平均48.7km/hで優勝したゾーイ・バックステッド(イギリス、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト) photo:Simac Ladies Tour とうもろこし畑の中を走るピュアスピードコースでの注目は、ウィーベスが首位を走る総合成績がどう変化するか。この日スタート時点での総合成績は、2位のメーガン・ジャストラブ(アメリカ、ピクニック・ポストNL)はウィーベスから30秒差で、3位エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック)は34秒差、総合4位マルゴー・ヴィジー(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)は40秒差で続く。
今季限りで引退するエレン・ファンダイク(オランダ、リドル・トレック)はステージ3位 photo:Simac Ladies Tour この日は、今季限りでの引退を表明しているエレン・ファンダイク(オランダ、リドル・トレック)が好走してホットシートへ。過去に3度タイムトライアルの世界チャンピオンに輝いたスピード自慢は暫くホットシートを守ったものの、クリスティーナ・シュヴァインバーガー(オーストリア、フェニックス・ドゥクーニンク)が11秒上回る。更にイギリスの個人TTナショナルチャンプであるゾーイ・バックステッド(イギリス、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)がシュヴァインバーガーを更に6秒上回るタイムでフィニッシュラインに飛び込んだ。
ステージ9位の好走で総合リードを広げたロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) photo:Simac Ladies Tour バックステッドが暫定首位を守ったまま、いよいよ総合上位勢がスタートしていく。ヴィジーはバックステッドから49秒遅れで、バルサモは47秒遅れ、ジャストラブは53秒遅れ、猛烈なスプリントで飛び込んだ最終走者ウィーベスは33秒遅れ。こうして平均48.7km/hをマークしたバックステッドが今季の個人TT3勝目となるステージ優勝を達成すると共に、ウィーベスが総合ライバル勢をさらに突き放してリードを拡大することになった。
総合優勝まであと一歩に迫ったロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)。翌日のスプリントにも期待がかかる photo:Simac Ladies Tour 連勝記録が4で止まったものの、目標に据える総合優勝に向けて大きく前進したウィーベスは「総合リーダージャージを守れて嬉しい。明日のグラベル区間は厳しいだろうけど、チームは強く、みんな準備はできている」と余裕を漂わせる。翌日はリヒテンフォルデを発着する平坦ステージだが、ウィーベスが警戒するようにコース前半にはグラベル区間が集中する。シクロクロスの下地もあるウィーベスが区間5勝目を獲るかどうかにも注目だ。