッケン1をつけたのは1週間前のロード世界選手権を制したタデイ・ポガチャル(スロベニア)。他にはタイムトライアルの世界王者と欧州王者に輝いたレムコ・エヴェネプール(ベルギー)や、ワンデーレースでは珍しくヨナス・ヴィンゲゴーもデンマーク代表として参戦した。

序盤からダーン・ホーレ(オランダ)ら14名が逃げを決め、スロベニアが先導するメイン集団に対し2分半のリードを得る。2度目のサン・ロマン・ド・レルプスに入ると、プロトンではエヴェネプールをエースにするベルギーが仕掛ける。そのペースアップでヴィンゲゴーが早くも遅れ、逃げとの距離を一気に縮めた集団は、頂上手前でエヴェネプールが早くも加速した。
その背後にはポガチャルが付き、ポール・セクサス(フランス)など4名も食らいつく。残り90km地点で精鋭集団は逃げグループを捉え、後続からは登りで遅れたフアン・アユソ(スペイン)ら追走も合流。結果として約30名の先頭集団が形成され、フランスが5名、ベルギーやデンマーク、イタリアが3名ずつを入れる一方で、ポガチャルは単騎での戦いを強いられた。
ベルギーが先導する集団はこの日最後のサン・ロマン・ド・レルプスに突入し、残り76km地点でアルカンシエルを着るポガチャルがアタック。エヴェネプールが唯一反応したものの、わずか1kmしかついていけず、残り75kmで早くもポガチャルが単独先頭に立った。



路面に「REMCO(レムコ)」と書かれた応援も虚しくエヴェネプールは遅れ、セクサスやアユソ、クリスティアン・スカローニ(イタリア)たちと共に追走集団を組む。しかしヴァル・ダンフェール(距離1.6km/平均9.7%)を含む小周回に入ってもポガチャルとの差は縮まらないどころか、1分20秒まで拡大。危機感を抱いたエヴェネプールは残り38kmで集団を飛び出し、単独追走を開始したものの、追いつくには31秒及ばなかった。
アルカンシエルをフランスのファンにアピールしながら6周回をこなし、圧倒的な走りでフィニッシュに到着したポガチャル。2021年は5位と届かなかったヨーロッパ王者のタイトルを獲得し、世界選手権と同じ長距離の独走での連勝を決めた。


「(先頭集団に)ベルギー勢が4〜5人いるのを見て、自分が孤立していることに気づいた。囲まれるよりは自分から仕掛けた方が良いと思いアタックした。レムコ(エヴェネプール)が追ってきていたためフィニッシュまで気を抜けなかった。全力で踏み続け、勝ててホッとしている。タイトルを一つ加えられて嬉しい」と、スロベニアに初タイトルをもたらしたポガチャル。表彰台では、アルカンシエルを優先するため1年間着用することのないヨーロッパ王者ジャージ姿も披露した。
一方、世界選手権に続く2位となったエヴェネプールは「ベストは尽くした」と敗者の弁。「できるだけ早くタデイ(ポガチャル)を孤立させるのが僕らの狙いで、それは上手くいった。だが彼はやはり群を抜いて強かった。追走したが、結果として30秒足りなかった。勝てなかったが全力で戦えたことに満足している」とコメントした。
熾烈な3位争いは地元フランス出身のセクサスがスカローニを引き離し、表彰台に上がった。完走者は僅か17名で、レースの過酷さを物語った。
ロードヨーロッパ選手権2025 男子エリートロードレース結果
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア) | 4:59:29 |
2位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー) | +0:31 |
3位 | ポール・セクサス(フランス) | +3:41 |
4位 | クリスティアン・スカローニ(イタリア) | +4:04 |
5位 | トムス・スクインシュ(ラトビア) | +4:16 |
6位 | フアン・アユソ(スペイン) | +4:21 |
7位 | マティアス・スケルモース(デンマーク) | +5:01 |
8位 | パヴェル・シヴァコフ(フランス) | +5:55 |
9位 | ジャンマルコ・ガロフォリ(イタリア) | +5:59 |
10位 | ロマン・グレゴワール(フランス) | +6:52 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:UEC, CorVos
photo:UEC, CorVos
Amazon.co.jp
Choice ゴールデンホエイ グラスフェッド ホエイプロテイン プレーン味 1kg プロテイン 人工甘味料不使用 国内製造 乳酸菌ブレンド GMOフリー
CHOICE NUTRITION ( チョイス ニュートリション )
¥5,480 (¥5 / グラム)
Choice ゴールデンホエイ グラスフェッド ホエイプロテイン プレーン味 1kg プロテイン 人工甘味料不使用 国内製造 乳酸菌ブレンド GMOフリー
CHOICE NUTRITION ( チョイス ニュートリション )
¥5,480 (¥5 / グラム)