スーパープレスティージュ第2戦でマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・アルテスインダストリーバウ)が2連勝。女子は接戦の末にサラ・カサソラ(イタリア、クレラン・コレンドン)が勝利した。



女子エリート:ブラントが転倒、逃げ切ったカサソラが今季初勝利

ルッデルフォールデでの開幕戦から1週間、同じベルギーの街オーベレルエイセに場所を移してテレネット・スーパープレスティージュの第2戦が開催された。

なだらかに傾斜のついた芝生区間と森林区間を組み合わせたコースは湿り気を帯び、硬い土のスピードレースとなったものの、キャンバーなど一部区間は滑りやすいコンディションに。レース中はあちこちでスリップダウンが発生し、特に女子エリートレースではクラッシュが勝敗を分けることとなった。

攻撃的な走りで序盤戦を沸かせたカタブランカ・ヴァシュ(ハンガリー、SDワークス・プロタイム) photo:CorVos

女子エリートレースに出場した強豪選手は、開幕戦を制して波に乗るマリオン・ノーブルリブロール(ベルギー、クレラン・コレンドン)や、今季ビッグレース初戦を迎えたルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ)といった面々。土曜日のエクザクトロスで優勝してキャリア50勝を達成した世界女王フェム・ファンエンペル(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)は、コンディションが万全ではなくこの第2戦を見送ることに。

ロードシーズンから短い休息を経てCX初戦を迎えたカタブランカ・ヴァシュ(ハンガリー、SDワークス・プロタイム)がアグレッシブな走りで序盤戦を引っ張り、中盤に入るとブラントと、開幕戦2位のサラ・カサソラ(イタリア、クレラン・コレンドン)が先頭グループを組む。ヴァシュやベルギー女王のノーブルリブロールは遅れ、唯一追従したアニック・ファンアルフェン(オランダ、セブンレーシング)も、レース後半に本気の勝負を始めた先頭2人から遅れを喫した。

持ち前のパワーで何度もブランドが仕掛けたものの、今年のジロ・デ・イタリア・ウィメンで総合15位に入ったカサソラは千切れない。すると残り1.5周の下り区間、ブラントは轍に前輪を取られ、コースフェンスの杭にハンドルを引っ掛けて大転倒してしまう。負傷なくレースを続行したブラントだったが、10秒以上のリードを稼いだカサソラを追い込むことはできなかった。

ラスト1周を逃げ切ったサラ・カサソラ(イタリア、クレラン・コレンドン) photo:CorVos

テレネット・スーパープレスティージュ2025-2026 第2戦 女子エリート表彰台 photo:SuperprestigeCX

「こんな大きなレースで優勝できるなんて信じられない。ルシンダがクラッシュした時、既にトップスピードだったのでフィニッシュまで逃げ切れた。ちょっと運が良かった」と振り返るカサソラがベルギーで今季初勝利を達成。開幕戦2位→第2戦優勝でシリーズランキング首位浮上に成功している。



男子エリート:ロンハールを下したファントーレンハウトが開幕2連勝

男子エリートレースでは、スタートダッシュ直後にトーン・アールツ(ベルギー、デスハフト・ヘンスCXチーム)がチェーン切れに見舞われる不運で後退。先頭ではピム・ロンハール(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ)と開幕戦勝者のマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・アルテスインダストリーバウ)がレースペースを思いっきり引き上げた。

レース中盤、マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・アルテスインダストリーバウ)が先頭集団を引っ張る photo:SuperprestigeCX

レース中盤にはヨリス・ニューウェンハイス(オランダ、リドレーレーシングチーム)やニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)、キャメロン・メイソン(イギリス、セブンレーシング)といった面々が追いついたものの、後半の勝負どきに入ると好調ファントーレンハウトとロンハールが抜け出すこととなる。

この局面で冷静だったのは、経験豊富なファントーレンハウトだった。「ピムが力を使い果たしてペースが崩れ始めているのを分かっていた。だから最終ラップでもう一段ペースアップした」と言う元欧州王者は、言葉通り厳しい展開に持ち込んでロンハールを引き剥がす。ベテランの勘で勝利をたぐり寄せたファントーレンハウトがスーパープレスティージュ2連勝をマークした。

1-1連勝を挙げたマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・アルテスインダストリーバウ) photo:SuperprestigeCX

テレネット・スーパープレスティージュ2025-2026 第2戦 男子エリート表彰台 photo:CorVos

「2連勝できるとは思っていませんでした。これ以上ない最高のシーズンのスタートだよ」と喜ぶファントーレンハウトと、一騎打ちを演じたロンハールが2位フィニッシュ。大人数グループから抜け出したエミエル・フェルストリンゲ(ベルギー、クレラン・コレンドン)が3位に入っている。
テレネット・スーパープレスティージュ2025-2026第2戦 女子エリート結果
1位 サラ・カサソラ(イタリア、クレラン・コレンドン) 45:53
2位 ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ) +0:28
3位 アニック・ファンアルフェン(オランダ、セブンレーシング) +0:38
4位 アマンディーヌ・フークネ(フランス、アルケア・B&Bホテルズ) +1:39
5位 インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、クレラン・コレンドン) +1:53
6位 マリオン・ノーブルリブロール(ベルギー、クレラン・コレンドン) +2:14
7位 エレーヌ・クラウツェル(フランス) +2:21
8位 キオナ・クラッベ(ベルギー) +2:43
9位 ジュリー・ブラウワーズ(ベルギー、シャルル・リエジョワ・ロースタリー)
10位 デニセ・ベッツェマ(ベルギー、デクースター・バウプント) +2:51
テレネット・スーパープレスティージュ2025-2026 第2戦 男子エリート結果
1位 マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・アルテスインダストリーバウ) 1:00:45
2位 ピム・ロンハール(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ) +0:07
3位 エミエル・フェルストリンゲ(ベルギー、クレラン・コレンドン) +0:13
4位 ニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) +0:15
5位 ヨラン・ウィズーレ(ベルギー、クレラン・コレンドン) +0:17
6位 ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ、リドレーレーシングチーム) +0:18
7位 イェンテ・マイケルズ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) +0:19
8位 ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ) +0:29
9位 ワイツ・メーウセン(ベルギー、クレラン・コレンドン) +0:35
10位 キャメロン・メイソン(イギリス、セブンレーシング) +0:41
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