11日振りに集団スプリントで決着したブエルタ・ア・エスパーニャ第19ステージ。盤石のリードアウトから発射したヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)がピーダスンらを退け、今大会3勝目を手に入れた。

前日勝者のガンナ photo:CorVos 
ヴィヴィアーニでの勝利狙うロット photo:CorVos

マイヨロホで第19ステージに臨むヴィンゲゴー photo:CorVos
9月12日(金)第19ステージ
ルエダ〜ギフエロ 161.9km(平坦)
獲得標高差 1,517m

第19ステージ ルエダ〜ギフエロ image:A.S.O. ようやく第80回ブエルタ・ア・エスパーニャに、第8ステージ以来となるスプリントチャンスがやってきた。ルエダから南のイベリコ豚のハモン(生ハム)の産地ギフエロへ至る161.9kmのコースに、カテゴリー山岳は一切登場しない。獲得標高差1,517mは“パンケーキ・フラット”と呼ぶほどではないものの、スプリンターチームにとって逃すことのできないチャンスとなる。
僅かな逃げ切りのチャンスに賭けて飛び出したのは、ヤコブ・オトルバ(チェコ、カハルラル・セグロスRGA)とヴィクター・ゲルナレック(フランス、アルケア・B&Bホテルズ)の2名。この動きを見送ったメイン集団は、この日の最有力と見られたヤスペル・フィリプセン(ベルギー)のアルペシン・ドゥクーニンクと、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)を擁するロットが牽引した。先頭は2分のリードを拡げたものの、ゲルナレックが遅れ、27歳にして今年プロデビューしたオトルバが単独先頭に立った。

プロトンを飛び出し、逃げたヤコブ・オトルバ(チェコ、カハルラル・セグロスRGA) photo:A.S.O.

プロトンを先導するアルペシン・ドゥクーニンクとロット photo:A.S.O.
2023年にチェコのタイムトライアル王者に輝いたオトルバは、最大4分のリードを得る。途中、騎乗した馬と並走するシーンもあり、テレビ中継の画面を独り占めにしながら残り58.9km地点の中間スプリントを通過。旧市街全体がユネスコの世界遺産に登録されているこのサラマンカでは、2位通過を争うスプリントバトルが勃発した。
マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)がマイヨプントス(ポイント賞)のリードを広げようとスプリントを開始するよりも先に、チームメイトのリードアウトから仕掛けたのはヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)だった。狙い通りヴィンゲゴーは2位通過で与えられる4秒のボーナスタイムを獲得し、チームメイトのマッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ)が3位通過で2秒を獲得。この意表を突く動きの結果、総合2位ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)とのタイム差を44秒まで広げることに成功した。
その後、オトルバのリードは縮小し、その追走の中心をリドル・トレックが担った。残り52km地点で横風がプロトンを襲ったものの、集団を分断させるには至らず、オトルバを引き戻した集団からブルゴス・ブルペレットBHの2名がアタック。小山智也のチームメイトであるグアテマラ王者のセルヒオ・チュミルとマリオ・アパリシオ(スペイン)が、チームの地元スペインでアピールした。

単騎で逃げ続けたヤコブ・オトルバ(チェコ、カハルラル・セグロスRGA) photo:CorVos

終盤にプロトンを飛び出したブルゴス・ブルペレットBHの2名 photo:A.S.O.
途中、アルペシン・ドゥクーニンクを中心とする7名が飛び出し、その動きにヴィンゲゴーも加わる。しかしUAEチームエミレーツXRGは、マイヨモンターニャ(山岳賞ジャージ)を着るジェイ・ヴァイン(オーストラリア)が脚を使い、すぐに差を縮めて先行集団を吸収した。そのため一気にスピードの上がったプロトンが、ブルゴスの2名を引き戻した。
そして選手たちはフィニッシュ地点であるギフエロに到達。ハイスピードの位置取り争いから、勝負は大集団によるスプリントバトルに持ち込まれた。
前日勝者であるフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)が圧巻の牽引を終え、集団先頭は、選手を並べたアルペシン・ドゥクーニンクが占めた。残り450mで役割を終えたヨナス・リカールト、そしてエドワルト・プランカールトらベルジャントレインがエーススプリンターを絶好の位置へと導く。そして残り150mからフィリプセンがスプリントを開始し、イスラエルとパレスチナの旗が振られる最終ストレートで先頭に立った。

先頭でフィニッシュラインを越えたヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos

ハットトリックを決めたヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos
背後についたベン・ターナー(イギリス)を引き離す圧巻のトップスピードで突き進むフィリプセンに対し、コース中央でピーダスンとオールイス・アウラール(ベネズエラ、モビスター)がもがく。しかしフィリプセンはライバルたちを横に並ばせることすら許さず、銀色に輝くシューズでフィニッシュラインを通過した。
第1、8ステージに続く今大会3勝目を挙げたフィリプセン。「11日間も追い込んで(スプリントをしてい)なかったから、正直キツかった。チームはラスト数kmから完璧な牽引をしてくれた。チームメイトの背後で苦しんでいたけれど、フィニッシュラインが見えた瞬間に力を振り絞った。彼らは本当に経験豊富かつ最高の選手たち。日曜日(マドリッドでの最終日)も同じことを繰り返したい」と、フィリプセンはチームメイトへの感謝を述べた。
2位にはピーダスンが入り、マイヨプントスのリード拡大に成功。3位はアウラールで、最終日の勝利に向けて可能性を示した。一方、ヴィヴィアーニはスプリントに絡めず39位でフィニッシュしている。

健闘を称え合うピーダスンとフィリプセン photo:CorVos 
チームメイトに感謝を伝えるヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos

今大会3勝目を得たヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:A.S.O.
総合首位のヴィンゲゴーがわずかな秒差を稼いだ以外、上位勢に大きな動きはなし。そのためマイヨロホ争いは獲得標高差4,226mを誇る、最終超級山岳ボラ・デル・ムンド(距離12.3km/平均8.6%)を含む5つの山岳が登場の翌日、第20ステージで決着を迎える。

マイヨロホで翌日の最終山岳決戦を迎えるヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.



9月12日(金)第19ステージ
ルエダ〜ギフエロ 161.9km(平坦)
獲得標高差 1,517m

僅かな逃げ切りのチャンスに賭けて飛び出したのは、ヤコブ・オトルバ(チェコ、カハルラル・セグロスRGA)とヴィクター・ゲルナレック(フランス、アルケア・B&Bホテルズ)の2名。この動きを見送ったメイン集団は、この日の最有力と見られたヤスペル・フィリプセン(ベルギー)のアルペシン・ドゥクーニンクと、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)を擁するロットが牽引した。先頭は2分のリードを拡げたものの、ゲルナレックが遅れ、27歳にして今年プロデビューしたオトルバが単独先頭に立った。


2023年にチェコのタイムトライアル王者に輝いたオトルバは、最大4分のリードを得る。途中、騎乗した馬と並走するシーンもあり、テレビ中継の画面を独り占めにしながら残り58.9km地点の中間スプリントを通過。旧市街全体がユネスコの世界遺産に登録されているこのサラマンカでは、2位通過を争うスプリントバトルが勃発した。
マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)がマイヨプントス(ポイント賞)のリードを広げようとスプリントを開始するよりも先に、チームメイトのリードアウトから仕掛けたのはヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)だった。狙い通りヴィンゲゴーは2位通過で与えられる4秒のボーナスタイムを獲得し、チームメイトのマッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ)が3位通過で2秒を獲得。この意表を突く動きの結果、総合2位ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)とのタイム差を44秒まで広げることに成功した。
その後、オトルバのリードは縮小し、その追走の中心をリドル・トレックが担った。残り52km地点で横風がプロトンを襲ったものの、集団を分断させるには至らず、オトルバを引き戻した集団からブルゴス・ブルペレットBHの2名がアタック。小山智也のチームメイトであるグアテマラ王者のセルヒオ・チュミルとマリオ・アパリシオ(スペイン)が、チームの地元スペインでアピールした。


途中、アルペシン・ドゥクーニンクを中心とする7名が飛び出し、その動きにヴィンゲゴーも加わる。しかしUAEチームエミレーツXRGは、マイヨモンターニャ(山岳賞ジャージ)を着るジェイ・ヴァイン(オーストラリア)が脚を使い、すぐに差を縮めて先行集団を吸収した。そのため一気にスピードの上がったプロトンが、ブルゴスの2名を引き戻した。
そして選手たちはフィニッシュ地点であるギフエロに到達。ハイスピードの位置取り争いから、勝負は大集団によるスプリントバトルに持ち込まれた。
前日勝者であるフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)が圧巻の牽引を終え、集団先頭は、選手を並べたアルペシン・ドゥクーニンクが占めた。残り450mで役割を終えたヨナス・リカールト、そしてエドワルト・プランカールトらベルジャントレインがエーススプリンターを絶好の位置へと導く。そして残り150mからフィリプセンがスプリントを開始し、イスラエルとパレスチナの旗が振られる最終ストレートで先頭に立った。


背後についたベン・ターナー(イギリス)を引き離す圧巻のトップスピードで突き進むフィリプセンに対し、コース中央でピーダスンとオールイス・アウラール(ベネズエラ、モビスター)がもがく。しかしフィリプセンはライバルたちを横に並ばせることすら許さず、銀色に輝くシューズでフィニッシュラインを通過した。
第1、8ステージに続く今大会3勝目を挙げたフィリプセン。「11日間も追い込んで(スプリントをしてい)なかったから、正直キツかった。チームはラスト数kmから完璧な牽引をしてくれた。チームメイトの背後で苦しんでいたけれど、フィニッシュラインが見えた瞬間に力を振り絞った。彼らは本当に経験豊富かつ最高の選手たち。日曜日(マドリッドでの最終日)も同じことを繰り返したい」と、フィリプセンはチームメイトへの感謝を述べた。
2位にはピーダスンが入り、マイヨプントスのリード拡大に成功。3位はアウラールで、最終日の勝利に向けて可能性を示した。一方、ヴィヴィアーニはスプリントに絡めず39位でフィニッシュしている。



総合首位のヴィンゲゴーがわずかな秒差を稼いだ以外、上位勢に大きな動きはなし。そのためマイヨロホ争いは獲得標高差4,226mを誇る、最終超級山岳ボラ・デル・ムンド(距離12.3km/平均8.6%)を含む5つの山岳が登場の翌日、第20ステージで決着を迎える。

ブエルタ・ア・エスパーニャ2025第19ステージ
1位 | ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | 3:50:35 |
2位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) | |
3位 | オールイス・アウラール(ベネズエラ、モビスター) | |
4位 | イエンセ・ビールマンス(ベルギー、アルケア・B&Bホテルズ) | |
5位 | ベン・ターナー(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
6位 | アルネ・マーリッツ(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ) | |
7位 | ファビオ・クリステン(スイス、Q36.5プロサイクリング) | |
8位 | イーサン・ヴァーノン(イギリス、イスラエル・プレミアテック) | |
9位 | ティボー・グリュエル(フランス、グルパマFDJ) | |
10位 | ジョルダン・ラブロッス(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール) |
マイヨロホ(個人総合成績)
1位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | 68:57:44 |
2位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) | +0:44 |
3位 | トーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング) | +2:43 |
4位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +3:22 |
5位 | ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +4:23 |
6位 | マシュー・リッチテッロ(アメリカ、イスラエル・プレミアテック) | +5:21 |
7位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンAG2Rラモンディアール) | +5:24 |
8位 | セップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | +7:30 |
9位 | トースタイン・トレーエン(ノルウェー、バーレーン・ヴィクトリアス) | +7:46 |
10位 | マッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | +10:21 |
マイヨプントス(ポイント賞)
1位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) | 277pts |
2位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | 177pts |
3位 | ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | 135pts |
マイヨモンターニャ(山岳賞)
1位 | ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツXRG) | 61pts |
2位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | 41pts |
3位 | ルイス・フェルヴァーケ(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 32pts |
マイヨブランコ(ヤングライダー賞)
1位 | ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | 69:02:07 |
2位 | マシュー・リッチテッロ(アメリカ、イスラエル・プレミアテック) | +0:58 |
3位 | ウィリアムジュニア・ルセルフ(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +8:05 |
チーム総合成績
1位 | UAEチームエミレーツXRG | 205:44:05 |
2位 | ヴィスマ・リースアバイク | +29:17 |
3位 | デカトロンAG2Rラモンディアール | +1:07:49 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, A.S.O.
photo:CorVos, A.S.O.
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