ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)の現役最終レースとなる第21回ツアー・オブ・ブリテンが開幕。初日のスプリントをオラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)が制してリーダージャージを手に入れた。

現役最終レースとなるゲラント・トーマス(イギリス)と、特別ジャージで揃えたイネオス・グレナディアーズのメンバー photo:CorVos
イギリス最大かつ最古のステージレース「ロイズバンク・ツアー・オブ・ブリテン」が開幕した。第21回目となる2025年大会では全長886km、東部のウッドブリッジから出発し、ウェールズのカーディフへと至るルートが組まれている。
開幕3日間はフラットな展開で、オラフ・コーイ(オランダ)やマシュー・ブレナン(イギリス)のようなスプリンターの出番。彼らを擁するヴィスマ・リースアバイクのようなスプリンター揃いのチームが序盤ステージを支配するはず。第4ステージ以降は勝負の様相が一変する。パンチ力のある丘陵ステージが3日間続き、クライマックスはウェールズ2連戦。5日目には登坂距離5.5km/平均7%超の山岳フィニッシュが登場し、最終日終盤に用意された「ケルフィリーマウンテン」が総合争いの最終決戦となる。
総合争いに絡むと見られているのはレッドブル・ボーラ・ハンスグローエへの移籍を決めたレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)や、ツール・ド・フランス総合4位のオスカー・オンリー(イギリス、ピクニック・ポストNL)、ぺリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)といったオールラウンダーたち。特にオンリーは昨年大会で2位だった雪辱を果たしたいところ。ジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリング)の積極的なアタックにも期待したい。
このレースを特別なものにするのが、故郷フィニッシュを迎えるゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)の現役ラストレースであること。ウェールズの竜や、これまでの戦績ををあしらった特別ジャージでチームメイトと揃え、バイクやヘルメット、シューズも全てスペシャルデザインの一点もの。地元カーディフにゴールする最終日は大歓声に包まれることは必至だ。

後半まで逃げた4選手。ミラン・ランホーフェ(ベルギー、フランダース・バロワーズ)が山岳賞を獲得している photo:CorVos
この日はUCIプロチーム勢4名が逃げ、スプリントに燃えるヴィスマ勢がメイン集団を引っ張る展開で進行。ステージ後半戦に入るとトーマスもサムエル・ワトソン(イギリス)のために集団牽引に尽力したが、フロントタイヤのパンクで集団から離脱している。
ゴール前1.1kmからスプリントトレインを動かしたヴィスマ勢は、タイトなコーナーを乗り越えつつ勢いを維持した。マシュー・ブレナンが最後300mでリードアウトを行い、強い向かい風の中でもハイペースをキープ。緩斜面勾配の最終局面でトルド・グドメスタ(ノルウェー、デカトロン・AG2Rラモンディアール)が猛烈な早駆けを披露したものの、タイミングを待ち続けたコーイがフィニッシュ直前でパス。ヴィスマが狙い通り開幕スプリント勝利を手繰り寄せた。

先行するトルド・グドメスタ(ノルウェー、デカトロン・AG2Rラモンディアール)をオラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)がパス photo:CorVos

開幕勝利を挙げたオラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos
「いきなり勝利でスタートできて嬉しいよ。2023年は開幕から4連勝できたし、今回も期待を胸にスタートしたんだ。風が強くて最後は登り。最終コーナーに進入する時には良いポジション取りが必要だと分かっていた。その後は耐えることだけ。チームメイトは本当に良い仕事をしてくれて、最後の数百メートルで正しいポジションを見つけることができたんだ。強い向かい風だったので簡単ではなかったけれど幸い最後まで走りきるだけの脚があったんだ」と、リーダージャージを受け取ったコーイは言う。

リーダージャージに袖を通したオラフ・コーイ(オランダ、ィスマ・リースアバイク) photo:CorVos
これにてヴィスマの今季勝利数は33に到達。サバイバルレースを得意とするブレナンとコーイがさらにヴィスマの勝利数を伸ばすだろうと予想されている。パンクに見舞われたトーマスは25秒遅れ106位でフィニッシュしている。

イギリス最大かつ最古のステージレース「ロイズバンク・ツアー・オブ・ブリテン」が開幕した。第21回目となる2025年大会では全長886km、東部のウッドブリッジから出発し、ウェールズのカーディフへと至るルートが組まれている。
開幕3日間はフラットな展開で、オラフ・コーイ(オランダ)やマシュー・ブレナン(イギリス)のようなスプリンターの出番。彼らを擁するヴィスマ・リースアバイクのようなスプリンター揃いのチームが序盤ステージを支配するはず。第4ステージ以降は勝負の様相が一変する。パンチ力のある丘陵ステージが3日間続き、クライマックスはウェールズ2連戦。5日目には登坂距離5.5km/平均7%超の山岳フィニッシュが登場し、最終日終盤に用意された「ケルフィリーマウンテン」が総合争いの最終決戦となる。
総合争いに絡むと見られているのはレッドブル・ボーラ・ハンスグローエへの移籍を決めたレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)や、ツール・ド・フランス総合4位のオスカー・オンリー(イギリス、ピクニック・ポストNL)、ぺリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)といったオールラウンダーたち。特にオンリーは昨年大会で2位だった雪辱を果たしたいところ。ジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリング)の積極的なアタックにも期待したい。
このレースを特別なものにするのが、故郷フィニッシュを迎えるゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)の現役ラストレースであること。ウェールズの竜や、これまでの戦績ををあしらった特別ジャージでチームメイトと揃え、バイクやヘルメット、シューズも全てスペシャルデザインの一点もの。地元カーディフにゴールする最終日は大歓声に包まれることは必至だ。

この日はUCIプロチーム勢4名が逃げ、スプリントに燃えるヴィスマ勢がメイン集団を引っ張る展開で進行。ステージ後半戦に入るとトーマスもサムエル・ワトソン(イギリス)のために集団牽引に尽力したが、フロントタイヤのパンクで集団から離脱している。
ゴール前1.1kmからスプリントトレインを動かしたヴィスマ勢は、タイトなコーナーを乗り越えつつ勢いを維持した。マシュー・ブレナンが最後300mでリードアウトを行い、強い向かい風の中でもハイペースをキープ。緩斜面勾配の最終局面でトルド・グドメスタ(ノルウェー、デカトロン・AG2Rラモンディアール)が猛烈な早駆けを披露したものの、タイミングを待ち続けたコーイがフィニッシュ直前でパス。ヴィスマが狙い通り開幕スプリント勝利を手繰り寄せた。


「いきなり勝利でスタートできて嬉しいよ。2023年は開幕から4連勝できたし、今回も期待を胸にスタートしたんだ。風が強くて最後は登り。最終コーナーに進入する時には良いポジション取りが必要だと分かっていた。その後は耐えることだけ。チームメイトは本当に良い仕事をしてくれて、最後の数百メートルで正しいポジションを見つけることができたんだ。強い向かい風だったので簡単ではなかったけれど幸い最後まで走りきるだけの脚があったんだ」と、リーダージャージを受け取ったコーイは言う。

これにてヴィスマの今季勝利数は33に到達。サバイバルレースを得意とするブレナンとコーイがさらにヴィスマの勝利数を伸ばすだろうと予想されている。パンクに見舞われたトーマスは25秒遅れ106位でフィニッシュしている。
ツアー・オブ・ブリテン2025第1ステージ結果
1位 | オラフ・コーイ(オランダ、ィスマ・リースアバイク) | 3:29:01 |
2位 | トルド・グドメスタ(ノルウェー、デカトロン・AG2Rラモンディアール) | |
3位 | ユーゴ・オフステテール(フランス、イスラエル・プレミアテック) | |
4位 | ティムトーン・トイテンベルク(ドイツ、リドル・トレック) | |
5位 | アルベルト・ダイネーゼ(イタリア、チューダープロサイクリング) | |
6位 | サムエル・ワトソン(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
7位 | トム・クラッベ(ベルギー、フランダース・バロワーズ) | |
8位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | |
9位 | ローリー・タウンセンド(アイルランド、Q36.5プロサイクリング) | |
10位 | ジュール・ヘステルス(ベルギー、フランダース・バロワーズ) |
個人総合成績
1位 | オラフ・コーイ(オランダ、ィスマ・リースアバイク) | 3:28:51 |
2位 | トルド・グドメスタ(ノルウェー、デカトロン・AG2Rラモンディアール) | +0:01 |
3位 | ユーゴ・オフステテール(フランス、イスラエル・プレミアテック) | +0:04 |
4位 | ミラン・ランホーフェ(ベルギー、フランダース・バロワーズ) | +0:06 |
5位 | ジョシュア・ゴリッカー(イギリス、イギリスナショナルチーム) | +0:07 |
6位 | ディエゴ・ウリアテ(スペイン、エキポ ケルンファルマ) | +0:08 |
7位 | ティムトーン・トイテンベルク(ドイツ、リドル・トレック) | +0:09 |
8位 | アルベルト・ダイネーゼ(イタリア、チューダープロサイクリング) | +0:10 |
9位 | サムエル・ワトソン(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
10位 | トム・クラッベ(ベルギー、フランダース・バロワーズ) |
その他の特別賞
山岳賞 | ミラン・ランホーフェ(ベルギー、フランダース・バロワーズ) |
ポイント賞 | オラフ・コーイ(オランダ、ィスマ・リースアバイク) |
ヤングライダー賞 | ミラン・ランホーフェ(ベルギー、フランダース・バロワーズ) |
チーム総合成績 | デカトロン・AG2Rラモンディアール |
text:So.Isobe
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