ロード世界選手権3日目は男女ジュニアの個人タイムトライアルが行われ、オランダ勢が制圧。男子はミヒール・モーリス、女子はメーガン・アレンズがそれぞれ初優勝を飾った。



9月24日に行われた男女ジュニアの個人タイムトライアル photo:UCI

アフリカ・ルワンダの首都キガリで開催中のロード世界選手権は3日目を迎えた。 この日は個人タイムトライアル最終日として、男子と女子のジュニアカテゴリーが行われた。

男子ジュニアは前日の女子U23と同じ全長22.6kmのコース。ニャンザ峠(距離2.5km/平均5.8%)の頂上でUターンし、長い緩斜面の下りを経て、石畳のミュール・ド・キガリ(距離1.3km/平均6.3%)を登坂してフィニッシュする。他の男子カテゴリーより難易度は低いものの、例年の平坦TTに比べればテクニカルかつ過酷なレイアウトだ。

日本を除く57ヶ国から85名が出場し、29分7秒のトップタイムを叩き出したのは、オランダ出身のミヒール・モーリスだった。最後から8番目に出走したモーリスは序盤こそ抑え気味に入ったものの、後半から飛ばし、ミュール・ド・キガリ手前に設定された第2計測地点(18km)をトップタイムで通過。頭と身体を左右に揺らしながら石畳坂を登り、それまでのトップタイムを8秒更新した。

優勝:ミヒール・モーリス(オランダ) photo:CorVos

2位:アシュリン・バリー(アメリカ) photo:UCI
3位:セフ・ファンケルクホーヴェ(ベルギー) photo:UCI


僅差の戦いを制し、アルカンシエルを獲得したミヒール・モーリス(オランダ) photo:UCI

「素晴らしい勝利となった。コースはとても難しく、前日まで行われたTTでは力を使い果たしていた選手が多かったので保守的なペースで入り、石畳では限界まで踏み込んだ」と語ったモーリス。2024年にヨーロッパ選手権男子ジュニアで優勝し、今年TTオランダ選手権の男子ジュニアで連覇を達成した18歳。現在はドイツのクラブチームに所属しながら、ヨーロッパ各国の国内レースで勝利や総合優勝を重ねている。ちなみにラボバンクやオリカ・グリーンエッジ(現ジェイコ・アルウラー)で活躍したイェンス・マウリス(オランダ)は叔父にあたる。

2位に入ったのはモーリスの直後に出走したアシュリン・バリー(アメリカ)。来年ヴィスマ・リースアバイクの下部チームに所属することが決まっている。そして3位はデカトロンAG2Rラモンディアールの下部チーム所属のセフ・ファンケルクホーヴェ(ベルギー)だった。



女子ジュニアもオランダが優勝

優勝:メーガン・アレンズ(オランダ) photo:UCI

一方、女子ジュニアはニャンザ峠の手前でUターンし、ラストにミュール・ド・キガリを登る18.3kmで争われた。そして優勝したのは男子と同じオランダ出身のメーガン・アレンズ(オランダ)だった。

2位のオスティス・パウラ(スペイン)に35秒上回る25分47秒でフィニッシュしたアレンズは、オランダのクラブチームに所属する18歳。昨年のTT世界選手権では9位から大幅に成長し、アルカンシエルを掴み取った。「この勝利は私にとって本当に大きな意味がある。まだ信じられない気持ち」と喜びを語った。

強豪を退け、優勝したメーガン・アレンズ(オランダ) photo:UCI

敗れたオスティスは今年トレーニー(研修生)としてモビスターで走り、来年プロデビューを予定している18歳。3位だったオダ・アウネ・ギッシンガー(ノルウェー)は、来年コープ・レプソルに所属することが決まっている。
ロード世界選手権2025 男子ジュニアタイムトライアル結果
1位 ミヒール・モーリス(オランダ) 29.07
2位 アシュリン・バリー(アメリカ) +0:06
3位 セフ・ファンケルクホーヴェ(ベルギー) +0:08
4位 ベッカム・ドレイク(アメリカ) +0:13
5位 マックス・ハインズ(イギリス) +0:18
ロード世界選手権2025 女子ジュニアタイムトライアル結果
1位 メーガン・アレンズ(オランダ) 25:47
2位 パウラ・オスティス(スペイン) +0:35
3位 オダ・アウネ・ギッシンガー(ノルウェー) +0:37
4位 ロース・ミュラー(オランダ) +0:47
5位 エリン・ブースマン(イギリス) +0:48
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

※初稿で選手の姓名が間違っていましたことをお詫びします。(9:10修正済み)

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