2025年シーズンも佳境に差し掛かるなか、UCI(国際自転車競技連合)が2026年シーズンのレースカレンダーを発表した。開幕戦のツアー・ダウンアンダーの日程こそ未定だが、来年のツールやジャパンカップの開催日が正式に決まった。



来年は全5ステージに短縮されるツール・ド・スイス photo:CorVos

男子のワールドツアーは来年、4大陸の13ヶ国、全36レース、合計171日間にわたって開催される。その初戦はオーストラリアのアデレードを舞台としたお馴染みサントス・ツアー・ダウンアンダーで、日程は未定だが例年通りならば1月20日に開幕を迎える。その後、春のクラシックやグランツール、秋のクラシックを経て、10月13日開幕のグリー・ツアー・オブ・グワンシーで締めくくられる。

ワールドツアーの中で注目は、1947年より「クリテリウム・デュ・ドーフィネ」という名称だった大会名が、来年から「ツール・オーヴェルニュ・ローヌ・アルプ」に改まることだ(カレンダーのリスト表記は現状ドーフィネのまま)。そのドーフィネと同じく、ツール・ド・フランスの前哨戦という位置づけの「ツール・ド・スイス」が、これまでの全8ステージから5ステージに短縮される。このため、多くの有力な総合系選手たちはスイスよりもドーフィネを選ぶ傾向が強まりそうだ。

また例年3月にベルギーで行われている「クラシック・ブルッヘ〜デパンネ」が、来年より「ザ・グレートスプリント・クラシック(The Great Sprint Classic)」と名前を改める。ちなみにベルギーの大会であるものの、ブランディングのためか英語表記となったことには地元メディアからも批判が上がっている。

ザ・グレートスプリント・クラシックに名称変更するブルッヘ〜デパンネ photo:CorVos

グランツールに日程の変更はなく、ジロ・デ・イタリアは5月9日、ツール・ド・フランスは7月4日、そしてブエルタ・ア・エスパーニャは8月22日より開幕する。

また、同時に発表されたプロツアーには、サウジアラビアが舞台の「ツアー・オブ・アルウラー」が1クラスから昇格。さらに、同じ中東レースでツアー・オブ・オマーン(UCI1.Pro)の前哨戦である「マスカット・クラシック」も昇格を決め、中東開催レースの存在感が増している。宇都宮ジャパンカップ・ロードレースは、例年通り10月の第3日曜日である18日に開催される。
2026年男子ワールドツアー年間スケジュール
日程 レース名(開催国)
未定 サントス・ツアー・ダウンアンダー(オーストラリア)
未定 カデルエヴァンス・グレートオーシャン・ロードレース(オーストラリア)
2月16〜22日 UAEツアー(アラブ首長国連邦)
2月28日 オムロープ・ヘットニュースブラット(ベルギー)
3月7日 ストラーデビアンケ(イタリア)
3月8〜15日 パリ〜ニース(フランス)
3月9〜15日 ティレーノ〜アドリアティコ(イタリア)
3月21日 ミラノ〜サンレモ(イタリア)
3月23〜29日 ボルタ・ア・カタルーニャ(スペイン)
3月25日 ザ・グレートスプリント・クラシック(ベルギー)
3月27日 E3サクソ・クラシック(ベルギー)
3月29日 ヘント〜ウェヴェルヘム(ベルギー)
4月1日 ドワルス・ドール・フラーンデレン(ベルギー)
4月5日 ロンド・ファン・フラーンデレン(ベルギー)
4月6〜11日 イツリア・バスクカントリー(スペイン)
4月12日 パリ〜ルーベ(フランス)
4月19日 アムステルゴールドレース(オランダ)
4月22日 ラ・フレーシュ・ワロンヌ(ベルギー)
4月26日 リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ(ベルギー)
4月28日〜5月3日 ツール・ド・ロマンディ(スイス)
5月1日 エッシュボルン・フランクフルト(ドイツ)
5月9〜31日 ジロ・デ・イタリア(イタリア)
6月7〜14日 クリテリウム・デュ・ドーフィネ(フランス)
6月14〜18日 ツール・ド・スイス(スイス)
7月4〜26日 ツール・ド・フランス(フランス)
8月1日 ドノスティア・サンセバスチャン・クラシコア(スペイン)
8月3〜9日 ツール・ド・ポローニュ(ポーランド)
8月16日 ベーメル・サイクラシックス(ドイツ)
8月19〜23日 レネウィ・ツアー(ベルギー)
8月22日〜9月13日 ブエルタ・ア・エスパーニャ(スペイン)
8月30日 ブルターニュクラシック・ウェストフランス(フランス)
9月11日 グランプリ・シクリスト・ド・ケベック(カナダ)
9月13日 グランプリ・シクリスト・ド・モンレアル(カナダ)
10月10日 イル・ロンバルディア(イタリア)
10月13〜18日 ツアー・オブ・グワンシー(中国)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos