ツアー・オブ・ブリテンの最難関ステージでレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が勝利。タイム差無しでフィニッシュしたロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)が2秒差で総合首位をキープした。

引退まであと2日。レースはゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)の地元ウェールズに入った photo:Corvos
第21回ロイズバンク・ツアー・オブ・ブリテン(UCI2.Pro)は距離5.5kmで平均7.3%を誇る難関山岳「ザ・タンブル」を2回登り、2回目の頂上にフィニッシュする難関ステージ。総合首位ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)に対し、20名以上がタイム差20秒以内で続く僅差だけに、終盤に入るとアタック連発の激しいレースが展開されることとなる。
総合争いを大きく左右するこのクイーンステージで、各チームが前半から積極的に躍動。山岳ジャージを守りたいヴィクトル・フェルクーイェ(ベルギー、フランダース・バロワーズ)も逃げに加わったものの、ワールドツアー所属選手が多数入った逃げグループからやがて後退。メイン集団では「ザ・タンブル」が始まる前からレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)がペースアップを図るなど、落ち着かない展開で距離を消化していった。

大会が用意したトーマスのお面で揃えたフランダース・バロワーズ photo:Corvos
1回目の「ザ・タンブル」はグルパマFDJがハイペース牽引で逃げを封じ込め、人数を減らした状態で頂上を通過する。逃げグループは一旦引き戻されたものの、まだフィニッシュまで距離を残していたため、ハータイス・デフリース(オランダ、ユニベット・ティティマ・ロケッツ)とトム・クラッベ(ベルギー、フランダース・バロワーズ)が2回目の逃げグループを形成する。メイン集団も人数を回復し、一旦振り出しに戻った状態で2度目の「ザ・タンブル」へ。
ゲラント・トーマス(イギリス)の引退記念ジャージで揃えるイネオス・グレナディアーズが人数を揃えてハイペースを刻み、逃げていた2人を飲み込みながら登坂前半区間を駆け上がる。テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ)のアタックは不発に終わり、エヴェネプールやエドアルド・ザンバニーニ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)がその勢いを引き継ぐ。首位グレゴワールは辛くも精鋭集団後方にしがみついた。

登坂フィニッシュを制したレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:Corvos

首位グレゴワールに2秒差に迫ったレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:Corvos
19歳のアンドリュー・オーガスト(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ)がペースを上げ、絶対的優勝候補のエヴェネプールが前に出ると全員の徹底マークによってペースダウンする展開。パヴェル・シヴァコフ(フランス、UAEチームエミレーツ)とオスカー・オンリー(イギリス、ピクニック・ポストNL)のアタックも不発に終わり、イラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ)がまとめ上げて残り700m。一度遅れたオーガストのロングアタックも決まらず、最終スプリント勝負でエヴェネプールが競り勝った。
ライバル勢全員からの徹底マークを振り払って勝利した五輪覇者は「イランは終盤にアタックした選手たちを素晴らしい形で引き戻してくれたので、あとは僕がスプリントするだけだった。厳しい一日と厳しい登りの後でもまだスプリントができると分かっていたので、集中してトライし、勝利を手にすることができた。この結果にとても満足しているよ」とコメント。総合首位のグレゴワールは苦しみつつもタイム差なしの5位に食い込んだため、エヴェネプールを2秒抑えて総合首位キープに成功している。トーマスの地元、カーディフにフィニッシュする翌日最終日の総合争いに注目だ。

第21回ロイズバンク・ツアー・オブ・ブリテン(UCI2.Pro)は距離5.5kmで平均7.3%を誇る難関山岳「ザ・タンブル」を2回登り、2回目の頂上にフィニッシュする難関ステージ。総合首位ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)に対し、20名以上がタイム差20秒以内で続く僅差だけに、終盤に入るとアタック連発の激しいレースが展開されることとなる。
総合争いを大きく左右するこのクイーンステージで、各チームが前半から積極的に躍動。山岳ジャージを守りたいヴィクトル・フェルクーイェ(ベルギー、フランダース・バロワーズ)も逃げに加わったものの、ワールドツアー所属選手が多数入った逃げグループからやがて後退。メイン集団では「ザ・タンブル」が始まる前からレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)がペースアップを図るなど、落ち着かない展開で距離を消化していった。

1回目の「ザ・タンブル」はグルパマFDJがハイペース牽引で逃げを封じ込め、人数を減らした状態で頂上を通過する。逃げグループは一旦引き戻されたものの、まだフィニッシュまで距離を残していたため、ハータイス・デフリース(オランダ、ユニベット・ティティマ・ロケッツ)とトム・クラッベ(ベルギー、フランダース・バロワーズ)が2回目の逃げグループを形成する。メイン集団も人数を回復し、一旦振り出しに戻った状態で2度目の「ザ・タンブル」へ。
ゲラント・トーマス(イギリス)の引退記念ジャージで揃えるイネオス・グレナディアーズが人数を揃えてハイペースを刻み、逃げていた2人を飲み込みながら登坂前半区間を駆け上がる。テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ)のアタックは不発に終わり、エヴェネプールやエドアルド・ザンバニーニ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)がその勢いを引き継ぐ。首位グレゴワールは辛くも精鋭集団後方にしがみついた。


19歳のアンドリュー・オーガスト(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ)がペースを上げ、絶対的優勝候補のエヴェネプールが前に出ると全員の徹底マークによってペースダウンする展開。パヴェル・シヴァコフ(フランス、UAEチームエミレーツ)とオスカー・オンリー(イギリス、ピクニック・ポストNL)のアタックも不発に終わり、イラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ)がまとめ上げて残り700m。一度遅れたオーガストのロングアタックも決まらず、最終スプリント勝負でエヴェネプールが競り勝った。
ライバル勢全員からの徹底マークを振り払って勝利した五輪覇者は「イランは終盤にアタックした選手たちを素晴らしい形で引き戻してくれたので、あとは僕がスプリントするだけだった。厳しい一日と厳しい登りの後でもまだスプリントができると分かっていたので、集中してトライし、勝利を手にすることができた。この結果にとても満足しているよ」とコメント。総合首位のグレゴワールは苦しみつつもタイム差なしの5位に食い込んだため、エヴェネプールを2秒抑えて総合首位キープに成功している。トーマスの地元、カーディフにフィニッシュする翌日最終日の総合争いに注目だ。
ツアー・オブ・ブリテン2025第5ステージ結果
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 3:07:56 |
2位 | トーマス・グローグ(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
3位 | オスカー・オンリー(イギリス、ピクニック・ポストNL) | |
4位 | エウラリオ・アフォンソ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
5位 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) | |
6位 | バウケ・モレマ(オランダ、リドル・トレック) | |
7位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダープロサイクリング) | |
8位 | オレリアン・パレパントル(フランス、デカトロン・AG2Rラモンディアール) | |
9位 | ぺリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
10位 | パヴェル・シヴァコフ(フランス、UAEチームエミレーツ) |
個人総合成績
1位 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) | 17:03:04 |
2位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +0:02 |
3位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダープロサイクリング) | +0:04 |
4位 | オスカー・オンリー(イギリス、ピクニック・ポストNL) | +0:08 |
5位 | オレリアン・パレパントル(フランス、デカトロン・AG2Rラモンディアール) | +0:12 |
6位 | エウラリオ・アフォンソ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
7位 | イラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | |
8位 | バウケ・モレマ(オランダ、リドル・トレック) | |
9位 | ぺリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:17 |
10位 | パヴェル・シヴァコフ(フランス、UAEチームエミレーツ) |
その他の特別賞
山岳賞 | ヴィクトル・フェルクーイェ(ベルギー、フランダース・バロワーズ) |
ポイント賞 | オラフ・コーイ(オランダ、ィスマ・リースアバイク) |
ヤングライダー賞 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) |
チーム総合成績 | バーレーン・ヴィクトリアス |
text:So.Isobe
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