小山智也も出場したブエルタ・ア・ブルゴスが閉幕。超級山岳で争われた3日目をフェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM)が独走勝利し、最終日も区間3位に入り、自身初となる総合優勝に輝いた。



チームのホームレースに出場した小山智也(ブルゴス・ブルペレットBH) photo:Vuelta a Burgos

8月22日のブエルタ・ア・エスパーニャ開幕を前に、同じスペインのブルゴスで行なわれたのが、その前哨戦という意味合いも強いブエルタ・ア・ブルゴス(UCI2.Pro)だ。8月4日から8日まで行なわれた本大会は、スペイン北部特有の短くて急勾配な登りが中心の5日間。今年は3日目と5日目の終盤に超級山岳が登場するため、パンチャーやクライマーが活躍するレースとなった。

そのため出場メンバーにはミケル・ランダ(スペイン、スーダル・クイックステップ)やエンリク・マス(スペイン、モビスター)、フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM)らブエルタを控える総合勢が名を連ねた。また日本からは約1ヶ月半ぶりの実戦となった小山智也(ブルゴス・ブルペレットBH)が、ホームレースに臨んだ。

第2ステージを制したオスカー・オンリー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス) photo:Vuelta a Burgos

フィニッシュ地点が3級山岳の頂上に設定された初日は、パンチャーたちによる集団スプリントで決着した。しかしその中でもスプリンタータイプのマシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)がベン・トゥレット(イギリス)のリードアウトからスプリントし、シーズン6勝目を手に入れた。前日よりも厳しい3級山岳がフィニッシュ地点となった2日目は、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエがハイペースでプロトンの人数を絞っていき、登坂スプリントでオスカー・オンリー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス)がジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)を退けて勝利した。

ラストに超級山岳を登り、下った先にフィニッシュが設定された3日目は、最終山岳でラストイヤーのナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)がマスのために集団牽引するシーンも見られた。徐々に小さくなっていく集団から残り5.8km地点でガルがアタックすると、唯一反応することのできたオンリーを残り4.5km地点で引き離し、単独先頭に立つ。霧が深く視界の悪い下りもクリアし、ガルがブエルタへ弾みをつける山岳勝利を手に入れた。

第3ステージで独走勝利したフェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM) photo:Vuelta a Burgos

第4ステージの集団スプリントを制したマシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) photo:Vuelta a Burgos

4日目は大集団によるスプリントで決着し、ブレナンが区間2勝目を挙げた。そして最終第5ステージは再び超級山岳を登り、その頂上でフィニッシュするコースが舞台となった。

最終山岳ではリーダーチームであるデカトロンCMA CGMがプロトンのペースを作る。その約30秒先にはUAEチームエミレーツXRGのパヴェル・シヴァコフ(フランス)とケヴィン・ヴェルマーク(アメリカ)、ロット・アンテルマルシェの育成チームに所属するニールス・ドリーセン(ベルギー)の3名が先行。しかしモビスターやリドル・トレックも牽引してペースを上げたプロトンは、残り3.6km地点で最後まで粘ったドリーセンを捉えた。

残り2.4km地点で先頭は各チームのエース7名に絞られ、直後にガルがライバルたちの反応を見るように短い加速を仕掛ける。それにオンリーとチッコーネだけが追従したものの、ペースが上がらなかったため後続からジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)ら3名が追いつく。そして残り1.4km地点でペリツァーリが加速し、そのまま独走勝利を決めた。

最終日の超級山岳フィニッシュで勝利したジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

総合優勝したフェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM) photo:CorVos

区間2位には3秒遅れでオンリーが入り、ガルは同タイムの区間3位でフィニッシュ。その結果、ガルが総合優勝を決めた。

ジロ・デ・イタリアでは総合2位に入り、これ以上ないコンディションでブエルタに臨むガル。「スペインでしか見ないような厳しい登りだった。総合優勝はこれが初めてなので、本当に嬉しいし、大きな達成感がある。アルク1950(アルプス)でとても良い高地トレーニングを積み、そこから直接ここにやってきた。大きな自信を得ることができた。これから数日間は自宅で過ごし、その後ブエルタに向かう予定だ」と語った。

なお小山はメカトラに見舞われるなど不運が重なり、第3ステージで途中棄権。ブログではその悔しさを語っている。
第1ステージ結果
1位 マシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) 3:35:54
2位 ベン・トゥレット(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)
3位 ローレンス・ピシー(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
第2ステージ結果
1位 オスカー・オンリー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス) 4:17:32
2位 ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)
3位 エンリク・マス(スペイン、モビスター) +0:02
第3ステージ結果
1位 フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM) 4:24:47
2位 ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) +0:11
3位 ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
第4ステージ結果
1位 マシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) 4:01:12
2位 ローレンス・ピシー(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
3位 ダビド・ゴンサレス(スペイン、ピナレロQ36.5プロサイクリング)
第5ステージ結果
1位 ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) 3:16:46
2位 オスカー・オンリー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス) +0:03
3位 フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM)
個人総合成績
1位 フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM) 19:36:15
2位 オスカー・オンリー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス) +0:05
3位 ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) +0:12
その他の特別賞
ポイント賞 オスカー・オンリー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス)
山岳賞 オスカー・オンリー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス)
ヤングライダー賞 レオ・ビジオー(フランス、デカトロンCMA CGM)
チーム総合成績 ピクニック・ポストNL
text:Sotaro.Arakawa
photo:Vuelta a Burgos