今シーズン限りでの現役引退を表明していたナイロ・キンタナ(コロンビア)に、ブエルタでの花道は用意されなかった。モビスターが発表したブエルタ出場メンバーの中にキンタナの名前はなし。エンリク・マス(スペイン)やキアン・アイデブルックス(ベルギー)を主力にした8名が発表された。



4月のブエルタ・アストゥリアスで自身3度目の総合優勝に輝いたナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:Vuelta Asturias Julio Alvarez Mendo

36歳のキンタナにとって今季は現役最後のシーズン。3月に行われた引退発表会見ではこのブエルタ・ア・エスパーニャが現役最終レースとなることを語っていたものの、蓋を開けてみればチームから元ジロ・デ・イタリア(2014年)&ブエルタ(2016年)覇者に対して出場権は与えられなかった。

モビスターが発表した8名は、23歳のキアン・アイデブルックス(ベルギー)と31歳のエンリク・マス(スペイン)を中心とした布陣。スペインのAS紙は今週すでにキンタナが落選する見通しを報じており、この決定はゼネラルマネージャーのエウセビオ・ウンスエ氏によるものだったと伝えている。

ASによればキンタナに代わって最後の1枠に選ばれたのは、今シーズンのジロ・デ・イタリア第4ステージで2位に入り、かつてはマトリックス・パワータグに所属したオールイス・アウラール(ベネズエラ)だったという。キンタナとチーム双方からのコメントは世界選手権に出場するかは今のところなく、世界選手権に出場するかも未定の模様。

かつて3度総合2位となったエンリク・マス(スペイン、モビスター) photo:CorVos

モビスターにとって、キンタナ抜きのブエルタはアイデブルックスとマスへの期待がより一層大きくなる大会となる。アイデブルックスにとっては今シーズン2度目のグランツール出場であり、ツール・ド・フランスでは開幕週に体調を崩しリタイア。かつてツール・ド・ラヴニールを制した逸材だが、2023年ブエルタで記録した総合8位という結果をその後再現できておらず、復調なるかに期待がかかる。

これまでに4度の表彰台、うち3度は総合2位、さらにステージ2位が5回という結果を残してきたマス。直近のブエルタ・ア・ブルゴスでも5位と状態の良さを伺わせているものの、あらゆるビッグレースでは2位止まりで、2022年以来勝利から遠ざかっている。絶対王者タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)が出場する今大会での成績に注目したい。

text:So Isobe