ピクニック・ポストNLは8月20日、ブエルタ・ア・エスパーニャに出場する8名を発表した。総合エースを担う予定だったマックス・プール(イギリス)が伝染性単核球症によって急遽メンバーから外れ、代わりに20歳のギリェルモ・マルティネス(コロンビア)がグランツールデビューを果たす。



伝染性単核球症によりメンバー外となったマックス・プール(イギリス) photo:CorVos

EBウイルス(エプスタイン・バール・ウイルス)の感染によって引き起こされる伝染性単核球症は、倦怠感や発熱、咽頭痛などを伴い、4週間ほど症状が続くとされる感染症だ。自転車界では過去にマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)や、ジロ・ローザで区間優勝した萩原麻由子が患ったことで知られている。

下部チーム出身で、今年プロ3年目を迎えたプールは22歳のクライマー。今年はジロ・デ・イタリアに初出場し、総合11位(ヤングライダー賞3位)と健闘。しかし、ブエルタ・ア・エスパーニャに向けたトレーニングで不調を訴え、今月上旬のツール・ド・ポローニュで症状が悪化したためリタイア。その後の検査の結果、伝染性単核球症であることが判明した。

プールは「ここ数週間、自分の状態が分からず難しい時期を過ごしたが、原因が分かり、回復に集中できてホッとしている。ブエルタを走れないのは残念だが、チームの健闘を心から祈っている」とコメントした。代役には、今年プロデビューしたチーム唯一の南米出身クライマー、ギリェルモ・マルティネス(コロンビア)が選ばれた。

出場する8名は以下の通りだ。

パトリック・エディ(オーストラリア)
クリス・ハミルトン(オーストラリア)
ビョルン・ケルト(イギリス)
ハイス・レイムライゼ(オランダ)
ギリェルモ・マルティネス(コロンビア)
ティモ・ローセン(オランダ)
カスペル・ファンウーデン(オランダ)
ケヴィン・ヴェルマーク(アメリカ)


グランツールデビューのジロで勝利を飾ったカスペル・ファンウーデン(オランダ、ピクニック・ポストNL) photo:CorVos

平均年齢24.8歳と若いチームでエーススプリンターを担うのは、今年のジロ・デ・イタリアで自身初となるグランツール区間優勝を飾ったファンウーデンだ。グランツールは2度目、ブエルタは初出場となる24歳だが、ジロではオラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)らを破るなど急成長を見せている。

また山岳ではケヴィン・ヴェルマーク(アメリカ)やクリス・ハミルトン(オーストラリア)がステージ優勝を狙い、前述のマルティネスの走りにも期待がかかる。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos