フランスのワールドチームであるアルケア・B&Bホテルズが6月25日、タイトルスポンサー2社との契約が2025年シーズン限りで終了することを発表。現在チームは新たなスポンサー探しに奔走しており、ワールドチーム降格も現実味を帯びている。



チーム解散の危機に瀕しているアルケアB&Bホテルズ photo:CorVos

アルケア・B&Bホテルズのプレスリリースは「2つのタイトルパートナーから、2025年12月31日のシーズン終了をもって満了するそれぞれの契約を、(来年以降)更新しない通知を受けた」と報告。チームはそれぞれのスポンサーに感謝を伝えつつ、「新たなパートナーを全力で探している」とした。男子チームの他にアルケアは女子のプロチームであるアルケアB&Bホテルズ・ウィメンと、コンチネンタルチームの育成チームを有している。

フランスでも特に自転車競技が盛んな地域である、ブルターニュ地方を拠点とするアルケアは、2005年にコンチネンタルチームとして始動。2011年にプロチーム(当時プロコンチネンタルチーム)に昇格すると、ワレン・バルギル(フランス、現ピクニック・ポストNL)らを輩出。そして2023年、ついにトップカテゴリーであるワールドチームへの昇格を果たした。

先日閉幕したツール・ド・スイスで総合優勝に迫ったケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・B&Bホテルズ) photo:CorVos

2023年途中から加入したアルノー・デマール(フランス)を中心としたものの、多くの勝利には恵まれず、ワールドツアーでの勝利は2024年ツール・ド・フランスのケヴィン・ヴォークラン(フランス)による1勝のみ。巻き返しを狙った今季は9名が退団し、新規加入選手も下部チームからの昇格組を中心とする6名に留まった。また、2023〜25年の3年間で獲得したUCIポイントによるチームランキングでも、現在21位と降格圏(19位以下)に沈んでおり、厳しい状況だ。

報道によると、選手たちには他チームとの移籍交渉が許されているという。そのため、エーススプリンターであるデマールや若手のヴォークラン、ブエルタ・ア・エスパーニャでのステージ優勝経験があるフロリアン・セネシャル(フランス)などの去就が注目される。チームと選手たちにとっては、7月5日に開幕する母国最大のステージレース、ツール・ド・フランスでのアピールが極めて重要となる。

text:Sotaro.Arakawa
photo:Arkéa - B&B Hotels, CorVos