グランフォンド世界選手権最終日に行われたロードレース。女子は80kmのメディオフォンド50-54歳クラスで優勝した仲村陽子をはじめ、計4名が表彰台に登壇した。レースの模様と表彰台登壇の4名のコメントをあわせてレポートする。



女子19-34歳のスタート photo:Makoto AYANO

4日間にわたりニセコ地域で開催されたUCIグランフォンド世界選手権。最終日はメインイベントのロードレースだ。女子は140kmのグランフォンドは19-34歳、35-39歳、40-44歳、45歳-49歳の4つ、80kmのメディオフォンドは50歳-54歳、54歳-59歳、60-64歳、65-69歳、70-74歳、75-79歳まで6つの年齢別カテゴリーが設定される。

140kmグランフォンドは、19-34歳と34-39歳、40歳-44歳と45-49歳のふたつのグループ分けでスタート。80kmメディオフォンドは6つのカテゴリーが同時スタート。表彰は年齢別カテゴリーごとに行われる。



80kmメディオフォンド 仲村陽子が殊勲のアルカンシェル 富士ヒル女王の大石由美子が2位

メディオフォンド女子50+メイン集団前方で走る仲村陽子(中央/FIETS) photo:Makoto AYANO

女子のメディオフォンドは50歳以上の6つのカテゴリー計109名が同時スタート。ニセコパノラマラインを経て50-54歳と55-59歳のクラス数名が先行し、この中に50-54歳クラスの仲村陽子と55-59歳クラスの大石由美子が入った。

50-54歳クラスで唯一この集団に入った仲村は、「周囲に同じカテゴリーの選手がいないことを確認し、落車などしないように走った」とレースを振り返り、最後はスプリント勝負には加わらず慎重にフィニッシュ。日本勢で今大会唯一のアルカンシェルを獲得した。

一方、50-59歳クラスはPenny PAWSON(ニュージーランド)と大石の勝負となり、PAWSONが女子メディオフォンドのトップでフィニッシュして50-54歳クラス優勝。大石は5秒差で2位となった。

80km50-54歳優勝 仲村陽子
「昨年の世界選2位でそれ以上の結果は望めないと思っていた」


女子80km 50-54歳 表彰式 photo:Syunsuke FUKUMITSU

一緒にスタートするグループに富士ヒル優勝の大石(由美子)さんがいたので、パノラマラインの登りで上がるんだろうなと予想していました。前回オーストラリアではまったりした登りでお話ができるくらいの強度だったのですが、今回は大石さんが先頭に出て引き始めたらバラバラになって、そこで先頭集団について頂上をクリアしました。

そこに同じクラスの選手がいなかったので、そのままゴールまで行けばチャンスはあるかもしれないと思い、落車やメカトラが起きないよう気を配りながら走りました。最後は男子選手も混じっている集団だったので、後方に誰も来ていないことを確認しつつ、落車に巻き込まれないように集団から離れてフィニッシュしました。

アルカンシェルを着て金メダルを見せる仲村陽子 photo:Satoru Kato

昨年オーストラリアの世界選手権で幸運にも2位になって銀メダルをもらって、それ以上の結果は望めないと思っていました。今回その上を行けたので自分でもビックリりしていますし、まだ実感が湧かないです。ニセコクラシックは過去にも出場しているので、自国開催だった事もあって地元の利はあったと思います。(今大会日本勢で唯一のアルカンシェルについて)私だけで申し訳ないという気持ちなのですが、表彰式で君が代が流れてジーンときたし、みんな喜んでくれたし良かったと思います。

次の目標はツール・ド・おきなわです。沖縄の人なのにツール・ド・おきなわは毎年ダメダメなので、なんとかしたいです。クライマーではないと思っているのですが、おきなわよりもハードなニセコの方が走れるんですよね。

80km55-59歳2位 大石由美子
「下で離されて諦めかけた。2位という結果は上出来」


女子80km 55-59歳 表彰式 photo:Syunsuke FUKUMITSU

海外選手が強かったです。最初はゆっくりでしたから脚をセーブして集団内にいましたけれど、このまま終わってしまうのもどうかと思ったのでパノラマラインに入ったら頑張って踏みました。前の集団に付いて行こうと思っていたけれど下りでチギれてしまって、優勝は無理だと思って諦めかけました。でも前に集団が見えたので頑張って追いついたら同じクラスの選手が4名いて、その後2名になって最後はスプリントで引き離されてしまいました。2位という結果は上出来だと思います。

次はツール・ド・おきなわに出ようか考え中です。来年のグランフォンドにも出てみたいなとも思ってます。



140kmグランフォンド 40-44歳で森廣真奈が2位、45-49歳で金子広美が2位

グランフォンド女子19-34歳のスタート photo:Makoto AYANO

女子140km19-34歳 コース中盤、Rotem GAFINOVIZ(イスラエル)が単独先行 photo:Satoru Kato
女子140km19-34歳+35-39歳の集団を引くのは市原知奈 photo:Satoru Kato


女子のグランフォンドは計137名が出走。19-34歳と35-39歳のグループはレース中盤、Rotem GAFINOVIZ(イスラエル)が単独先行。ニセコパノラマラインに入っても先行を続けていたがその後吸収される。ニセコパノラマラインを下り切ると20名ほどいた集団は10名ほどまで絞られ、この時点で日本人選手の姿が無くなる。

女子140km19歳-34歳+35-39歳 終盤の登りでペースアップし人数が絞られていく photo:Satoru Kato

女子140km35-39歳 スプリントで抜け出したKamila WOJCIKIEWICZ-PLOTKOWIAK(ポーランド)が優勝 photo:Satoru Kato

残り20km付近から始まる短い登り区間に入るとベルギーやポーランドの選手が中心となってペースアップして集団の人数を削り、残った12名でのスプリント勝負へ。大きく先行したKamila WOJCIKIEWICZ-PLOTKOWIAK(ポーランド)がこのグループの先頭でフィニッシュし、35-39歳クラス優勝。4秒差でフィニッシュしたSi LI(中国)が19-34歳クラス優勝となった。日本人選手では、19-34歳クラスで林優希が9位、35-39歳クラスで嶋野真美の14位が最高位となった。

女子140km 19-34歳 9位でフィニッシュする林優希 photo:Satoru Kato
女子140km 35-59歳 14位 嶋野真美 photo:Satoru Kato




女子140km40-44歳 スタートする森廣真奈(RoppongExpress) photo:Makoto AYANO

女子140km45-49歳 ニセコパノラマラインの登りで抜け出した金子広美とNicolien LUIJSTERBURG(オランダ) photo:Satoru Kato

女子140km45-49歳 Nicolien LUIJSTERBURG(オランダ)が僅差で先着 photo:Satoru Kato

40-44歳と45-49歳のグループはコース中盤まで大きな動きがないまま進行。「集団の人数が多かったので絞りたかった」と言う金子広美がニセコパノラマラインの登りに入ったところで飛び出し、Nicolien LUIJSTERBURG(オランダ)が追従。2名は後続との差を一気に1分以上まで広げて頂上をクリアする。

その後もローテーションを回しながらフィニッシュを目指し、最後はマッチスプリントへ。先に仕掛けた金子がリードしていたかに見えたが、その背後からまくりにかかったLUIJSTERBURGがフィニッシュライン上僅差で差し、45-49歳クラス優勝を決めた。

女子140km 40-44歳2位でフィニッシュした森廣真奈(RoppongExpress) photo:Satoru Kato

40-44歳クラスは、Alina MYLKA(ポーランド)が優勝。MYLKAと一緒に走っていたが遅れてしまったと言う森廣真奈が2位となった。

140km40-44歳2位 森廣真奈
「ポーランドの選手に勝ちたかったが2位という結果は良かった」


女子140km 40-44歳 森廣真奈が2位 photo:Satoru Kato

1位の人と一緒にずっと走っていたが、途中で1人で抜け出そうとしたけれどすごく強くてずっと付いてきて、逆に自分が最後にちぎられてしまいました。コースは試走を何度かしてわかっていたので、あとちょっとと思いながら走っていました。予選大会より距離が伸びたけれど、ロングの方が得意なのであまり問題は無かったです。

一昨日のチームリレーで悔しい思いをしたので、優勝したポーランドの選手には勝ちたいと思っていたのですが、表彰台を目標にしてきたので2位という結果は良かったと思います。デンマークでのグランフォンド世界選手権の時にロードレースを始めて3年目で目標を達成しました。次は10月のグラベル世界選手権でも表彰台を目指します。

140km45-49歳2位 金子広美
「支えてくれた人達に優勝で恩返ししたかった」


女子140km 45-49歳 金子広美が2位 photo:Satoru Kato

80km地点まで来ても大集団のままだったので、強い人は限られているから自分で仕掛けて人数を絞ろうと考え、作戦とは違ったけれどパノラマラインの入り口から仕掛けました。それで2人になって最初は1分でしたがその後3分まで開いて逃げ切りました。最後はリードしていたところ差されてしまいましたが、優勝したオランダの選手(LUIJSTERBURG)は強さも経験も上手でした。

1ヶ月前に落車で棘突起と尾骨を骨折し、口の中も15針縫う怪我をしてしまいました。精神的にも立て直すことに時間がかかってしまい、正直やめたかったけれど逃げたら負けと思い、昨日まで走れるのか分からない状態でいろんな人たちの力を借りてなんとかここまで走れました。その恩返しで勝てれば良かったのですけれど、全てを出せたので仕方ないのかなと。でも勝負から逃げずに臨めたので、まだ成長出来るなと思いました。次は国民スポーツ大会に向けて準備していきます。


text:Satoru Kato
photo:Satoru kato, Makoto AYANO, Syunsuke FUKUMITSU

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