イタリア・ミラノ発のアイウェアブランドであるアルバオプティクスから登場した新型アイウェア「JUMBO」。ジャンボジェットに着想を得たユニークなデザインに優れた機能性を凝縮したフレームレスアイウェアを編集部員がインプレッション。



アルバオプティクス JUMBO photo:Michinari TAKAGI

1980~90年代のレースシーンで使われていたレトロなサングラスをモチーフに現代的な解釈を加えたデザインで新たな潮流を巻き起こす、イタリア・ミラノ発の新鋭のアイウェアブランド、ALBA OPTICS(アルバオプティクス)。

2025年4月にラインアップされた新作アイウェア「JUMBO」は、同ブランドのフレームレスアイウェアの代表的な一着である「STRATOS」のDNAを受け継ぎつつ、約2年の開発期間を経てさらに洗練されたデザインと機能性を追求した自信作だ。

ジャンボジェット機にインスパイアされたという流線型のテンプルが特徴 photo:Michinari TAKAGI

モデル名の「JUMBO」とは、そのものずばりジャンボジェット機に由来している。そのモチーフをもっとも映し出すのが、流線型のテンプルデザイン。ジャンボジェットの翼のようなテンプルが唯一無二のデザインとして、強烈な印象を与える。

レンズはSTRATOSよりも幅広でありながら先細りの形状とされ、空力性能を向上。また、レンズ全体のサイズは「STRATOS」よりも約10%小型化されており、すっきりとしたシルエットかつ、軽量性にも貢献している。

アルバオプティクス独自のVZUMレンズを採用 photo:Michinari TAKAGI

レンズ中央のベンチレーション photo:Michinari TAKAGI

球面レンズとフレームレスデザインによって広く歪みの少ないクリアな視界を実現。さらに、レンズの中央にベンチレーションホールを設け、ライド中にも曇りづらい設計とされた。

サイクリングだけでなく、あらゆるスポーツに適したレンズとして開発されたアルバオプティクス独自のVZUMレンズは、高いコントラストとクリアな視界をもたらす高性能な一品。耐久性の高い超軽量ポリカーボネート製で、多様なレンズカラーが展開されている。

パープル系ミラーレンズ(VZUM ML PLASMA)、調光ミラーレンズのグリーンミラーレンズ(F-LENS BTL)などをラインアップ photo:Michinari TAKAGI

ミラーレンズのシルバー系ミラーレンズ(VZUM ML ALU)とパープル系ミラーレンズ(VZUM ML PLASMA)、調光ミラーレンズのグリーンミラーレンズ(F-LENS BTL)とブルーミラーレンズ(F-LENS FLM)が用意され、様々なシーンに対応するレンズがラインナップされている。

調光レンズは可視光透過率が14%から64%まで変化するため、天候の変化に対応できる。更に、紫外線透過率1.0%以下のUV400のUVカット機能と16%のブルーライト透過率を備え、有害な光線から目をしっかりと保護してくれる。

フレームやテンプルには軽量素材Tr90を採用 photo:Michinari TAKAGI

フレームやテンプルにはT90を採用し、強度としなやかさを両立しながら本体重量は実測値で27gと、軽量に。 フレームカラーはブラックとホワイト、グロッシークリスタルの3色がラインアップされる。

4段階の長さ調整が可能で、様々な頭のサイズや形状にフィット。人間工学に基づいた形状とラバーグリップでずれにくい設計になっている。日本人の顔にもフィットしやすいアジアンフィットノーズパッドが標準装備。別売りのユーロフィットノーズパッドへの交換も可能だ。別売りのオプティカルクリップ(インナーフレーム)を使用すれば、度付きレンズにも対応可能だ。


日本人の顔にもフィットしやすいアジアンフィットノーズパッドが標準装備 photo:Michinari TAKAGI

ユーロフィットノーズパッド(左)とアジアンフィットノーズパッド(右) photo:Michinari TAKAGI
マイクロファイバークロスとして使用できるマイクロファイバー製のポーチが付属 photo:Michinari TAKAGI


マイクロファイバークロスとして使用できるマイクロファイバー製のポーチが付属してくる。価格はミラーレンズモデルが36,300円(税込)、調光レンズモデルが39,600円(税込)。取り扱いは東京ライフだ。



―編集部インプレッション

4段階の長さ調整が可能なテンプルのため全ての長さで試してみた photo:Gakuto Fujiwara

アルバオプティクス JUMBOのインプレッションを担当するのは鼻が低くて頬骨が高い、いわゆる日本人顔であるCW編集部員の高木。アルバオプティクス DELTAなど多くのアイウェアを使用してきたが、アルバオプティクスのアイウェアはアジアンフィットで、コントラストが高めてくれるレンズで気に入っている。

新作のJUMBOを早速かけてみると、標準状態でしっかりと顔にフィットする。アルバオプティクスのアイウェアの場合は、日本人の顔にもフィットしやすいアジアンフィットのノーズパッドが標準装備されている点も嬉しい。また、4段階の長さ調整が可能なテンプルのため全ての長さで試してみたが、一番短い状態から3段目が丁度よくしっくりくる。さらに、テンプルに搭載されているラバーグリップで頭とのずれがなくフィットする。

パープル系ミラーレンズ「VZUM ML PLASMA」 photo:Michinari TAKAGI

JUMBOのミラーレンズモデルと調光ミラーレンズモデルの2種類があるため、両方のサンプルを用意して頂いた。今回はパープル系ミラーレンズ「VZUM ML PLASMA」と調光のグリーンミラーレンズ「F-LENS BTL」をテストしていく。

パープル系ミラーレンズ「VZUM ML PLASMA」は可視光線透過率17%でレンズの色は濃く感じる。日の出や夕方といった顔に向かって強い日差しが強く降り注ぐような思わず、目を瞑ってしまうようなシーンでも、眩しくないためしっかりと路面を見ることができる。

パープル系ミラーレンズではあるが、実際の視界は薄い黄色となっているため、全体的に明るく見える。さらに、コントラストを高めてくれるレンズで、路面の凹凸やひび割れ、小石など路面状況も把握しやすく、使いやすいレンズカラーに感じた。

また、コントラストを高めてくれるようなアイウェアは多くのブランドから販売されているが、長時間かけていると目が疲れやすいことがある。しかし、アルバオプティクスのレンズはコントラスト具合も強すぎず、長時間のライドでも疲れにくい印象だ。

コントラストを高めてくれるレンズで、路面の凹凸やひび割れ、小石など路面状況も把握しやすい photo:Gakuto Fujiwara

続いては、調光のグリーンミラーレンズ「F-LENS BTL」。レンズカラーは紫外線による変化前、つまり暗い場所ではライトイエロー(可視光線透過率64%)で、光を浴びるにつれグリーンミラー(可視光線透過率14%)へと変わっていく。

紫外線を受けていない状態の視界は明るくなり薄ピンクの視界が広がっている。紫外線を受けると濃くなり、眼を眩しさから守ってくれる。快晴で日差しの強い真夏のライドで試したところ、丁度良い明るさの視界となり、非常に高い視認性を体感できた。

日の出前の暗い時間帯にライドを開始し、日差しが降り注ぐ日中を経て、夕方や夜まで1日走るようなロングライドを楽しむサイクリストには調光レンズはピッタリ。また、夏至を過ぎ、朝は明るく、夕方や夜は暗いような、自転車で通勤通学する方で、レンズを交換する手間が面倒だという方にも非常にオススメできる。

ロングライドを楽しむサイクリストには調光レンズがおすすめ photo:Gakuto Fujiwara

フレームレスデザインによって重量は実測値で27gと軽量なアイウェアで、かけ心地も良いため、アイウェアをかけていることを忘れてしまいそうなほどだ。また、6時間を超えるようなライドでもかけ疲れもない。

スプリントやエアロポジションなどの深い前傾姿勢となっても、フレームの上部と下部のフレームがないため、視界の邪魔にならない。常に良好で広い視界を得られるため、周りが見えやすい良いデザインでより速く走るレーサーにおすすめだ。

JUMBOのレンズ中央に設けられたセンターベンチレーションは、必要十分な換気能力を備えている。蒸し暑い日本の夏では、信号待ちや低速時にレンズが曇ってしまうアイウェアも多い中、JUMBOはテストライド中にレンズが曇ることはなく、一度も外すことなく走り続けられた。

スプリントやエアロポジションなどの深い前傾姿勢でも、アイウェアのフレームが邪魔にならない photo:Gakuto Fujiwara

大きな一眼レンズを採用するアイウェアは度付きレンズにすることができない場合がある。コンタクトが苦手、というユーザーにとっては悩ましいポイントだがJUMBOにはオプティカルクリップを取り付けることで対応可能となっている。

イタリアでハンドメイドされているJUMBOは他のアルバオプティクスの定番アイウェア「STRATOS」や「DELTA」に通じるディテールの美しさを感じる。ハイセンスなJUMBOはどんなヘルメットやウェアにもマッチするため、コーディネートに加えやすい。そんなオシャレを楽しみたいサイクリストにもピッタリなアイウェアでもある。

ハイスピードなロードレースにおいてもクリアな視界をもたらす機能性を備えつつ、肩の力を抜いたライドでカフェへお邪魔するようなシーンでも、違和感なく溶け込めるデザイン性を備えたアルバオプティクスらしいアイウェアとして、色んな場所へと連れ立っていける一着だ。



アルバオプティクス JUMBO
フレームカラー:ブラック、ホワイト、グロッシークリスタル
レンズ:シルバー系ミラーレンズ(VZUM ML ALU)
    パープル系ミラーレンズ(VZUM ML PLASMA)
    グリーンミラーレンズ(調光、F-LENS BTL)
    ブルーミラーレンズ(調光、F-LENS FLM)
重量:26g(実測値:27g)
付属品:クリーニングクロスポーチ
価格:36,300円(税込、ミラーレンズ)
   39,600円(税込、調光レンズ)

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