ツール・ド・フランスでタデイ・ポガチャルが着用したMETの新型ヘルメット「TRENTA 3K CARBON」がついに発表された。自社風洞TUBEでの開発によって通気性を16%、新設計で安全性を40%向上させた最新作だ。



MET TRENTA 3K CARBON(HYPER TEAL GLOSSY) (c)MET

METのフラッグシップヘルメットとして8年間頂点に君臨してきたTRENTA 3K CARBONがついにモデルチェンジを遂げる。新型の開発にはUAEチームエミレーツXRGとUAEチームADQが協力しており、稀代の名選手タデイ・ポガチャルらの意見も反映されているという。今年のツール・ド・フランスで総合優勝したポガチャルが被る新型ヘルメットに注目していたファンも少なくはないだろう。

既にタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG)がツールで着用し、総合優勝という結果を残している photo:CorVos

新型TRENTAはモデル名が示す3KカーボンによるエアフレームとEPSフォーム、アウターシェルの構造を維持しつつ、各部をイチから再設計することで、通気性と安全性向上を実現。その進化に貢献したのが自社風洞実験施設のTUBEだ。この施設では空気抵抗と温度変化の解析を行うことで、トレードオフの関係にあるエアロとクーリング性能のバランスを高い次元で整えた。

その結果として前作よりも大きな開口部と、風がシェル内で留まることなく排出されるエアチャネルを実現し、通気性は前モデルより16%向上した。METは時速12kmのヒルクライムでも、時速90kmのダウンヒルでも涼しさを感じられると胸を張る。

3Kカーボン製のエアフレームによって通気性と安全性を両立する (c)ミズタニ自転車
額部分にも通気口を設け、クーリング性能を向上させている (c)ミズタニ自転車



共同開発を担当したUAEエミレーツXRGのパフォーマンス責任者、ジェローン・スワート氏によれば、16%の通気性向上は高温下のレースで明確に体感できる差になるという。通気性が良ければ代謝効率が上がり、ライダーのパフォーマンス向上に直結する。夏のレースでMETを着用した選手たちの実績を見れば、その効果は期待できるはずだ。

そして安全性の向上は徹底的に行われた。具体的にはレースシーズンを通した数百件のクラッシュデータと、チームから回収した転倒に見舞われたヘルメットの分析、そして社内テストラボの知見を組み合わせ、新型TRENTAの設計に反映させている。

新型では後方を深く作ることで安全性を高めている (c)ミズタニ自転車
ベンチレーションホール兼アイウェアポートも備えられている (c)ミズタニ自転車



最も目立つ変更点はヘルメット後方が長めに作られていること。さらに密度が異なるEPSフォームを効果的に配置することで、バージニア工科大学のテストでは直線衝撃と回転衝撃に対し40%の性能向上が確認され、5つ星を獲得。ヘルメット内部には軽量なMips Air Nodeシステムを導入することで、脳への衝撃リスクの低減を狙っている。

ベンチレーションホールに統合されたアイウェアポートや、調整可能なディバイダーを備えたAir Liteストラップを採用。Safe-T Orbitalシステムでは360°の締め付け具合、垂直方向、後頭部のフィット感を調整できるなど、細部に至るまで設計が洗練されている。

UAEチームエミレーツXRGとともに新型TRENTA 3K CARBONを開発した (c)ミズタニ自転車
プロレースでのパフォーマンス向上を目指し徹底的に開発が行われた (c)ミズタニ自転車



サイズはS、M、Lの3種類で、Mサイズの重量は260g。カラーはWHITE GLOSSY、HYPER TEAL GLOSSY、OPAL GRAY GLOSSY、BLACK MATTという4種類が揃う。入荷は11月を予定しており、JCF公認も取得予定だ。価格は55,000円(税込)。

MET TRENTA 3K CARBON(WHITE GLOSSY) (c)ミズタニ自転車
MET TRENTA 3K CARBON(OPAL GRAY GLOSSY) (c)ミズタニ自転車


MET TRENTA 3K CARBON(HYPER TEAL GLOSSY) (c)ミズタニ自転車
MET TRENTA 3K CARBON(BLACK MATT) (c)ミズタニ自転車





MET TRENTA 3K CARBON
カラー:WHITE GLOSSY、HYPER TEAL GLOSSY、OPAL GRAY GLOSSY、BLACK MATT
サイズ:S、M、L 
重量:260g(Mサイズ)
価格:55,000円(税込)
JCF公認予定 


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