6月29日に開催されたベルギー選手権の男子エリートロードレースでティム・ウェレンス(UAEチームエミレーツXRG)が42kmの独走勝利。エヴェネプールやフィリプセンを振り切り、初優勝の勢いのままツールへ向かう。



41.8kmの独走を決めたティム・ウェレンス(UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

今村駿介(ワンティNIPPOリユーズ)がタイムトライアル全日本選手権の男子エリートで初優勝した6月29日、ヨーロッパをはじめとした各国ではロードレースのナショナル選手権が行われた。

強豪揃うベルギー選手権の男子エリートは、230kmという比較的長いコースで行われた。逃げらしい逃げが決まらないなか、メイン集団からレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)やヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)など少人数の先頭集団が形成。そしてティム・ウェレンス(UAEチームエミレーツXRG)が残り41.8km地点にアタックした。

追走するエヴェネプールたちの協調は揃わず、ウェレンスが独走でフィニッシュに到達。ツール・ド・フランスを控える34歳のベテランが、自身初となるベルギー王者に輝いた。女子エリートはロッテ・コペッキー(SDワークス・プロタイム)が3連覇を逃し、ジュスティネ・ヘキエーレ(AGインシュランス・スーダル)が初優勝している。

ベルギー男子エリート表彰台:2位エヴェネプール、1位ウェレンス、3位フィリプセン photo:CorVos

ベルギー選手権の女子エリートを制したジュスティネ・ヘキエーレ(AGインシュランス・スーダル) photo:CorVos

イタリアの男子エリートでは昨年までQ36.5プロサイクリングに所属し、現在はクラブチームで走るフィリッポ・コンカが、アレッサンドロ・コーヴィ(UAEチームエミレーツXRG)らワールドチームの強豪をスプリントで打破。再びプロの世界へとアピールする、初優勝&初勝利を手に入れた。

スペインの男子エリートは、現TT世界選手権のU23王者であるイバン・ロメオ(モビスター)が21歳にして王者に輝く。女子エリートはサラ・マルティンが制し、モビスターから男女スペイン王者が誕生した。

ナショナル選手権の中でも珍しい結果となったのは、ノルウェーの男子エリートだ。出場した41名のうち、15名がウノエックス・モビリティ所属というなか、優勝したのはアンドレアス・レックネスン(ウノエックス・モビリティ)。ウノエックスは結果的に1位から12位の中に11名を送り込むことに成功。7位にトビアス・フォス(ノルウェー、イネオス・グレナディアーズ)が入り込んだ。

ツール出場を叶えることができなかったラファウ・マイカ(UAEチームエミレーツXRG)は、2016年ぶり2度目となる国内王者に。スイスはマウロ・シュミット(ジェイコ・アルウラー)が連覇を達成し、エリトリアではJCLチーム右京所属のナホム・ゼレイが優勝している。
各国ナショナル選手権ロードレース2025優勝者
イタリア男子エリート フィリッポ・コンカ(スワット・クラブ)
ベルギー男子エリート ティム・ウェレンス(UAEチームエミレーツXRG)
ベルギー女子エリート ジュスティネ・ヘキエーレ(AGインシュランス・スーダル)
スペイン男子エリート イバン・ロメオ(モビスター)
スペイン女子エリート サラ・マルティン(モビスター)
フランス男子エリート ドリアン・ゴドン(デカトロンAG2Rラモンディアール)
イギリス男子エリート サムエル・ワトソン(イネオス・グレナディアーズ)
イギリス女子エリート ミリー・コーゼンス(フェニックス・ドゥクーニンク)
デンマーク男子エリート セーアン・クラーウアナスン(リドル・トレック)
デンマーク女子エリート アルバーテ・グレーウ(ウノエックス・モビリティ)
ノルウェー男子エリート アンドレアス・レックネスン(ウノエックス・モビリティ)
ドイツ男子エリート ゲオルク・ツィマーマン(アンテルマルシェ・ワンティ)
ポーランド男子エリート ラファウ・マイカ(UAEチームエミレーツXRG)
スイス男子エリート マウロ・シュミット(ジェイコ・アルウラー)
エリトリア男子エリート ナホム・ゼレイ(JCLチーム右京)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos