UCI(国際自転車競技連合)が公開した、2025年シーズンのUCIポイントランキングのチーム順位をチェック。今季97勝と最多勝利数を更新したUAEチームエミレーツXRGが3年連続の首位を達成。日本トップは33位のチーム右京だった。



UAEチームエミレーツXRGが3年連続の首位

2023年からのチームランキング首位を守るだけでなく、昨年の37407.6ptsから大きくポイントを積み重ね、40637.65ptsでトップに立ったのはUAEチームエミレーツXRGだった。2位のヴィスマ・リースアバイクが22876.74pts、3位のリドル・トレックが21267.43ptsであることからも、その圧倒的な強さがわかる。

ちなみにポガチャル1人でもチームランキング10位に入る photo:CorVos

その要因はもちろん、個人ランキングで5連覇を達成したタデイ・ポガチャル(スロベニア)の存在だ。今季20勝を挙げ、その1/4以上となる11,680ptsを一人で稼ぎ出した。もちろん個人ランキングで3位に入ったイサーク・デルトロ(メキシコ)や5位のジョアン・アルメイダ(ポルトガル)など、層の厚い選手たちの活躍も目立った。それを象徴したのがブエルタ・ア・エスパーニャで、総合2位に入ったアルメイダを含め、マルク・ソレル(スペイン)とフアン・アユソ(スペイン)、ジェイ・ヴァイン(オーストラリア)という4名が区間優勝を果たしている。

3年連続の2位となったヴィスマは、ツール総合2位に加え、ブエルタ総合優勝を果たしたヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)が今年もチームを牽引した。ワウト・ファンアールト(ベルギー)はジロ・デ・イタリアとツールで挙げた2勝に留まったものの、クラシックレースなどで表彰台に立ち、UCIポイントを稼いだ。またエーススプリンターの24歳オラフ・コーイ(オランダ)や、プロ1年目で大ブレイクした20歳のマシュー・ブレナン(イギリス)など、若手が躍動したシーズンとなった。

昨年21位のXDSアスタナが大躍進

チームランキングで4位に入ったXDSアスタナ photo:CorVos

3位に入ったのは昨年4位のリドル・トレックで、チーム創設以来、最多となる46勝をマーク。そして昨年3位のスーダル・クイックステップを上回り、4位に入ったのはXDSアスタナだ。

昨年21位と低迷していた成績は、昨年末にタイトルスポンサーに迎えた中国のバイクブランド「XDS」の加入によって急上昇。ワールドツアーでの勝利はツール・ド・ロマンディとジロ・デ・イタリアで挙げた2勝に留まったものの、アジアやトルコのプロレースで勝ち星を重ね、選手を区間順位や総合順位で上位に送り込む作戦が成功した。2023年から3年間のUCIポイントで決まるワールドチームの昇格・降格争いでは、昨年末は21位だった順位が今年は15位となり、プロチーム降格の危機を脱している。

プロチームで最も高い順位を記録したのは11位のウノエックス・モビリティで、来季からはワールドチームへの昇格がほぼ確実と見られている。コンチネンタルチームのトップとなったのは32位に入ったチェコ籍のATTインベストメンツで、2位はわずか6pts差で33位となったチーム右京。もちろん日本、そしてアジアでトップの成績だ。
2025年UCIポイントチームランキング 男子
1 UAEチームエミレーツXRG(WT) 40637.65pts
2 ヴィスマ・リースアバイク(WT) 22876.74pts
3 リドル・トレック(WT) 21267.43pts
4 XDSアスタナ(WT) 16711.66pts
5 スーダル・クイックステップ(WT) 14930.16pts
6 レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ(WT) 14140.26pts
7 デカトロンAG2Rラモンディアール(WT) 12626.71pts
8 イネオス・グレナディアーズ(WT) 12096.93pts
9 アルペシン・ドゥクーニンク(WT) 11717pts
10 バーレーン・ヴィクトリアス(WT) 10912pts
11 ウノエックス・モビリティ(PRT) 10816pts
12 EFエデュケーション・イージーポスト(WT) 10763.75pts
13 チューダー・プロサイクリング(PRT) 10026.33pts
14 イスラエル・プレミアテック(PRT) 9578.05pts
15 モビスター(WT) 9152.5pts
16 ジェイコ・アルウラー(WT) 8774.77pts
17 ピクニック・ポストNL(WT) 8700pts
18 グルパマ・FDJ(WT) 8688.36pts
19 Q36.5プロサイクリング(PRT) 8188.04pts
20 コフィディス(WT) 7599pts
21 アルケアB&Bホテルズ(WT) 7234.82pts
22 トタルエナジーズ(PRT) 7008pts
23 ロット(PRT) 6546.72pts
24 アンテルマルシェ・ワンティ(WT) 6309.42pts
25 カハルラル・セグロスRGA(PRT) 3922pts
26 ユニベット・ティテマ・ロケッツ(PRT) 3225pts
27 ブルゴス・ブルペレットBH(PRT) 3190pts
28 ポルティ・ビジットマルタ(PRT) 3085pts
29 エキポ・ケルンファルマ(PRT) 2967.33pts
30 VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ(PRT) 2550pts
31 ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ(PRT) 2310.33pts
32 ATTインベストメンツ(CT) 1476pts
33 チーム右京(CT) 1470.66pts
34 エウスカルテル・エウスカディ(PRT) 1387pts
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos