2日後の7月5日(土)、第112回ツール・ド・フランスが開幕する。フランス北部リールを出発する今大会は、集団スプリントが濃厚な平坦ステージで幕を上げ、第1週にはパンチャー向きの丘陵ステージや個人タイムトライアルも登場。そして革命記念日に迎える最初の本格山岳まで、序盤戦のコース詳細を紹介する。

ツール・ド・フランス2025 コースマップ image:A.S.O.
4年ぶりにフランス国内でスタートし、一度も国外に出ないフランスで完結する2025年のツール・ド・フランス。フランス北部でベルギーとの国境にも近いリールから、ブルターニュを経て反時計回りで中央山塊まで南下。ピレネーで第2週を走り、その後アルプス山脈でマイヨジョーヌの持ち主を決める山岳決戦が行われる。
今大会の総走行距離3,320kmに及ぶコースは39の街を巡り、21日間で平坦ステージが7、丘陵ステージが6、山岳ステージが6(山頂フィニッシュは5)、そして個人タイムトライアルが2つ設定されている。クイーン(最難関)ステージと目されるのは、ロズ峠(距離26.4km/平均6.5%)にフィニッシュする第18ステージで、この頂上2,304mが今大会の最高標高地点となる。
今年のトピックとしては、例年9日間で構成される第1週が、フランス革命記念日(7月14日)が月曜日にあたる影響で10ステージまであること。さらにアルプス山脈を終えた選手たちは、昨年パリ五輪の影響で叶わなかったパリ・シャンゼリゼでのフィナーレを迎える。しかし、例年の集団スプリントが予想される平坦ステージではなく、終盤に4級山岳モンマントル(距離1.1km/平均5.9%)を3度越えるレイアウトになっている。
7月5日(土)第1ステージ
リール・メトロポール〜リール・メトロポール 184.9km(平坦)

第1ステージ リール・メトロポール〜リール・メトロポール image:A.S.O.

リール・メトロポール〜リール・メトロポール 184.9km(平坦) image:A.S.O. デンマーク、スペイン、イタリアと国外スタートが続いたツール・ド・フランスは、4年ぶりにフランス国内からスタートする。その開幕地はフランス北部でベルギーとの国境近く、パリ〜ルーベのフィニッシュ地点にほど近いリール。そこから西側を時計回りに1周する184.9kmは、集団スプリントが濃厚な平坦ステージだ。
コース上には3つの4級山岳が設定され、マイヨアポワ(山岳賞)の着用を目指して熾烈な逃げ形成のアタックが繰り広げられることだろう。残り46.5km地点から始まる最終山岳モン・ノワール(距離1.3km/平均6.4%)を越え、最終ストレートは残り1.5kmから。17世紀に建設された美しい星形の城塞、シタデル・ド・リールで初日勝者が決定する。
大会初日が集団で決着すれば、2020年以来5年ぶりのこと。その際は、今大会出場していないアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が勝利し、マイヨジョーヌに袖を通した。
フィニッシュ予定時刻:午前0時46分頃(日本時間)
7月6日(日)第2ステージ
ロワン・プランク〜ブローニュ・シュル・メール 209.1km(丘陵)

第2ステージ ロワン・プランク〜ブローニュ・シュル・メール image:A.S.O.

ロワン・プランク〜ブローニュ・シュル・メール 209.1km(丘陵) image:A.S.O. 2025年ツールは2日目にして、総合勢が動いてくるかもしれない丘陵ステージが用意された。ロワン・プランクを出発した選手たちは西へ進路を取り、今大会最長である209.1kmを進み目指すのは、イギリス海峡に面したブローニュ・シュル・メール。2012年第3ステージで、マイヨヴェール姿のペテル・サガン(スロバキア、当時リクイガス・キャノンデール)がスプリント勝利した場所だ。
その道程は平坦基調だが、終盤に急勾配な3つのカテゴリー山岳が登場する。いずれも1km前後と短いものの、平均勾配10%前後と難易度は高い。特に残り9.7kmから始まる3級山岳サンテティエンヌ・オ・モン(距離1km/平均10.6%)と、4級山岳ウトロー(距離0.8km/平均8.8%)はピュアスプリンターを退けるには十分だ。
フィニッシュ手前も緩斜面のため、優勝者候補が立てづらいレイアウト。スプリンターのヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)から総合を狙うタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)まで、展開次第では幅広い脚質の選手たちにチャンスが生まれる。
フィニッシュ予定時刻:午前0時34分頃(日本時間)
7月7日(月)第3ステージ
バランシエンヌ〜ダンケルク 178.3km(平坦)

第3ステージ バランシエンヌ〜ダンケルク image:A.S.O.

バランシエンヌ〜ダンケルク 178.3km(平坦) image:A.S.O. 前日と同じく、この日も選手たちは内陸部からスタートし、海を目指して西に進む。違うのはイギリス海峡ではなく、北海を目指すこと。フィニッシュ地点はフランス最北端に位置し、ベルギーとの国境に近い港ダンケルクだ。
設定された唯一の4級山岳は、登坂距離2.3kmに平均勾配3.8%と取るに足りない難易度。しかしこの丘を超えた残り約30kmは、風にさらされる区間となる。レースディレクターであるクリスティアン・プリュドム氏が「エシュロン(横風分断)を促すように設定されている」と語る通り、方向の読めない風が集団に襲いかかる。
そのためレースは後半にかけてペースは上がるはず。なぜなら集団スプリントを狙うスプリンターチームはもちろん、総合タイムを失いたくないチームも同様に集団前方でエースを守ろうとするからだ。
フィニッシュ予定時刻:午前0時28分頃(日本時間)
7月8日(火)第4ステージ
アミアン・メトロポール〜ルーアン 174.2km(丘陵)

第4ステージ アミアン・メトロポール〜ルーアン image:A.S.O.

アミアン・メトロポール〜ルーアン 174.2km(丘陵) image:A.S.O. 横風による集団分断(エシュロン)が勝負を分けたかもしれないステージの翌日も、レース主催者はエシュロンを誘うレイアウトを用意した。174.2kmの丘陵ステージはアミアン・メトロポールを出発し、南西へと進むピカルディ平原では、名物の北風がレースを動かすだろう。
勝負所は残り28.9kmから始まる3級山岳ベルブフ(距離1.3km/平均9.1%)を含む、4つのカテゴリー山岳。特にラスト6kmから駆け上がる3級山岳ランプ・サン・ヒレール(距離0.8km/平均10.6%)は、最大15%と強烈。フィニッシュ前も緩斜面のため、激しいアタックの応酬が見られるか。
フィニッシュ予定時刻:午前0時32分頃(日本時間)
7月9日(水)第5ステージ
カーン〜カーン 33km(個人TT)

第5ステージ カーン〜カーン image:A.S.O.

カーン〜カーン 33km(個人TT) image:A.S.O. 2025年で創設1,000年を迎えた街カーンで行われるのは、総合順位に大きな影響を及ぼす個人タイムトライアルだ。市街地で走り出した選手たちは直後から緩やかな登り坂を進み、北西をぐるりと周り帰って来る33kmの大部分は、広い道幅のフラットコース。そのためTTスペシャリストたちがその力を存分に発揮するステージとなる。
中間計測地点は8.2km、16.4km、24.8kmの3箇所。残り約5km地点から市街地に戻ってくると、細かいコーナーをクリアし、フィニッシュ地点は緩やかに下った先にある。優勝候補は、TT世界王者であるレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)やフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)といったスペシャリストに加え、総合上位勢も有力。3週間に渡り繰り広げられるマイヨジョーヌ争いの、1回戦といえる戦いだ。
フィニッシュ予定時刻:午前0時42分頃(日本時間)
7月10日(木)第6ステージ
バイユー〜ヴィル・ノルマンディー 201.5km(丘陵)

第6ステージ バイユー〜ヴィル・ノルマンディー image:A.S.O.

バイユー〜ヴィル・ノルマンディー 201.5km(丘陵) image:A.S.O. 獲得標高は3,550mだが、コース分類は丘陵ステージ。レースディレクターのクリスティアン・プリュドム氏が「ツール史上最も過酷な”平坦”ステージ」とジョークで表す理由は、最も長い登坂距離でも5.6kmと本格山岳が一切登場しないためだ。
第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦において、連合国軍が最初に解放した主要都市バイユーをスタートし、南側を回るようにアプローチするのはヴィル・ノルマンディー。コースの大半は、その景観がスイスを思わせることから「スイス・ノルマンディー(ノルマンディーのスイス)」と呼ばれる地帯を駆けるため、アルデンヌクラシックのようなアップダウンが連続する。
コースにはカテゴリーの低い6つの山岳が散りばめられている。しかし最後に設定された4級山岳ヴォドリー(距離1.2km/平均7.2%)は最大勾配11%と強烈。さらにフィニッシュ地点は距離0.7km/平均10%を駆け上がった先にある。逃げ切りの可能性はもちろん、総合順位が動いても不思議ではない難易度である。
フィニッシュ予定時刻:午前0時26分頃(日本時間)
7月11日(金)第7ステージ
サン・マロ〜ミュール・ド・ブルターニュ 197km(丘陵)

第7ステージ サン・マロ〜ミュール・ド・ブルターニュ image:A.S.O.

サン・マロ〜ミュール・ド・ブルターニュ 197km(丘陵) image:A.S.O. フランスでも特に自転車競技の人気が高いのが、第7ステージの舞台であるフランス北西部のブルターニュだ。パンチャーのために仕立てられた197kmコースには、終盤に3つのカテゴリー山岳(4、3、3級)が凝縮。ラストは3級山岳ミュール・ド・ブルターニュ(距離2km/平均6.9%)を含む周回コースを2周し、最大勾配15%の登りは、ラ・フレーシュ・ワロンヌの「ユイの壁」のような壁感はないが強烈だ。
終盤の約70kmのレイアウトは、ブルターニュで開幕した2021年第2ステージと同じ。そのレースでは、1度目のミュール・ド・ブルターニュではマチュー・ファンデルプール(オランダ)がボーナスタイム獲得のためアタック。そして2度目は勝利を目指し踏み込むと、独走のままフィニッシュ地点に到達し、涙のマイヨジョーヌに袖を通した。
今大会も出場するファンデルプールを筆頭に、優勝候補には短い急坂で爆発的な加速ができるパンチャーが挙がる。
フィニッシュ予定時刻:午後11時51分頃(日本時間)
7月12日(土)第8ステージ
サン・メン・ル・グラン〜ラヴァル・エスパス・マイエンヌ 171.4km(平坦)

第8ステージ サン・メン・ル・グラン〜ラヴァル・エスパス・マイエンヌ image:A.S.O.

サン・メン・ル・グラン〜ラヴァル・エスパス・マイエンヌ 171.4km(平坦) image:A.S.O. 第3ステージ以来、5日ぶりにスプリンターの出番となる第8ステージ。その舞台はブルターニュを離れてマイエンヌ地方へ向かう平坦ステージだ。レース主催者が「コースの大部分は風を遮る地形」と太鼓判を押すため、集団スプリントを狙うチームがプロトンを先導し、最終ストレートになだれ込む可能性が極めて高い。
逃げ集団の人数次第だが、スプリントバトルの前哨戦である中間スプリントは、ヴィトレの残り85.9km地点に設定されている。終盤には4級山岳が登場するものの、登坂距離0.9kmに平均勾配3.8%と、スプリンターを退けるには不十分な難易度だ。最終ストレートは約1kmにわたる緩やかな登りで、最初にフィニッシュラインを通過するのは誰だ。
フィニッシュ予定時刻:午前0時13分頃(日本時間)
7月13日(日)第9ステージ
シノン〜シャトールー 174.1km(平坦)

第9ステージ シノン〜シャトールー image:A.S.O.

シノン〜シャトールー 174.1km(平坦) image:A.S.O. 例年ならば1週目の最終日だが、今大会は10ステージまであるため、選手たちは翌日の山岳ステージを意識しながらのレースとなる。シノンを出発する174.1kmは、カテゴリー山岳が登場しない唯一のフラットステージ。そのため大方の予想は2日連続となる集団スプリントだ。
フィニッシュ地点となるのは、非公式ながら市の名称が「カヴェンディッシュ・シティ」となったシャトールー。その理由は2008年にマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)がツール初区間優勝し、その後2011年、2021年と計3勝を飾った場所だから。シャトールーの市境サインの下には「カヴェンディッシュ・シティ」が加わり、地域をあげて5度目のフィニッシュ地点を盛り上げる。
フィニッシュ予定時刻:午前0時31分頃(日本時間)
7月14日(月)第10ステージ
エンヌザ〜ピュイ・ド・サンシー 165.3km(山岳)

第10ステージ エンヌザ〜ピュイ・ド・サンシー image:A.S.O.

エンヌザ〜ピュイ・ド・サンシー 165.3km(山岳) image:A.S.O. 2025年ツール・ド・フランス第1週を締めくくる7月14日は、フランスにとって最も重要な祝日である革命記念日にあたる。そのため例年9日間の1週目に1日追加され、そんな特別な日に行われるのが、2級山岳が7つも詰め込まれた今大会最初の山岳ステージだ。
エンヌザから中央山塊に入り、1つ目の2級山岳(距離4.1km/平均6.3%)からアップダウンの連続。選手たちが息をつける平坦路はほとんどない。徐々に標高上げながら、獲得標高差4,450mの登りをこなし、マイヨジョーヌ争いが勃発するであろうは残り30kmから。2級山岳コル・ド・ラ・クロワ・サン・ロベール(距離5.1km/平均6.4%)から一度下り、フィニッシュ地点は2級山岳モン・ドール(ピュイ・ド・サンシー)の頂上で、登坂距離3.3kmの平均勾配は8%だ。
ちなみにツールで革命記念日が月曜日に重なり、休息日が1日遅れたのは2014年以来11年ぶりのこと。その時も過酷な山岳ステージが用意され、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア)が強烈なアタックとともにマイヨジョーヌに袖を通した。
フィニッシュ予定時刻:午前0時38分頃(日本時間)
7月15日(火)休息日 トゥールーズ
text:Sotaro.Arakawa
image:A.S.O.

4年ぶりにフランス国内でスタートし、一度も国外に出ないフランスで完結する2025年のツール・ド・フランス。フランス北部でベルギーとの国境にも近いリールから、ブルターニュを経て反時計回りで中央山塊まで南下。ピレネーで第2週を走り、その後アルプス山脈でマイヨジョーヌの持ち主を決める山岳決戦が行われる。
今大会の総走行距離3,320kmに及ぶコースは39の街を巡り、21日間で平坦ステージが7、丘陵ステージが6、山岳ステージが6(山頂フィニッシュは5)、そして個人タイムトライアルが2つ設定されている。クイーン(最難関)ステージと目されるのは、ロズ峠(距離26.4km/平均6.5%)にフィニッシュする第18ステージで、この頂上2,304mが今大会の最高標高地点となる。
今年のトピックとしては、例年9日間で構成される第1週が、フランス革命記念日(7月14日)が月曜日にあたる影響で10ステージまであること。さらにアルプス山脈を終えた選手たちは、昨年パリ五輪の影響で叶わなかったパリ・シャンゼリゼでのフィナーレを迎える。しかし、例年の集団スプリントが予想される平坦ステージではなく、終盤に4級山岳モンマントル(距離1.1km/平均5.9%)を3度越えるレイアウトになっている。
7月5日(土)第1ステージ
リール・メトロポール〜リール・メトロポール 184.9km(平坦)


コース上には3つの4級山岳が設定され、マイヨアポワ(山岳賞)の着用を目指して熾烈な逃げ形成のアタックが繰り広げられることだろう。残り46.5km地点から始まる最終山岳モン・ノワール(距離1.3km/平均6.4%)を越え、最終ストレートは残り1.5kmから。17世紀に建設された美しい星形の城塞、シタデル・ド・リールで初日勝者が決定する。
大会初日が集団で決着すれば、2020年以来5年ぶりのこと。その際は、今大会出場していないアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が勝利し、マイヨジョーヌに袖を通した。
フィニッシュ予定時刻:午前0時46分頃(日本時間)
7月6日(日)第2ステージ
ロワン・プランク〜ブローニュ・シュル・メール 209.1km(丘陵)


その道程は平坦基調だが、終盤に急勾配な3つのカテゴリー山岳が登場する。いずれも1km前後と短いものの、平均勾配10%前後と難易度は高い。特に残り9.7kmから始まる3級山岳サンテティエンヌ・オ・モン(距離1km/平均10.6%)と、4級山岳ウトロー(距離0.8km/平均8.8%)はピュアスプリンターを退けるには十分だ。
フィニッシュ手前も緩斜面のため、優勝者候補が立てづらいレイアウト。スプリンターのヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)から総合を狙うタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)まで、展開次第では幅広い脚質の選手たちにチャンスが生まれる。
フィニッシュ予定時刻:午前0時34分頃(日本時間)
7月7日(月)第3ステージ
バランシエンヌ〜ダンケルク 178.3km(平坦)


設定された唯一の4級山岳は、登坂距離2.3kmに平均勾配3.8%と取るに足りない難易度。しかしこの丘を超えた残り約30kmは、風にさらされる区間となる。レースディレクターであるクリスティアン・プリュドム氏が「エシュロン(横風分断)を促すように設定されている」と語る通り、方向の読めない風が集団に襲いかかる。
そのためレースは後半にかけてペースは上がるはず。なぜなら集団スプリントを狙うスプリンターチームはもちろん、総合タイムを失いたくないチームも同様に集団前方でエースを守ろうとするからだ。
フィニッシュ予定時刻:午前0時28分頃(日本時間)
7月8日(火)第4ステージ
アミアン・メトロポール〜ルーアン 174.2km(丘陵)


勝負所は残り28.9kmから始まる3級山岳ベルブフ(距離1.3km/平均9.1%)を含む、4つのカテゴリー山岳。特にラスト6kmから駆け上がる3級山岳ランプ・サン・ヒレール(距離0.8km/平均10.6%)は、最大15%と強烈。フィニッシュ前も緩斜面のため、激しいアタックの応酬が見られるか。
フィニッシュ予定時刻:午前0時32分頃(日本時間)
7月9日(水)第5ステージ
カーン〜カーン 33km(個人TT)


中間計測地点は8.2km、16.4km、24.8kmの3箇所。残り約5km地点から市街地に戻ってくると、細かいコーナーをクリアし、フィニッシュ地点は緩やかに下った先にある。優勝候補は、TT世界王者であるレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)やフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)といったスペシャリストに加え、総合上位勢も有力。3週間に渡り繰り広げられるマイヨジョーヌ争いの、1回戦といえる戦いだ。
フィニッシュ予定時刻:午前0時42分頃(日本時間)
7月10日(木)第6ステージ
バイユー〜ヴィル・ノルマンディー 201.5km(丘陵)


第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦において、連合国軍が最初に解放した主要都市バイユーをスタートし、南側を回るようにアプローチするのはヴィル・ノルマンディー。コースの大半は、その景観がスイスを思わせることから「スイス・ノルマンディー(ノルマンディーのスイス)」と呼ばれる地帯を駆けるため、アルデンヌクラシックのようなアップダウンが連続する。
コースにはカテゴリーの低い6つの山岳が散りばめられている。しかし最後に設定された4級山岳ヴォドリー(距離1.2km/平均7.2%)は最大勾配11%と強烈。さらにフィニッシュ地点は距離0.7km/平均10%を駆け上がった先にある。逃げ切りの可能性はもちろん、総合順位が動いても不思議ではない難易度である。
フィニッシュ予定時刻:午前0時26分頃(日本時間)
7月11日(金)第7ステージ
サン・マロ〜ミュール・ド・ブルターニュ 197km(丘陵)


終盤の約70kmのレイアウトは、ブルターニュで開幕した2021年第2ステージと同じ。そのレースでは、1度目のミュール・ド・ブルターニュではマチュー・ファンデルプール(オランダ)がボーナスタイム獲得のためアタック。そして2度目は勝利を目指し踏み込むと、独走のままフィニッシュ地点に到達し、涙のマイヨジョーヌに袖を通した。
今大会も出場するファンデルプールを筆頭に、優勝候補には短い急坂で爆発的な加速ができるパンチャーが挙がる。
フィニッシュ予定時刻:午後11時51分頃(日本時間)
7月12日(土)第8ステージ
サン・メン・ル・グラン〜ラヴァル・エスパス・マイエンヌ 171.4km(平坦)


逃げ集団の人数次第だが、スプリントバトルの前哨戦である中間スプリントは、ヴィトレの残り85.9km地点に設定されている。終盤には4級山岳が登場するものの、登坂距離0.9kmに平均勾配3.8%と、スプリンターを退けるには不十分な難易度だ。最終ストレートは約1kmにわたる緩やかな登りで、最初にフィニッシュラインを通過するのは誰だ。
フィニッシュ予定時刻:午前0時13分頃(日本時間)
7月13日(日)第9ステージ
シノン〜シャトールー 174.1km(平坦)


フィニッシュ地点となるのは、非公式ながら市の名称が「カヴェンディッシュ・シティ」となったシャトールー。その理由は2008年にマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)がツール初区間優勝し、その後2011年、2021年と計3勝を飾った場所だから。シャトールーの市境サインの下には「カヴェンディッシュ・シティ」が加わり、地域をあげて5度目のフィニッシュ地点を盛り上げる。
フィニッシュ予定時刻:午前0時31分頃(日本時間)
7月14日(月)第10ステージ
エンヌザ〜ピュイ・ド・サンシー 165.3km(山岳)


エンヌザから中央山塊に入り、1つ目の2級山岳(距離4.1km/平均6.3%)からアップダウンの連続。選手たちが息をつける平坦路はほとんどない。徐々に標高上げながら、獲得標高差4,450mの登りをこなし、マイヨジョーヌ争いが勃発するであろうは残り30kmから。2級山岳コル・ド・ラ・クロワ・サン・ロベール(距離5.1km/平均6.4%)から一度下り、フィニッシュ地点は2級山岳モン・ドール(ピュイ・ド・サンシー)の頂上で、登坂距離3.3kmの平均勾配は8%だ。
ちなみにツールで革命記念日が月曜日に重なり、休息日が1日遅れたのは2014年以来11年ぶりのこと。その時も過酷な山岳ステージが用意され、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア)が強烈なアタックとともにマイヨジョーヌに袖を通した。
フィニッシュ予定時刻:午前0時38分頃(日本時間)
7月15日(火)休息日 トゥールーズ
text:Sotaro.Arakawa
image:A.S.O.
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