「まるで夢のようだ」と語るテイメン・アレンスマンが見せた、13km独走による今大会2勝目。一方、マイヨジョーヌのタデイ・ポガチャルは「あと2日でパリだ」と4度目の総合優勝を見据え、ライバルたちの攻撃を封じ込め、マイヨジョーヌを堅持した。
ステージ優勝 テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ)

残り13kmから飛び出したテイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) photo:A.S.O.
身体がボロボロだよ。信じられない。逃げからステージ1勝しただけでも信じられないのに、総合争いをする集団から飛び出し、世界トップの選手たちを相手に勝てたなんてまるで夢のようだ。何が起こったのかまだ理解できていない。
(最終山岳)ラ・プラーニュに向かう下りのあと、一緒にいたトビアス(フォス)が「明日のチャンスを狙おう」と無線で話していた。だけど僕はトビアスとザック(デンプスター監督)に無線で「今日は最後の山岳ステージ。僕には総合争いという目標はないが、登りで数km粘って脚の様子を見てみるよ」と伝えた。だからトビアスに「今日は下がっていい。でも明日は君が勝利を狙う番。僕は今日、自分のできることをやってみる」と言った。

2秒差で後続を振り切り、勝利したテイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
実際に登り始めてみると、コントロールできるだけの力があった。だから「総合争いをしていないので、もしかしたら他の選手たちは牽制し合うかもしれない。それならアタックしてみよう」と思った。そこに諦めるという選択肢はなかった。相手はタデイ(ポガチャル)やヨナス(ヴィンゲゴー)という皆が知っている宇宙人みたいなほど強い相手。僕はただの人間だが、それでも倒してみたかった。今日、彼ら相手に勝てたなんて信じられない。

フィニッシュ直後、座り込むテイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) photo:A.S.O.
(先頭に立ってからは)後ろを見ず、ただ全力で踏み続けた。それが(勝利に)ギリギリ足りたんだ。本当にクレイジーなレースだったよ。
ステージ2位&総合2位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)

ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos
どうしても今日、ステージ優勝が欲しかった。だがテイメン(アレンスマン)は本当に強かった。彼は今日の勝者にふさわしい。今日は調子がよく、ステージ優勝に向けて集中していた。だが、残念ながら届かなかった。
ステージ3位&マイヨジョーヌ&マイヨアポワ(山岳賞) タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)

マイヨジョーヌを堅守したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:A.S.O.
チームは最終山岳まで(集団牽引という)とても良い走りを見せた。だけどその後はいくつかのチームや、数名の選手がまるで「19kmの登りをスプリントできる」とでも思っているような速さで登り始めた。ヨナスがステージ優勝を狙ってくると思っていたが、最終的に彼はずっと僕の背後についているだけだった。
アレンスマンが良いアタックを仕掛け、僕は追わずに自分のリズムをキープすることにした。自分が最も快適だと感じるペースを維持することにした。そうしたらああいう結果となった。とにかく終わって良かったし、あと2日でパリだ。
最終的に登りの大部分を僕が牽引する形となった。フィニッシュではかなり疲れた。ここ3日間は本当に厳しい戦いだったからね。今日という日が終わって嬉しいし、これはツールなのであと2日、集中を切らさず戦う。
ステージ4位&マイヨブラン(ヤングライダー賞) フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)

マイヨブランを着て山岳決戦に臨むリポヴィッツ photo:A.S.O.
昨日は力を無駄に使いすぎてしまった。今日は周りや自分自身からのプレッシャーを受けて臨んだ。それに対応できたことに満足している。チームとして良い走りができ、ファンの声援も楽しむことができた。今日、僕が一番沿道からの応援が多かったんじゃないかな。
今日の目標は彼(オンリー)をマークすることだった。残り2kmで苦しそうにする彼を見て、全力で踏み込んだ。最後のスプリントでは濡れた路面で危うく落車するところだった。幸いにも回避できたけどね。
ステージ5位&総合4位 オスカー・オンリー(イギリス、ピクニック・ポストNL)
今日はチームの皆が本当に素晴らしい仕事をしてくれた。すごく満足している。フランク(ファンデンブルーク)はとても強く、ラ・プラーニュの登り口まで僕をしっかりサポートしてくれた。
もちろん、もう一つ上の順位に上がれたら最高だったけど、ツールが始まる前に「残り数ステージで総合4位にいる」って言われたら、たぶん信じなかったと思う。それくらい信じられない位置にいる。今日は自分の持てるすべてを出し切ったから、一切の後悔はない。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, A.S.O.
ステージ優勝 テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ)

身体がボロボロだよ。信じられない。逃げからステージ1勝しただけでも信じられないのに、総合争いをする集団から飛び出し、世界トップの選手たちを相手に勝てたなんてまるで夢のようだ。何が起こったのかまだ理解できていない。
(最終山岳)ラ・プラーニュに向かう下りのあと、一緒にいたトビアス(フォス)が「明日のチャンスを狙おう」と無線で話していた。だけど僕はトビアスとザック(デンプスター監督)に無線で「今日は最後の山岳ステージ。僕には総合争いという目標はないが、登りで数km粘って脚の様子を見てみるよ」と伝えた。だからトビアスに「今日は下がっていい。でも明日は君が勝利を狙う番。僕は今日、自分のできることをやってみる」と言った。

実際に登り始めてみると、コントロールできるだけの力があった。だから「総合争いをしていないので、もしかしたら他の選手たちは牽制し合うかもしれない。それならアタックしてみよう」と思った。そこに諦めるという選択肢はなかった。相手はタデイ(ポガチャル)やヨナス(ヴィンゲゴー)という皆が知っている宇宙人みたいなほど強い相手。僕はただの人間だが、それでも倒してみたかった。今日、彼ら相手に勝てたなんて信じられない。

(先頭に立ってからは)後ろを見ず、ただ全力で踏み続けた。それが(勝利に)ギリギリ足りたんだ。本当にクレイジーなレースだったよ。
ステージ2位&総合2位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)

どうしても今日、ステージ優勝が欲しかった。だがテイメン(アレンスマン)は本当に強かった。彼は今日の勝者にふさわしい。今日は調子がよく、ステージ優勝に向けて集中していた。だが、残念ながら届かなかった。
ステージ3位&マイヨジョーヌ&マイヨアポワ(山岳賞) タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)

チームは最終山岳まで(集団牽引という)とても良い走りを見せた。だけどその後はいくつかのチームや、数名の選手がまるで「19kmの登りをスプリントできる」とでも思っているような速さで登り始めた。ヨナスがステージ優勝を狙ってくると思っていたが、最終的に彼はずっと僕の背後についているだけだった。
アレンスマンが良いアタックを仕掛け、僕は追わずに自分のリズムをキープすることにした。自分が最も快適だと感じるペースを維持することにした。そうしたらああいう結果となった。とにかく終わって良かったし、あと2日でパリだ。
最終的に登りの大部分を僕が牽引する形となった。フィニッシュではかなり疲れた。ここ3日間は本当に厳しい戦いだったからね。今日という日が終わって嬉しいし、これはツールなのであと2日、集中を切らさず戦う。
ステージ4位&マイヨブラン(ヤングライダー賞) フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)

昨日は力を無駄に使いすぎてしまった。今日は周りや自分自身からのプレッシャーを受けて臨んだ。それに対応できたことに満足している。チームとして良い走りができ、ファンの声援も楽しむことができた。今日、僕が一番沿道からの応援が多かったんじゃないかな。
今日の目標は彼(オンリー)をマークすることだった。残り2kmで苦しそうにする彼を見て、全力で踏み込んだ。最後のスプリントでは濡れた路面で危うく落車するところだった。幸いにも回避できたけどね。
ステージ5位&総合4位 オスカー・オンリー(イギリス、ピクニック・ポストNL)
今日はチームの皆が本当に素晴らしい仕事をしてくれた。すごく満足している。フランク(ファンデンブルーク)はとても強く、ラ・プラーニュの登り口まで僕をしっかりサポートしてくれた。
もちろん、もう一つ上の順位に上がれたら最高だったけど、ツールが始まる前に「残り数ステージで総合4位にいる」って言われたら、たぶん信じなかったと思う。それくらい信じられない位置にいる。今日は自分の持てるすべてを出し切ったから、一切の後悔はない。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, A.S.O.
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