ツール・ド・フランスに出場中だったマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が、体調悪化により途中棄権することがチームより発表された。診断の結果は肺炎。今後は静養と経過観察に専念するという。



第2ステージで勝利し、雄叫びを上げるマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos

第2ステージでタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)を破ってステージ優勝とマイヨジョーヌ獲得、第6ステージでは執念の走りでマイヨジョーヌを奪還、その後も積極果敢に走りツール・ド・フランスを沸かせたファンデルプールが途中リタイアする。

チームによればファンデルプールはここ数日間、風邪のような症状を訴えており、体調の低下が続いていた。チームドクターの監督のもと症状の推移を見守っていたが、昨日午後になって状態が急速に悪化。発熱を伴う症状が現れ、フランス南部のナルボンヌ市立病院に搬送され、精密検査を受けたところ肺炎と診断されたという。

第2ステージでマイヨジョーヌを獲得。第5ステージでポガチャルに奪われるも翌日の第6ステージで奪還 photo:CorVos

第9ステージで0km地点から残り700mまで逃げたマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:A.S.O.

チームは医療スタッフと協議したうえでファンデルプールのレース棄権撤退を決定。アルペシン・ドゥクーニンクはSNS投稿の中で「マチューの健康が最優先であり、現在は休養と回復が不可欠」と綴っている。

ファンデルプールは少なくとも1週間の完全休養が必要とされており、その後の検診結果に応じてリハビリや競技復帰の可否が判断されるという。

チームにとっては第3ステージで落車、鎖骨骨折したヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)に続き、2大エースをどちらも欠く事態になった。

text:So Isobe