Jプロツアー第9戦「新城ロードレース」は、序盤に絞られた3名の中から金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)が終盤に単独先行して優勝。Jプロツアー3連勝を決め、2年連続総合優勝に大きく前進した。



多くの観客が集まったチームプレゼンテーション photo:Satoru Kato

7月以来2ヶ月ぶりの開催となるJプロツアー。後半戦は愛知県新城市での「新城ロードレース」で再開された。

2026年に愛知県で開催されるアジア大会のプレ大会として昨年初開催された「新城ロードレース」。今年は新城市西部の作手地区に新たにコースを設定し、新城市役所作手総合支所前をスタート・フィニッシュ地点とし、山間部の1周17.6kmの周回コースを5周する計94.8kmのレースとなった。

新城ロードレース コースプロフィール ©︎JBCF テクニカルガイドより抜粋

周回コース部分は約2/3を占める長い下り区間と、終盤の登り区間で構成される。特に登り区間は距離にして4km弱だが、高低差320m、平均勾配9.4%を誇る激坂。部分的には10%以上と思われる勾配区間もあり、コース最大の難所となる。またコースのほとんどが車1台分ほどの道幅しかなく、大小のカーブが連続するため集団が長く引き伸ばされる展開が予想された。

会場MCと実況解説を務めた佐野淳哉さん(右)とMCダイキさん photo:Satoru Kato
今回のBBアート photo:Satoru Kato


2日前の台風の影響もあった新城市だが、この日は朝から晴れ。とは言え猛暑のような暑さにはならず、コース内の山中では標高の高さもあって30℃を下回る中でのレースとなった。

愛三工業レーシングチームと宇都宮ブリッツェンを先頭にパレードスタート photo:Satoru Kato

木に囲まれた山中の道は昼でも薄暗い photo:Satoru Kato

リアルスタート直後から愛三工業レーシングチームがペースアップ photo:Satoru Kato

1周目の下り区間を全てパレード走行としたため、周回コースのおよそ半周を経てリアルスタートが切られると、地元チームの愛三工業レーシングチームが中心となってペースが上がる。登りの勾配が厳しい区間に入ると金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)が集団先頭に立ってさらにペースを上げていく。

1周目登り区間で金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)が集団を引き伸ばす photo:Satoru Kato

1周目の登りで残った3名 photo:Satoru Kato

このペースアップで引き伸ばされた集団は後方で中切れが多発し、先頭は一気に10名ほどまで絞られる。さらに続く登りを経て残ったのは、金子、橋川丈(愛三工業レーシングチーム)、岡篤志(宇都宮ブリッツェン)の3名。その後方は10名前後の集団が1分間隔で続いて2周目に入る。

ツール・ド・ラヴニールから帰国したばかりの橋川丈(愛三工業レーシングチーム)が積極的な走りを見せた photo:Satoru Kato

長い下りで後続の集団が先頭の3名に合流し、一時10名ほどになる場面もあったが、登り区間に差し掛かると元の金子、橋川、岡の3名に戻る。3周目には谷順成(宇都宮ブリッツェン)が合流して4名で登ったものの、長くは続かずに遅れる。

4周目の周回賞は金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)が先頭通過 photo:Satoru Kato

最終周回の登りで切り離していく金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム) photo:Satoru Kato

最終周回、独走で逃げる金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)後方にベンジャミン・ダイボールの姿 photo:Satoru Kato

4周目、ベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島)が先行する3名との差を徐々に縮め、数秒差に迫って最終周回の5周目に入る。最後の登り区間に入ると金子がペースアップし、橋川と岡が相次いで遅れる。その2人を抜いてダイボールが金子と数秒差まで詰めてくる。しかしダイボールは金子を捉えきれないまま周回コースを外れてフィニッシュへ向かう平坦区間へ。

金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)が新城ロードを制した photo:Satoru Kato

残り500mのストレートに先頭で現れたのは金子。その後方にダイボール、さらに後方に橋川の姿が見えるが、お互いが接近する様子はない。残り300mを切り、ダイボールの射程外であることを確認した金子はガッツポーズと共にフィニッシュ。6月の石川ロードレース、7月の広島三原ロードレースに続き、Jプロツアー3連勝を決めた。

表彰式 左から、2位ベンジャミン・ダイボール、優勝金子宗平、3位橋川丈 photo:Satoru Kato

「先週の乗鞍ヒルクライムを8位で終えて登りに自信を無くしてしまい、岡篤志選手もストラバですごいタイムで登っていたので、どうしようかと考えていた。でも勝ち目があるのは登りしかないので、全周回登りでペースを上げて走った。

1周目に岡選手と橋川選手の3人になって、下りは安全に走ったので追いつかれはしたけれど、登りでまたペースを上げたら同じメンバーになったので、最後の周が勝負と考えた。特に橋川選手が登れていたのでどうやって離そうかと考え、よく練習でやる40-20(40秒頑張って20秒休む)を繰り返してイヤな走りをしたらみんな遅れていったので、良い作戦だったのかなと。ベンジャミン・ダイボール選手が迫って来てはいたけれど、後ろとの距離を意識しながら逃げ切った。

プロリーダージャージは金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム) photo:Satoru Kato

来週の南魚沼がポイント高いので、年間総合優勝はまだわからない。宇都宮ブリッツェンが何か仕掛けてくるのではないかと思っているが、群馬グリフィンもフルメンバー揃う予定なので、組織立った走りで対抗したい。とは言え、リーダージャージに固執せず、良い走りをして結果的に年間総合優勝出来れば良いなと思っている」
Jプロツアー第9戦 新城ロードレース 結果(94.8km)
1位 金子 宗平(群馬グリフィンレーシングチーム) 2時間18分44秒
2位 ベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島) +4秒
3位 橋川 丈(愛三工業レーシングチーム) +14秒
4位 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン) +1分16秒
5位 谷 順成(宇都宮ブリッツェン) +1分57秒
6位 サルマ 寛大(レバンテフジ静岡) +1分57秒
周回賞
2周目 愛三工業(株)賞 橋川 丈(愛三工業レーシングチーム)
4周目 (株)新晃製作所賞 金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)

敢闘賞 橋川 丈(愛三工業レーシングチーム)

text&photo:Satoru Kato
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