獲得標高差4,573mのグランプリ・シクリスト・ド・モンレアルは、終盤にポガチャルがアタック。そこに合流したブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG)とワンツーフィニッシュを決め、チーム4連覇を達成。また、UAEはコロンビア・HTCのシーズン最多勝記録に並んだ。

9月15日に行われたグランプリ・シクリスト・ド・モンレアル2025 photo:Grands Prix Cyclistes

グランプリ・シクリスト・ド・モンレアル2025 image:Grands Prix Cyclistes デモによりレース中断となったブエルタ・ア・エスパーニャの最終日と同じ、9月14日に行われたグランプリ・シクリスト・ド・モンレアル(UCIワールドツアー)。カナダを舞台としたワンデーレースは今年で14回目を迎え、2日前に行われたグランプリ・シクリスト・ド・ケベックから一転、こちらは獲得標高差4,573mのクライマーズレースとなった。
コースはモントリオールの市内中心部、モントリオール大学とモンロイヤル公園を取り囲む12.3kmコースを17周する、総距離209.1kmの過酷なレイアウト。2026年のロード世界選手権がモントリオールの同じコースで行われる予定のため、来年のアルカンシエルを占う重要なレースになった。ちなみに来年も世界選手権の2週間前に、同じコースで開催されることが決まっている。

「イスラエル」の文字を削除したジャージで臨んだイスラエル・プレミアテック photo:CorVos

プロトンは終始、UAEチームエミレーツXRGが先導した photo:Grands Prix Cyclistes
スタート地点にはGPケベックを制したジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリング)と、昨年と2022年に制したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)が集団先頭でスタートを待った。UAEチームエミレーツXRGは2023年覇者アダム・イェーツ(イギリス)も擁し、強力なメンバーでチーム4連覇を目指した。
序盤に形成されたのは7名による逃げ集団。そこにイネオス・グレナディアーズは共に若手のアメリカ人であるアルテム・シュミットとアンドリュー・オーガストを入れたものの、メイン集団が大幅なリードを許さない。すぐにEFエデュケーション・イージーポストとレッドブル・ボーラ・ハンスグローエが2名ずつを入れた9名の追走集団が合流し、逃げ集団は16名に増えた。
しかし連続する過酷な丘でプロトン、そして逃げ集団から脱落者が現れ始め、逃げから唯一粘ったアレックス・ボーダン(フランス、EFエデュケーション・イージーポスト)も残り71km地点で吸収された。その後はUAEが強力なメンバーをフルに使い、プロトンの人数を徐々に減らしていく。そしてひと塊の集団のまま終盤の残り36km地点で、ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG)が仕掛けた。

単独先頭に立ったタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

ポガチャルに追いついたブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG) photo:Grands Prix Cyclistes
そこにはアメリカ王者であるクイン・シモンズ(リドル・トレック)が反応し、遅れて世界王者のポガチャル、そしてルイ・バレ(フランス、アンテルマルシェ・ワンティ)が合流。後続では追走を目指すアタックが繰り返されるなか、先頭集団からバレが遅れた。そして残り23kmで、数的有利な状況を作り出したUAEのポガチャルが加速した。
もちろんシモンズが追いかけたものの、ついていくことはできない。しかしその後ろで脚を溜め、シモンズのペースが緩んだことを確認したマクナルティが単独でポガチャルに合流。そのままUAEのコンビは残り距離を消化し、言葉を交わした後、ポガチャルに指さされながらマクナルティがフィニッシュラインを先頭で通過した。

ポガチャルと共にフィニッシュしたブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

チームに4連覇をもたらしたブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG) photo:Grands Prix Cyclistes
チームに4連覇をもたらしたマクナルティは、「チームメイトとワンツーフィニッシュできるのは特別なことだけど、それが世界チャンピオンかつ世界で一番強い選手と一緒だなんて本当に特別なこと。キャリアの中でも最も印象的な一日のひとつになった」とコメント。一方のポガチャルは「チームにとって本当に実り多いシーズンだ。多くの選手にチャンスが与えられ、その機会をものにしてきた。今年はほとんど全員が何かしらの勝利を挙げており、それは彼らの努力の証だ」とチームメイトを称えた。
この勝利がUAEにとって今シーズン85勝目となり、これで2009年にコロンビア・HTCが打ち立てたチーム通算85勝の最多記録に並んだ。


コースはモントリオールの市内中心部、モントリオール大学とモンロイヤル公園を取り囲む12.3kmコースを17周する、総距離209.1kmの過酷なレイアウト。2026年のロード世界選手権がモントリオールの同じコースで行われる予定のため、来年のアルカンシエルを占う重要なレースになった。ちなみに来年も世界選手権の2週間前に、同じコースで開催されることが決まっている。


スタート地点にはGPケベックを制したジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリング)と、昨年と2022年に制したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)が集団先頭でスタートを待った。UAEチームエミレーツXRGは2023年覇者アダム・イェーツ(イギリス)も擁し、強力なメンバーでチーム4連覇を目指した。
序盤に形成されたのは7名による逃げ集団。そこにイネオス・グレナディアーズは共に若手のアメリカ人であるアルテム・シュミットとアンドリュー・オーガストを入れたものの、メイン集団が大幅なリードを許さない。すぐにEFエデュケーション・イージーポストとレッドブル・ボーラ・ハンスグローエが2名ずつを入れた9名の追走集団が合流し、逃げ集団は16名に増えた。
しかし連続する過酷な丘でプロトン、そして逃げ集団から脱落者が現れ始め、逃げから唯一粘ったアレックス・ボーダン(フランス、EFエデュケーション・イージーポスト)も残り71km地点で吸収された。その後はUAEが強力なメンバーをフルに使い、プロトンの人数を徐々に減らしていく。そしてひと塊の集団のまま終盤の残り36km地点で、ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG)が仕掛けた。


そこにはアメリカ王者であるクイン・シモンズ(リドル・トレック)が反応し、遅れて世界王者のポガチャル、そしてルイ・バレ(フランス、アンテルマルシェ・ワンティ)が合流。後続では追走を目指すアタックが繰り返されるなか、先頭集団からバレが遅れた。そして残り23kmで、数的有利な状況を作り出したUAEのポガチャルが加速した。
もちろんシモンズが追いかけたものの、ついていくことはできない。しかしその後ろで脚を溜め、シモンズのペースが緩んだことを確認したマクナルティが単独でポガチャルに合流。そのままUAEのコンビは残り距離を消化し、言葉を交わした後、ポガチャルに指さされながらマクナルティがフィニッシュラインを先頭で通過した。


チームに4連覇をもたらしたマクナルティは、「チームメイトとワンツーフィニッシュできるのは特別なことだけど、それが世界チャンピオンかつ世界で一番強い選手と一緒だなんて本当に特別なこと。キャリアの中でも最も印象的な一日のひとつになった」とコメント。一方のポガチャルは「チームにとって本当に実り多いシーズンだ。多くの選手にチャンスが与えられ、その機会をものにしてきた。今年はほとんど全員が何かしらの勝利を挙げており、それは彼らの努力の証だ」とチームメイトを称えた。
この勝利がUAEにとって今シーズン85勝目となり、これで2009年にコロンビア・HTCが打ち立てたチーム通算85勝の最多記録に並んだ。
グランプリ・シクリスト・ド・モンレアル2025結果
1位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG) | 5:14:04 |
2位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) | |
3位 | クイン・シモンズ(アメリカ、リドル・トレック) | +1:03 |
4位 | ニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト) | +1:45 |
5位 | アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツXRG) | +1:49 |
6位 | ルイ・バレ(フランス、アンテルマルシェ・ワンティ) | +2:00 |
7位 | ティシュ・ベノート(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | +2:25 |
8位 | アレックス・アランブル(スペイン、コフィディス) | +2:57 |
9位 | コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) | +2:59 |
10位 | アルベルト・ベッティオル(イタリア、XDSアスタナ) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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