1級山岳にフィニッシュしたツアー・オブ・グワンシー第5ステージは、残り1kmでポール・ダブル(イギリス、ジェイコ・アルウラー)がアタック。強豪を振り切り、ワールドツアーでの初勝利をつかんだ。

クイーンステージを迎えたツアー・オブ・グワンシー photo:CorVos
中国の広西チワン族自治区を舞台にした2025年UCIワールドツアー最終戦、ツアー・オブ・グワンシーも残すところあと2日。第5ステージは宜州(イージョウ)から弄拉(ノンラ)までの165.8kmで、スタートから終盤まで概ね平坦路が続き、最後に登坂距離3.3km、平均勾配6.3%の1級山岳を駆け上がる。
大会唯一の山岳フィニッシュで、翌日は集団スプリント予想の平坦ステージのため、この日のフィニッシュ地点で総合リーダージャージを着用した選手が、総合優勝を大きく引き寄せることになる。
クイーンステージはアタックと吸収を繰り返した末に、今年で現役を退くライアン・ギボンズ(南アフリカ、リドル・トレック)が今大会2度目の逃げに乗る。山岳賞ジャージを着るシモン・グリエルミ(フランス、アルケア・B&Bホテルズ)も入ったエスケープは5人で構成された。容認したメイン集団は総合エースのジョナタン・ナルバエス(エクアドル)のために、UAEチームエミレーツXRGが中心となり牽引した。

終始、プロトンはUAEチームエミレーツXRGが先導した photo:CorVos
逃げはリードを保ったまま、頂上フィニッシュの1級山岳に突入した。しかし急勾配区間で逃げ集団から脱落者が現れるなか、母国中国で良い走りを見せたいスー・ハオユー(XDSアスタナ)が粘る。チーム唯一の中国人であるハオユーだったが、残り2kmで吸収され、各チームの総合エースたちの戦いに持ち込まれた。
ミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)のアタックにポール・ダブル(イギリス、ジェイコ・アルウラー)とベン・ツィーホフ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が反応。すぐにダブルが先頭に出ると、ダンシングを混ぜながらハイペースで踏み始める。そのペースを維持し、さらに加速した結果、残り1kmでツィーホフとホノレが遅れた。

最終山岳の残り1kmでアタックし、単独先頭に立った ポール・ダブル(イギリス、ジェイコ・アルウラー) photo:CorVos
胸元に掛けたアイウェアを顔に戻すこともなく、決死のアタックを仕掛けたダブル。残り500mから始まる急勾配区間でも後続とのリードを縮ませることなく登坂。そのまま単独でフィニッシュにたどり着いた。

ワールドツアー初勝利を飾ったポール・ダブル(イギリス、ジェイコ・アルウラー) photo:CorVos

総合優勝に王手をかけたポール・ダブル(イギリス、ジェイコ・アルウラー) photo:CorVos
「ちょっと現実感がない。これまでも調子は良く、このレースでも結果を出したいと思っていた。当然ながら強力なメンバーの揃うワールドツアーだが、このコースは自分に適していると思っていた」と、クイーンステージを制し総合優勝に王手を掛けたダブルは語った。
9秒遅れの区間2位には、追走するホノレやツィーホフをかわしたヴィクトル・ラフェ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール)が入った。
ダブルは26歳だった2023年に、ヒューマンパワードヘルスでプロデビュー。ポルティ・ビジットマルタを経た今年、ワールドチームのジェイコ・アルウラーに加入。そして3月のコッピ・エ・バルタリでプロ初勝利を飾ると、自身初のグランツールであるジロ・デ・イタリアに出場。9月のツール・ド・スロバキアではクイーンステージを勝利して総合優勝に輝き、その勢いをワールドツアー初勝利につなげた。

中国の広西チワン族自治区を舞台にした2025年UCIワールドツアー最終戦、ツアー・オブ・グワンシーも残すところあと2日。第5ステージは宜州(イージョウ)から弄拉(ノンラ)までの165.8kmで、スタートから終盤まで概ね平坦路が続き、最後に登坂距離3.3km、平均勾配6.3%の1級山岳を駆け上がる。
大会唯一の山岳フィニッシュで、翌日は集団スプリント予想の平坦ステージのため、この日のフィニッシュ地点で総合リーダージャージを着用した選手が、総合優勝を大きく引き寄せることになる。
クイーンステージはアタックと吸収を繰り返した末に、今年で現役を退くライアン・ギボンズ(南アフリカ、リドル・トレック)が今大会2度目の逃げに乗る。山岳賞ジャージを着るシモン・グリエルミ(フランス、アルケア・B&Bホテルズ)も入ったエスケープは5人で構成された。容認したメイン集団は総合エースのジョナタン・ナルバエス(エクアドル)のために、UAEチームエミレーツXRGが中心となり牽引した。

逃げはリードを保ったまま、頂上フィニッシュの1級山岳に突入した。しかし急勾配区間で逃げ集団から脱落者が現れるなか、母国中国で良い走りを見せたいスー・ハオユー(XDSアスタナ)が粘る。チーム唯一の中国人であるハオユーだったが、残り2kmで吸収され、各チームの総合エースたちの戦いに持ち込まれた。
ミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)のアタックにポール・ダブル(イギリス、ジェイコ・アルウラー)とベン・ツィーホフ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が反応。すぐにダブルが先頭に出ると、ダンシングを混ぜながらハイペースで踏み始める。そのペースを維持し、さらに加速した結果、残り1kmでツィーホフとホノレが遅れた。

胸元に掛けたアイウェアを顔に戻すこともなく、決死のアタックを仕掛けたダブル。残り500mから始まる急勾配区間でも後続とのリードを縮ませることなく登坂。そのまま単独でフィニッシュにたどり着いた。


「ちょっと現実感がない。これまでも調子は良く、このレースでも結果を出したいと思っていた。当然ながら強力なメンバーの揃うワールドツアーだが、このコースは自分に適していると思っていた」と、クイーンステージを制し総合優勝に王手を掛けたダブルは語った。
9秒遅れの区間2位には、追走するホノレやツィーホフをかわしたヴィクトル・ラフェ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール)が入った。
ダブルは26歳だった2023年に、ヒューマンパワードヘルスでプロデビュー。ポルティ・ビジットマルタを経た今年、ワールドチームのジェイコ・アルウラーに加入。そして3月のコッピ・エ・バルタリでプロ初勝利を飾ると、自身初のグランツールであるジロ・デ・イタリアに出場。9月のツール・ド・スロバキアではクイーンステージを勝利して総合優勝に輝き、その勢いをワールドツアー初勝利につなげた。
ツアー・オブ・グワンシー2025第5ステージ結果
1位 | ポール・ダブル(イギリス、ジェイコ・アルウラー) | 3:41:38 |
2位 | ヴィクトル・ラフェ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール) | +0:09 |
3位 | ミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト) | +0:11 |
4位 | ヨルゲン・ノードハーゲン(ノルウェー、ヴィスマ・リースアバイク) | |
5位 | キアン・アイデブルックス(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | |
6位 | ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG) | |
7位 | カミル・ボヌー(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ) | +0:18 |
8位 | ベン・ツィーホフ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:19 |
9位 | テイオ・ゲイガンハート(イギリス、リドル・トレック) | |
10位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) |
個人総合成績
1位 | ポール・ダブル(イギリス、ジェイコ・アルウラー) | 19:41:13 |
2位 | ヴィクトル・ラフェ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール) | +0:15 |
3位 | ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG) | +0:16 |
4位 | ミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト) | +0:19 |
5位 | ヨルゲン・ノードハーゲン(ノルウェー、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:23 |
6位 | キアン・アイデブルックス(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | |
7位 | カミル・ボヌー(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ) | +0:30 |
8位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:31 |
9位 | ベン・ツィーホフ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | |
10位 | ルーカス・ネルーカー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト) |
その他の特別賞
ポイント賞 | ポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ) |
山岳賞 | シモン・グリエルミ(フランス、アルケア・B&Bホテルズ) |
ヤングライダー賞 | ヨルゲン・ノードハーゲン(ノルウェー、ヴィスマ・リースアバイク) |
チーム総合成績 | ヴィスマ・リースアバイク |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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