ワフーのTRACKR RADARをテスト。最大150m後方の車両を検知するレーダーと2灯のリアライトを統合したスマートデバイス。ELEMNTシリーズとのシームレスな連携が魅力で、サイクリングの安全性を大きく向上させてくれる。

ワフー TRACKR RADAR
サイクリストと自動車が共存する道路上での安全確保は、すべてのライダーにとって最優先の課題だ。特に後方からの車両接近はサイクリストにとって常に気がかりな要素である。頻繁に後ろを振り返ることはふらつきの原因にもなるし、車両のドライバーがサイクリストの存在を認知できなければ事故に巻き込まれる可能性も高くなる。
こうした課題に対して近年注目されているのがデイライト(昼間点灯)と後方接近レーダーだ。デイライトは昼間でも視認性を高め、車両ドライバーにサイクリストの存在を早期に認識させる。一方、後方接近レーダーはライダー自身に車両の接近をリアルタイムで知らせ、周囲の状況把握を支援する。この二つの技術が融合することで、「見られる安全」と「見る安全」の両立が実現する。

D型のシートポストにも対応
また近年はサイクリストからの注目度向上と同時に様々なブランドからライト/後方接近レーダーからローンチされており、選択肢が増えつつある。そんなカテゴリーにサイクルコンピューターのELEMNTシリーズでお馴染みのワフーが「TRACKR RADAR」で参入。2灯のリアライトとレーダーがビルトインされたスマートデバイスだ。
基本的な機能は最大150m後方の車両を検知し、リアルタイムでサイクルコンピューターに通知すること。同時に、接近車両に応じて自動的に光量を調整したり、減速時に輝度を上げるブレーキライト機能など、スマートな機能を多数搭載している。
その上でTRACKR RADARの魅力はワフーのエコシステムにあり、サイコン、スマホとの連携がスムーズかつ扱いやすくなっていることだ。スマホなどで高性能デバイスに慣れている我々でも気持ちよく使いこなせるのはスマートデバイスにとって重要なことには違いない。

ワフー TRACKR RADAR
実際にWahooアプリとELEMNT(ACE、ROAM 3、BOLT 3)ともに直感的にペアリングすることが可能。特にELEMNTシリーズのインターフェイスが優れており、ダッシュボードからペアリングセンサーが管理できるようになっているため、数回のタップでペアリング完了するのは非常にスムーズ。
また、ELEMNTとペアリングするとダッシュボードからTRACKR RADARのモード切り替えなどの操作が可能となる。この機能はセンサー管理と同じく数回のタップ操作で目的の機能まで到達できるため、状況に応じてモード切り替えなども行いやすい。
ELEMNTシリーズとの連携で最も印象的だったのは、サイクルコンピューターの電源を入れるとライトまで自動的に点灯が始まること。デバイスの電源を自ら入れるのは手間だし、必要な時に点灯を忘れてしまうことがある。そこで自動点灯は数多くのデバイスを運用する上でストレスの種をなくしてくれるのは非常にありがたい。

ラバーバンドは樹脂パーツを用いて固定する
さらに、レーダーのバッテリー低下状況を画面で知らせてくれるため、ライドの途中でも気がつくことができる。そして、サイコンでモード変更を行うことができ、実際にテストではデイライトとして使っていたけど、電池が消耗したため、ライトオフモードに切り替えることができた。レーダーを活用することが第一目的であるため、簡単に変更できるのは素晴らしい点だ。
バッテリーの消耗度合いは1時間のライドを計5回繰り返し、所要時間5時間のライドを行ったところ、途中でバッテリー低下のアラートが発生した。選択モードはハイステディ(公称ランタイム10時間)に固定していたため、納得できるランタイムと言ってもいい。そして、充電ケーブルがUSB Type-Cなのも嬉しいポイント。スマホなどの電子デバイスがType-Cを採用している今、ケーブルを一種類でまとめられるのは使い勝手の面でアドバンテージといえよう。
さて肝心のレーダー機能は150m後方の車両を検知するとされている。レーダーが車両を検知するとレーダー自身のライトが自動的に点滅して、後方のドライバーにサイクリストの存在をアピールする。同時にサイコンからビープ音が発せられ、サイクリスト自身にも車両の存在を通知。さらにELEMNTの画面上に接近車両のアイコンが現れ、自車との距離感を伝えてくれる。
ビープ音と画面表示の有無は後方への気配りが変化する。画面にアイコンが現れてから実際に車両が追い越していくまで、十分な時間的余裕がある。この「余裕」こそが、レーダーの最大の価値だと実感した。

後方から接近する車両をサイコン上で確認できる
後方を振り返る必要がないため、前方への集中を保ったまま、車両の接近を把握できる。特に、路肩が狭く車両との距離が近くなりがちな道路では、事前に車両の存在を知っていることで、走行ラインを微調整したり、心理的に構えたりすることができる。これは安全性の向上に寄与してくれる。
市街地を走行しているとビープ音が鳴る回数は必然的に多くなる。信号待ちをしていると顕著で、周りの歩行者に注目されてしまい居心地が悪くなるが、走っている時はビープ音以外の環境音にも気を配っていればさほど気になるほどではない。もちろん何度も鳴っていると気になってしまうのだが、ビープ音で注意を引くという機能を果たしていると思えば許せるはずだ。

レーダーが水平になるように作られている
実際にこのレーダーが活躍するのは、いつ後方に車両が現れるかわからない時。峠の下りや、気を抜きがちな田舎道など後ろの確認ができない、する頻度が減る時に、レーダーが検知してくれることで、心に余裕も持つことができる。
ただし、レーダーへの過信は禁物だ。TRACKR RADARは優れたツールだが、完璧ではない。見逃しや誤検知の可能性は無くはない。ペアリング時に表示される警告文の通り、レーダーはあくまで補助的な道具であり、周囲への注意を怠ってはならない。
それでも備えあれば憂なし。TRACKR RADARが提供する安心感と安全性向上は、サイクリングの質を高めてくれるはずだ。
ワフー TRACKR RADAR
本体重量:99g
本体サイズ:90mm × 82mm × 42mm
バッテリー:リチウムイオンバッテリー
充電方式:USB Type-C
接続方式:Bluetooth 5.0、ANT+
防水性能:IPX7(水深1メートルで最大30分の防水仕様)
保証期間:1年間
バッテリー持続時間:
点灯ハイ(21ルーメン):10時間
点灯ロー(10ルーメン):15時間
点滅フラッシュ(53ルーメン):15時間
ローフラッシュ(18ルーメン):20時間
価格:35,200円(税込)

サイクリストと自動車が共存する道路上での安全確保は、すべてのライダーにとって最優先の課題だ。特に後方からの車両接近はサイクリストにとって常に気がかりな要素である。頻繁に後ろを振り返ることはふらつきの原因にもなるし、車両のドライバーがサイクリストの存在を認知できなければ事故に巻き込まれる可能性も高くなる。
こうした課題に対して近年注目されているのがデイライト(昼間点灯)と後方接近レーダーだ。デイライトは昼間でも視認性を高め、車両ドライバーにサイクリストの存在を早期に認識させる。一方、後方接近レーダーはライダー自身に車両の接近をリアルタイムで知らせ、周囲の状況把握を支援する。この二つの技術が融合することで、「見られる安全」と「見る安全」の両立が実現する。

また近年はサイクリストからの注目度向上と同時に様々なブランドからライト/後方接近レーダーからローンチされており、選択肢が増えつつある。そんなカテゴリーにサイクルコンピューターのELEMNTシリーズでお馴染みのワフーが「TRACKR RADAR」で参入。2灯のリアライトとレーダーがビルトインされたスマートデバイスだ。
基本的な機能は最大150m後方の車両を検知し、リアルタイムでサイクルコンピューターに通知すること。同時に、接近車両に応じて自動的に光量を調整したり、減速時に輝度を上げるブレーキライト機能など、スマートな機能を多数搭載している。
その上でTRACKR RADARの魅力はワフーのエコシステムにあり、サイコン、スマホとの連携がスムーズかつ扱いやすくなっていることだ。スマホなどで高性能デバイスに慣れている我々でも気持ちよく使いこなせるのはスマートデバイスにとって重要なことには違いない。

実際にWahooアプリとELEMNT(ACE、ROAM 3、BOLT 3)ともに直感的にペアリングすることが可能。特にELEMNTシリーズのインターフェイスが優れており、ダッシュボードからペアリングセンサーが管理できるようになっているため、数回のタップでペアリング完了するのは非常にスムーズ。
また、ELEMNTとペアリングするとダッシュボードからTRACKR RADARのモード切り替えなどの操作が可能となる。この機能はセンサー管理と同じく数回のタップ操作で目的の機能まで到達できるため、状況に応じてモード切り替えなども行いやすい。
ELEMNTシリーズとの連携で最も印象的だったのは、サイクルコンピューターの電源を入れるとライトまで自動的に点灯が始まること。デバイスの電源を自ら入れるのは手間だし、必要な時に点灯を忘れてしまうことがある。そこで自動点灯は数多くのデバイスを運用する上でストレスの種をなくしてくれるのは非常にありがたい。

さらに、レーダーのバッテリー低下状況を画面で知らせてくれるため、ライドの途中でも気がつくことができる。そして、サイコンでモード変更を行うことができ、実際にテストではデイライトとして使っていたけど、電池が消耗したため、ライトオフモードに切り替えることができた。レーダーを活用することが第一目的であるため、簡単に変更できるのは素晴らしい点だ。
バッテリーの消耗度合いは1時間のライドを計5回繰り返し、所要時間5時間のライドを行ったところ、途中でバッテリー低下のアラートが発生した。選択モードはハイステディ(公称ランタイム10時間)に固定していたため、納得できるランタイムと言ってもいい。そして、充電ケーブルがUSB Type-Cなのも嬉しいポイント。スマホなどの電子デバイスがType-Cを採用している今、ケーブルを一種類でまとめられるのは使い勝手の面でアドバンテージといえよう。
さて肝心のレーダー機能は150m後方の車両を検知するとされている。レーダーが車両を検知するとレーダー自身のライトが自動的に点滅して、後方のドライバーにサイクリストの存在をアピールする。同時にサイコンからビープ音が発せられ、サイクリスト自身にも車両の存在を通知。さらにELEMNTの画面上に接近車両のアイコンが現れ、自車との距離感を伝えてくれる。
ビープ音と画面表示の有無は後方への気配りが変化する。画面にアイコンが現れてから実際に車両が追い越していくまで、十分な時間的余裕がある。この「余裕」こそが、レーダーの最大の価値だと実感した。

後方を振り返る必要がないため、前方への集中を保ったまま、車両の接近を把握できる。特に、路肩が狭く車両との距離が近くなりがちな道路では、事前に車両の存在を知っていることで、走行ラインを微調整したり、心理的に構えたりすることができる。これは安全性の向上に寄与してくれる。
市街地を走行しているとビープ音が鳴る回数は必然的に多くなる。信号待ちをしていると顕著で、周りの歩行者に注目されてしまい居心地が悪くなるが、走っている時はビープ音以外の環境音にも気を配っていればさほど気になるほどではない。もちろん何度も鳴っていると気になってしまうのだが、ビープ音で注意を引くという機能を果たしていると思えば許せるはずだ。

実際にこのレーダーが活躍するのは、いつ後方に車両が現れるかわからない時。峠の下りや、気を抜きがちな田舎道など後ろの確認ができない、する頻度が減る時に、レーダーが検知してくれることで、心に余裕も持つことができる。
ただし、レーダーへの過信は禁物だ。TRACKR RADARは優れたツールだが、完璧ではない。見逃しや誤検知の可能性は無くはない。ペアリング時に表示される警告文の通り、レーダーはあくまで補助的な道具であり、周囲への注意を怠ってはならない。
それでも備えあれば憂なし。TRACKR RADARが提供する安心感と安全性向上は、サイクリングの質を高めてくれるはずだ。
ワフー TRACKR RADAR
本体重量:99g
本体サイズ:90mm × 82mm × 42mm
バッテリー:リチウムイオンバッテリー
充電方式:USB Type-C
接続方式:Bluetooth 5.0、ANT+
防水性能:IPX7(水深1メートルで最大30分の防水仕様)
保証期間:1年間
バッテリー持続時間:
点灯ハイ(21ルーメン):10時間
点灯ロー(10ルーメン):15時間
点滅フラッシュ(53ルーメン):15時間
ローフラッシュ(18ルーメン):20時間
価格:35,200円(税込)
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