YouTube発のプロチームとして知られるユニベット・ティテマ・ロケッツが、ワウト・プールス(オランダ、XDSアスタナ)の獲得を発表した。フランス籍のプロチームは、ツール・ド・フランス出場へ向けて着実に歩を進めている。



4月のツアー・オブ・ターキーで総合優勝したワウト・プールス(オランダ) photo:CorVos

今年8月にディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー)との電撃契約で自転車ロードレース界を驚かせたユニベット・ティテマ・ロケッツが、今度はクライマーの補強に成功した。来年チームに加わるのは、創設者であるバス・ティテマと同じオランダ出身のワウト・プールスだ。

ユニベットは元プロ選手兼ユーチューバーであるティテマが2023年に創設し、現在はオランダのオンラインベッティング企業がメインスポンサーを務めるプロチーム。目標であるツール・ド・フランス出場のために昨年末に登録国をオランダからフランスに変更し、今年4月、モニュメント(5大クラシック)の一つであるパリ〜ルーベに初出場を果たした。

クライマーの中心選手として加入したプールスは、2009年にヴァカンソレイユでプロデビューした38歳。チームスカイ(現イネオス・グレナディアーズ)時代にはリエージュ〜バストーニュ〜リエージュで優勝した。山岳アシストとしてクリストファー・フルーム(イギリス)のツール総合優勝(2度)を含む、4つのグランツール制覇に貢献。2020年にバーレーン・ヴィクトリアスへ移籍し、35歳で臨んだ2023年のツールで念願の区間優勝を果たした。

2023年ツールで自身初となる区間優勝を手に入れたワウト・プールス(オランダ) photo:CorVos

今年はワールドチームから降格危機にあったXDSアスタナに加入。4月のツアー・オブ・ターキー(UCI 2.Pro)では総合優勝を飾り、ワールドチーム残留に向けても大きく貢献した。またジロ・デ・イタリアとブエルタ・ア・エスパーニャを完走し、年齢を感じさせない健在ぶりを示した。

ワールドチームからの補強はフルーネウェーヘンとエルマール・ラインダルス(ともにオランダ、ジェイコ・アルウラー)に続く3人目。また先日の宇都宮ジャパンカップに出場したマティアシュ・コペツキー(チェコ、チーム ノボ ノルディスク)の加入も決まっている。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos