シーズン最多勝記録を更新したUAEチームエミレーツXRGが、ブノワ・コスヌフロワ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール)の獲得を発表した。コスヌフロワはAG2R一筋の30歳で、今年は膝の怪我で長期離脱していた。



2年契約でUAEチームエミレーツXRGに加入したコスヌフロワ photo:CorVos

「世界最高のチームの一員になれることに興奮している。マウロ・ジャネッティ(GM)からプロジェクトについて説明を受け、自分のキャリアにとって最適な挑戦だと感じた。彼らの目標やビジョンを聞き、自分に適した正しい選択だと確信した。新しいチームメイトと共に走るのが楽しみだ」と、コスヌフロワはプレスリリースで語った。

コスヌフロワはAG2Rラモンディアール(当時)の育成チームから2017年にトップチームへ昇格した30歳。ツール・ド・フランス出場は5回を数え、またプロ通算21勝を誇り、キャリアのハイライトは2022年のグランプリ・シクリスト・ド・ケベック。得意とするアルデンヌクラシックのような起伏のあるレースで、コスヌフロワは精鋭集団から残り2km地点で飛び出し、ワールドツアーでの勝利を飾った。

今年は1月に膝の手術を受け、4月のツール・ド・ロマンディで遅いシーズンインを迎えたコスヌフロワ。その直後のグランプリ・デュ・モルビアン(UCI 1.Pro)では持ち前の加速力で小集団スプリントを制し、健在ぶりを示した。しかしツール前哨戦となった6月のツール・ド・スイスで膝の打撲を負うと、そのままレース復帰することなくシーズンを終えた。

しかしUAEはこのたび2年契約を締結。チームは「強力なパンチ力と高い戦術眼で知られ、チームの山岳系ワンデーレースの戦力をいっそう厚くする存在だ」と期待を語った。

ウェレンスら3名と契約更新

今年のツールで自身初となる区間優勝を果たしたティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

新戦力発表の前日、UAEはティム・ウェレンス(ベルギー)とユリウス・ヨハンセン(デンマーク)、ヴェガールスターケ・ラエンゲン(ノルウェー)との契約更新を発表した。

今シーズンは93レースを走り続けた26歳のヨハンセンと、2017年から所属する36歳のベテラン、ラエンゲンの2名とは1年契約。一方、34歳のウェレンスはツールでタデイ・ポガチャル(スロベニア)の総合優勝を支え、また自身も区間優勝を挙げ、2年契約を結んだ。

ベルギー王者のウェレンスは「チームに残るという決断は自然なもので、チームから本当に大切にされている。世界最高のチームで、最高の仲間たちに囲まれて、これから数年間を過ごせることを光栄に、誇りに思う。ここではチームを支え、時には自分のチャンスも掴みにいく理想的なバランスを見つけることができた」と、その理由を語った。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos